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くらしと経済編集部

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「大阪・関西万博」が目指すものとその経済効果

後間
こんにちは。後間秋穂です。
今回は、2025年に開催される「大阪・関西万博」について、野村證券那覇支店支店長の宮里洋介さんにうかがいます。
よろしくお願いします。

宮里
よろしくお願いします。

「大阪・関西万博」が目指すものとその経済効果

後間
まずは「万博」とは何なのか、わかりやすく教えてください。

宮里
万博とは「万国博覧会」の略称で、世界各国の科学技術や、各国の事情を紹介する展示や催し物を通じて国際交流を深めるための博覧会です。
今回の大阪・関西万博のテーマは、「いのち輝く未来社会のデザイン」で、コンセプトは「未来社会の実験場」となっています。
展示を見るだけでなく、オンラインプラットフォームを立ち上げることで、世界80億人の人々がアイディアを交換して未来社会を共につくることを目指します。

大会を運営する団体では、来場者数を2820万人ほどと想定していて、国はその経済効果をおよそ2兆円と試算しています。

また大阪のシンクタンクでは、関西全体をひとつのパビリオンに見立てる「拡張万博」という考え方を導入し、滞在型消費をうながすようなインセンティブを用意することができれば、宿泊数の増加などによりおよそ4兆円近くまで伸ばすことも可能ではないかとみています。

大阪・関西万博の概要

後間
滞在型消費をうながすということですが、「拡張万博」というのは具体的にどのようなイメージでしょうか。

宮里
「拡張万博」とは、万博のテーマや時間、空間などをさまざまな観点から拡張して実施していくものです。
具体的には、「空間の拡張」として会場の夢洲だけでなく、関西全体をパビリオンに見立て、全国各地で万博との関連性の高い活動を展開することで、観光客にとって魅力的なコンテンツや滞在型の消費をうながす仕掛けを導入したり、「時間的な広がり」として、万博の開催前から開催後にわたる長期的な活動を展開したりすることが考えられます。

例えば日本国内各地の工場を公開して、モノづくりの体験を提供する「オープンファクトリー」の取り組みや、
SDGs関連イベントや国際会議の開催などによって、国内外の宿泊や周遊を促進することで、プラスの効果を見込みます。

「拡張万博」の考え方

後間
「拡張万博」に関しての具体的な取り組みはすでに進んでいるのでしょうか。

宮里
経済産業省では、2021年秋に「360度エキスポ拡張マップ~万博と共に注目すべき関西の活動群~」というマップをまとめて公表しています。
このマップでは、関西各地で行われているドローンの実証実験や、環境・リサイクルへの取り組み、関西地域の見学可能な商業施設、新たな共創空間や活動ビジネスなどが紹介されています。

「大阪・関西万博」は、「拡張万博」という広い視野のもと、まずは3兆円の経済効果を実現させ、関西全体、そして日本全体の経済が活性化する起爆剤となることが期待されています。

「拡張万博」に向けた動き

後間
2025年に開催に向けて、今後もさらに新しいアイディアが生まれてきそうですね。
楽しみです。

今回は、「大阪・関西万博」について、野村證券那覇支店支店長の宮里洋介さんに伺いました。
ありがとうございました。

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