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くらしと経済編集部

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「レベル4解禁」で活気づくドローン産業

後間
今回は「『レベル4解禁』で活気づくドローン産業」について野村證券那覇支店支店長の宮里洋介さんに伺います。よろしくお願いします。

宮里
よろしくお願いします。

『レベル4解禁』で活気づく ドローン産業

後間
ドローンの「レベル4解禁」という事ですが、何がどのように変わったのでしょうか。

宮里
これまで法律上可能なドローンの運行は、レベル1~3までの3種類でした。

レベル1は目で確認できる範囲内で人の操縦によって飛行させることができ、空撮や橋の点検などでの活用が認められていました。

レベル2は目視できる範囲内で自動で飛行させることができ、農薬の散布や土木測量での活用が可能になりました。

レベル3では無人地帯、例えば川や海、離島や山間部などの地域であれば目で確認できない目視外の範囲でも飛行が認められましたが関係者以外の人がいたり車が走っていたりする場所では飛行できませんでした。

しかし、2022年の12月に航空法が改正されたことでレベル4が解禁され、その結果、一定の条件下においては一般の人がいる場所でもドローンの飛行が認められました。

ドローンの飛行レベル別の操縦範囲と活用例

後間
なるほど。今回の法改正でドローンの活用範囲が広がりそうですね。

宮里
はい。ただし人の往来のある場所でドローンをすぐに飛ばせるというわけではなく、機体の安全を証明する「機体認証」と国家資格となる操縦者のライセンス制度が新たに設けられ、実際にレベル4による飛行が始まるのは今年春ごろからと言われています。

後間
自由度が高まる分、安全性を証明することも必要になるのですね。レベル4の解禁で期待されていることはありますか。

宮里
はい。とりわけメリットが大きい分野として注目されているのが物流です。
レベル4の飛行が可能になれば配送を自動化してコストを削減できるほか、道路と違って最短ルートで目的地まで向かえるため効率化が期待されています。

また実際にレベル4の運用を見据えた実証実験も始まっています。山間部の東京都奥多摩町では郵便局から山の上の中継地点まで車で荷物を運び、そこからドローンに荷物を載せかえ配送ロボットの待機場所まで輸送し、最終的に配送ロボットが受取人の家まで運ぶという実証実験を行いました。
実用化されたら、配送が難しい地域でも郵便事業を継続できるというメリットがあります。

このほかにも、ドローンを活用した離島への夜間配送や住宅街でのランチ配送などの実証実験が行われていて、買い物が不便な地域の人たちや人手不足に悩む事業者の課題解決に繋がることが期待されています。

ドローン運行レベル4の運用を見据えた物流の実証実験

後間
そうなんですね。では今後のドローンビジネスの国内市場規模はどのように予想されていますか。

宮里
はい。2021年度は前年度より25.4%増加した2308憶円になったと推測されています。
2022年度には前年度と比べ34.3%伸びた3099憶円に、2027年度には7933憶円に達すると予測されています。

ドローンビジネスの市場規模

後間
今後の展開に注目ですね。今回は「『レベル4解禁』で活気づくドローン産業」についてお伺いしました。宮里さん、ありがとうございました。

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