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OTV報道部

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映画スラムダンクが大ヒット 首里城ではかつてバスケが W杯に向けて熱を帯びる沖縄

沖縄を舞台の一つにした映画「THE FIRST SLAM DUNK」が全国で大ヒットを記録。
そんな状況を追い風に、2023年8月に沖縄で開催されるワールドカップを盛り上げようとムーブメントが起きている。

主人公のルーツは沖縄に

2022年12月の公開以降、およそ800万人の観客動員数を記録している『THE FIRST SLAM DUNK』。

物語の主人公となる高校生・宮城リョータのバスケットボールのルーツが沖縄にあることが初めて明かされるとともに、「身長が小さくてもスピードで相手を翻弄する」という沖縄バスケの真髄が描かれている。

バスケファンの女性2人組
「映画観ました。めっちゃ良かったです 。舞台が地元だったので、熱かったです、胸熱でした」

バスケファンの男性
「沖縄が舞台になっているスラムダンクが外国でも結構人気があるみたいで、それ自体も嬉しいです」

国内のみならずアジアを席巻している『THE FIRST SLAM DUNK』。韓国での観客動員数日本アニメ映画歴代1位(381万人)

日本、そして沖縄のバスケットボールに世界から熱い視線が注がれる中、2023年8月に沖縄にやってくるのがFIBAバスケットボールワールドカップ!

W杯による経済効果は63億円 大会に向けた機運高まる

映画の大ヒットも追い風に、県内でも大会を盛り上げようとする動きが。
ゆいレールでは、ワールドカップ仕様のラッピングが施された車両が運行している。

さらには小さな子ども向けのバスケットボールイベントが開催されたり、男子日本代表のトム・ホーバス ヘッドコーチが地元の高校生を指導したりと、大会に向けた機運が高まっている。

JBA(日本バスケットボール協会)の試算によると、ワールドカップ開催による県内への経済効果は63億円に上り、観光への波及効果が大いに期待されている。

開催地の沖縄市でも、元NBAのスーパースターを招いて地元のPR動画を制作するなど全庁体制で臨んでいる。

沖縄市 経済文化部 宮里大八さん
「本当に一生に一度あるかないかぐらいの大きなイベントですので、沖縄市としてももちろん盛り上がってもいきますし、これが沖縄県全体にも広がっていければと思っています」

首里城の御庭(うなー)でバスケが行われていた

ワールドカップを前に2023年2月、那覇市首里でバスケットボール関係者やメディアを対象にした勉強会が開かれた。

呼びかけたのは、沖縄のバスケットボール情報を発信する専門誌『アウトナンバー』を創刊した金谷康平さんだ。

アウトナンバー創刊者 金谷康平さん
「バスケについて色々知っていけば知っていくほど楽しさが湧いてきますし、街の人たちもこれまで興味なかったけど興味を持つようになります」

今回の勉強会でテーマに上がったのが「沖縄のバスケの歴史」。

県立芸術大学で体育の指導などを行う張本文昭教授は、バスケ通の間でもあまり知られていない歴史を紹介した。

県立芸術大学 張本文昭 教授
「南殿・北殿を囲んだ御庭(うなー)は、運動場だったと言えます。バスケは当時、当然体育館がありませんから、外でやるスポーツで、首里城の御庭で行われていました」

これは1908年に首里城南殿に移転した首里市立女子工芸学校の写真。

よく見てみると、背景に木製のバスケットゴール2基が写っているのが分かる。

工芸学校は1934年に首里桃原町へ移転しているため、それよりも前に撮影されたと考えられる。 

大会のロゴには在りし日の首里城の姿

関係者らの情報収集により知られざる歴史が紐解かれ、戦前から続くバスケットボール沖縄の繋がりが明らかになってきた。

そして100年の時を経て沖縄で開催されるワールドカップ。
大会のロゴには、在りし日の首里城正殿の姿が描かれている。

県立芸術大学 張本文昭 教授
「大会が終わったらお隣の城西小、城南小のミニバスケがあるので、ちょっとレッスンとかやると最高です」

アウトナンバー創刊者 金谷康平さん
「最高です、それが良いです。でもやっぱり本当にたくさんの方が首里城に来られるので、一人ひとり皆さんにワールドカップがあることも知ってほしいし、首里城のここで行われていたということも深く知ってほしいなって思います」

沖縄のバスケットボールに関連した映画の大ヒット。
そして沖縄バスケ100年の歴史を追い風に、今後ワールドカップ開催に向け沖縄が更に盛り上がっていきそうだ。

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