「久々に再会した友人。実は・・・」おきなわの恐怖体験②【琉球トラウマナイトリアルストーリー】　

実際の恐怖体験を元に制作される特別番組「琉球トラウマナイトリアルストーリー」（4月25日（火）よる8時、沖縄テレビにて放送)。
今回、応募作品の中から厳選したリアルストーリーをOKITIVEでお届けします。

久々の再会・・・

応募者S(仮名)が体験した話です。

高校を卒業して就職の為県外で生活をして3年が経った頃、駅前で友達と待ち合わせをしていました。
するとどこからか視線を感じ、探してみると何処かで見たことがあるような男の人がこちらをじーっと見ていました。
雰囲気に違和感があって怖かったので　知らないふりをしてましたが、少しずつ近付いてくるのがわかったので、もう一度顔見るとその人は高校の同級生ソウタ（仮名）でした。
ソウタは身体が弱く、入退院を繰り返し学校を休みがちでイジメられていましたが、それを何回か助けて仲良くなった友達でした。

びっくりして、「ソウタだよな？久しぶりだな何でここに居るの？就職？いつ沖縄から出てきた？」など一方的に質問ばっかりしていると、待ち合わせしている友達から電話があり道に迷ったとのこと。時間がないのでソウタに電話番号を破ったメモ帳に書いて渡し、「今度またゆっくり会おう」と伝えてその場から離れました。

それから半年後、沖縄の友達が旅行がてら私を訪ねてきて、いろいろ話していると、
友達「そういえばソウタの事覚えてる？」
S「覚えてるよ！ソウタがどうした？」
友達「病気で亡くなったらしい」
S「え！！半年前に会ったばかりなのにショック・・・」
その言葉を聞くと友達の顔は青ざめて、ソウタは亡くなる１年前から沖縄で入院しているから来るわけがないという。
「でも、会って話もした」と伝えたときに違和感を感じました。それは、あの時自分ばかり話してソウタの声は全く聞いていなかったということ。
その時は頭が真っ白になり、とても怖かったのを覚えています。

それから2年が過ぎ沖縄に里帰りした時　高校の友達とソウタの家に行きました。
ソウタの母親が「ソウタがよくあなたの話しをしていてすごく楽しかったみたい。あなたが本土に行ったあと、体調が悪くなり入院したのだけど、高校時代のことを楽しそうに話していた。」と話してくれました。
イジメにあっていたソウタを助けて、一緒にバカばっかりしてただけなのに・・・。普通の事がソウタにはとても楽しかったんだと思い、もっとたくさん話せばよかったなと感じました。
ひと段落ついて、帰ろうとするとソウタのお母さんが　ソウタはあなたに連絡を取りたかったみたいよと言うと　クシャクシャになったメモ帳を見せました。
それは私が本土でソウタに渡した連絡先を書いたメモ帳でした。私は固まってしまいました。でも不思議と涙が出てきて、怖い感情はありませんでした。
ソウタのお母さんには本土でソウタに会った事は伝えてありません。なぜかはわかりませんが　言わない方がいいような気がしたからです。今思えば私にとってはいい思い出として心に残っています。