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夢を語ろうじゃないか【リップサービス金城晋也の「こちら舞台袖」】
目次
あなたの夢はなんですか?
専門学校のコマーシャルのように爽やかにスタートしました。どうも、リップサービスの金城晋也です。「こちら舞台袖」第3回目も緩やかにお付き合いください。
さて、この原稿を書いているのは4月上旬、街は麗か(うららか)な春の陽気に包まれています。「麗か」がどういう状態を指すのかはよく分かっていませんが、この空気感は間違いなく麗かです。
あぁ、麗か。
そんな麗かな日から少し振り返って、3月の話からしましょう。
3月といえば世間的には卒業シーズン真っ盛りです。家の近所の学校でも卒業式が行われていたようで、大きな花束を抱えた学生やお菓子のレイを首にかけた学生、なかには野菜(しかも根菜中心)で作られた重そうなレイを首にかけた学生の姿なんかもありました。花束はとても華麗で、根菜のレイはとてもカレーでした。
ちなみに卒業生にレイを贈るこの文化って、沖縄特有のものらしいですね。いつから根付いたものなんだろう、と古いアルバムをめくってみました。高校卒業を迎えた(18年前ですって!)当時の僕の首元にもありました!一つだけですが、しっかりと確認できました。
この春一番の、麗かな日
なぜ振り返ってまで卒業式の話をしたかといいますと、ここからが本題。我が息子もこの春めでたくこども園の卒園式を迎えたんです。僕自身も父親になって初めての卒園式でした。
ちなみにこの日も、とても麗かな日でした。
式のプログラムの中で、園児が卒園証書を受け取る前にそれぞれ「将来の夢」を発表する場面がありました。
「けいさつかんになりたい!」「おはなやさんになりたい!」「ゆーちゅーばーになりたい!」どれもこれも将来への希望に満ちた、キラキラ輝く素敵な夢でした。
そして僕の息子ですよ。「おおきくなったら、おわらいげいにんになりたいです!」と堂々と発表してくれたのです。
なんとびっくり!お笑い芸人の父親として、これ以上の感動はありません。漫才師かな?コント師かな?所属は吉本かな?マセキ芸能社かな?考えるだけでワクワクが止まりません。いいぞ息子!頑張れ後輩芸人!いつかO-1グランプリの決勝で会おう!(気が早い)
悲劇のペッパーミル
そんな感動の卒園式からしばらくたった3月の下旬。日本中がWBCサムライJAPANの熱気に包まれていたある日の出来事でした。
二刀流・大谷翔平選手の活躍に目を輝かせていた後輩、いや息子。
居ても立っても居られなかったのか、家のなかでバットをブンブンと振り回し、その勢いでテレビをがつん。芯で捉えられたテレビのパネルが見事に破損しました。
完璧な当たりを放った息子は、「ヌー」と言わんばかりの得意げな表情でペッパーミル。どちらもコショウ(故障・胡椒)です、という高度なギャグでしょうか…ってやかましいよ!あーあ。
この状況で「テレビ買わなきゃ!」よりも真っ先に頭をよぎったのが「やばい!このままじゃ野球選手に憧れちゃう!夢変わっちゃう!」ということでした。
芸人になりたいと言ってくれたばかりなのに、せっかくかわいい後輩ができたばかりなのに。これは淋しい。
にこにことペッパーミルを続ける息子に、恐る恐る聞いてみました。「大きくなったら何になりたいんだっけ?」「えーっと、おわらいげいにんと、、、やきゅうせんしゅ!」まさかの二刀流です。これには大谷君もびっくりでしょう。
「あなたの夢はなんですか?」僕はサッカー選手や設計士、学校の先生に憧れていました。今の夢は「さっきゅうにてれびをかいかえることです!」
いや、二刀流で稼いだ息子にもっともっと大きなテレビを買ってもらいましょうかね。そうなると、しばらくは壊れたテレビで我慢です。
OTVさん、さーねーさんの位置をもうちょい中央に寄せといてください。
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