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OTV報道部

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ゆりの花の純白な絨毯を楽しんで 新型コロナを乗り越えて4年ぶりの伊江島ゆり祭り

100万輪のユリが咲き誇る伊江島ゆり祭りが2023年4月22日から始まった。

新型コロナウイルスの影響で祭りが中止となった3年前のある悲しい経験を乗り越えた人たちは、大切に育ててきたゆりを4年ぶりの祭りで多くの人に見てほしいと話す。

東京ドーム2つ分の敷地に咲き誇る100万輪のゆり

本部港からフェリーで30分の伊江島。

初夏を彩る島の一大イベントに向け、準備が進められている。

ゆり祭りの開催まで2023年4月17日で残り5日となった。
現在はまだつぼみが多い状態だが、すでに咲いている花からは甘い香りが漂ってくる。

会場となるリリーフィールド公園では、ゆりを育てる人たちが手入れに精を出している。

今年の開花状況や出来栄えについて聞いてみた。

玉木伸治さん
「今年は球根のできがすごくよかったので。ただ暖冬の影響か年々開花が早まっている傾向にあって、どうにかゴールデンウィークまでもってくれればと、ちょっとひやひやしているんですけど、もってくれると信じています」

玉木伸治さんは、1996年から開催されているゆり祭りに当初は役場の職員として、現在は園芸や公園の管理を行う会社に勤めてゆりを育てている。

玉木伸治さん
「11月上旬から植え付けして、だいたい1週間かかるかかからないか。島の小学校が2校あるんですけど、3年生の生徒が北側の方の球根の植え付け体験をしてくれたり、いろんな方の協力があって」

東京ドーム2つ分の敷地に咲き誇る100万輪のゆりを楽しむことができる伊江島ゆり祭りは、2023年に4年ぶりの開催となる。

新型コロナから島の医療を守るために苦渋の決断

多い時には3万6000人が来場していたが、新型コロナの流行が始まった2020年、祭りの中止が決まった。

この時、役場が決断したのが…

玉木伸治さん
「SNSとかやっている方が多いので、咲いているところをSNSで見ると「見に行っていいんだ」って思ってしまうので、島にコロナを持ち込ませないために花を摘み取らないといけなかったです」

大切に育ててきた人たちが自ら花やつぼみを摘み取らなけれならなかったのは、お年寄りも多く、1つの診療所で支えている島の医療を守るための苦渋の決断だった。

玉木伸治さん
「つぼみを全部ひとつひとつ折って。ぷちぷちという音がいやでしたね。これを見せられないのかということを思うと、せっかく植えたのにという気持ちで、あの時は残念でした。できたらやりたくない、明日は出勤したくないという方もいたので、みんな同じ思いなんだと思って」

20年以上ゆりの栽培に関わってきた島袋すみ子さんも、あの時のことは忘れることができないと話す。

島袋すみ子さん
「もうなんとも言えなかったですね。みんな摘み取った時にはもう心が痛くて」

島袋すみ子さん
「育ててあげたのが見られないで、摘み取る作業をしてしまった」

新型コロナの流行が収束したときには、また多くの人にゆりの花が作る純白の絨毯を楽しんでほしい。
そうした願いを込めて育てたゆりの花が今年の祭りの開催に向け、美しく咲き始めた。

島袋すみ子さん
「みなさんに観光してもらって、きれいに咲いたなーって思ってくれるだけで、疲れがみんな飛びますよ。世話をしたり、植え付けしたりといろいろな作業ありますけどね、うれしいですよ。いい天気になって、みなさんが見て回って、爽やかな気持ちでちょっとでも癒されたら、それで私たち幸せですよ」

伊江島のゆりが有名になったのは

村史によると、伊江島では1980年代にゆりの球根栽培が始まり、国内だけでなくオランダにも出荷していた。

1995年にリリーフィールド公園が開園。

その翌年から始まったゆり祭りは、新型コロナが流行する前の2019年まで毎年開催され、島の人たちも楽しみにしている行事だ。

島の人
「あの場所は私も大好きな場所なんですけど、あそこにゆりが咲いているとみんな来てほしいと思うし、にぎやかになりますよ。4年ぶりですからたくさん来てほしいですよ」

祭りの開催を前に、すでに訪れた観光客の姿もあった。

観光客の男性
「きれいですね。花も大きいし」

観光客の女性
「きれいなのでびっくりしました。こちらも全部咲いたら、もっときれいなんでしょうね」

会場の準備に役場の職員も汗を流している。

伊江村商工観光課 金城幸人 課長
「職員総出で協力体制ばっちりですので、22日のオープニングをしっかりと迎えたいと考えています。通常開催でステージイベントも4年ぶりに開催されますので、みんなワクワクしていると思いますし、村民も楽しみにしていると思います」

玉木伸治さん
「上から観光客の団体が降りてきたときに拍手が起こったりワーッと歓声が上がったり、ゆりをバックに写真を撮っている姿を見るとこちらもうれしくなりますし、みなさんの笑顔が今年も見られたらなと。これが楽しみで植えているので、今年もそれが見られることを願って。たくさんの来場があればと思います」

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