スポーツ,暮らし
剣道7段ですごいのにこんな事もできるの!?才能がマルチすぎて語りつくせない72歳の女性剣士
県内でも指折りの実力を誇る剣道7段・72歳の女性剣士がいる。
取材を進めると一度では語りつくせないたくさんの顔が見えてきた。
72歳で20歳の骨密度、剣道7段の試験も一発で合格
力強い竹刀さばき。ぶれない体に、凛としたたたずまい。
最高段位8段の剣道で7段を持つ剣士だ。
その素顔は…
宇良永子さん
「剣道をやっていたら骨密度上がってきます。どうしてですかね。72歳でまだ20歳くらいの骨密度があります。足腰にはこういうすり足の動きとかがいいはずです」
女子剣道会の方
「すごいです。剣道して健康になったらしいです」
宇良さんは2022年11月、72歳で7段の昇段試験に合格!
宇良永子さん
「全くの予想外でした。もう全く自信はありませんでした。7段というのは格式の高い段なので80歳までを目標にと考えておりました」
7段の合格率は全国で15%~20%。
これまでに県内で7段を持つ女性は宇良さんを合わせてわずか6人で、一発での合格は初めてだ。
宇良さんの稽古の相手は主50歳以上も年の離れた中高生たちだ。
生徒①
「自分では気づかないクセとか動作の無駄とかを優しく指摘してくれるので有難いです。歳は離れているけれど身近な先輩です」
生徒②
「いくつになっても挑戦しているので自分にとっての目標です。ああいう風にいくつになっても挑戦できるような人になりたいです」
およそ5キロある防具をつけ2時間みっちり稽古した。
Qどうでしたか今日の稽古は?
宇良永子さん
「別に普通なんです。全然息も切れないです」
Q疲れてないですか?
宇良永子さん
「全然!軽い軽い、もっとやっても大丈夫です」
高校生から剣道を始め、現在は県剣道連盟の副会長や県学校剣道連盟の会長を務め、長年沖縄の剣道界を引っ張る宇良さん。
スーパーおばあちゃんに孫たちは…
強さの秘訣を探ろうと自宅に伺うとこんなものが!!
宇良永子さん
「朝晩、素振り100本くらいはやらないといけません」
宇良永子さん
「こんなのを廊下でやるんです。これを“老化現象”といいます」
一方で孫たちはあまり興味がない様子…
Q剣道をやってほしいですか?
宇良永子さん
「いまのところ興味を持っていないみたいです」
Qどんなおばあちゃんですか?
孫
「優しいです」
Q剣道している姿はどうですか?
孫
「なんかすごい感じです」
すごいのは剣道だけじゃない、マルチな才能
取材を進めていると宇良さんの別の顔を発見した!
宇良永子さん
「復帰の次の年に警察官になって、それから学校の先生になって31年間教員をやっていました」
実は宇良さん、巡査部長も務めた沖縄初の女性警察官だったのだ!
その後は美術教師に転職し、小学校の校長も務めた。
現在も中学校や警察学校で美術を教えていて、2023年沖縄で開かれる全国大会のポスターも作成中!
日本剣道界最高峰とされる「全日本東西対抗剣道大会」、さらにデザイナーとしてもプロ並みの腕前で、娘の結婚を手作りのウェディングドレスで祝福した。
医者の一言が新たな才能を開花
たくさんの顔を持つ宇良さんだが、10年前は日常生活もままならない状態だったという。
宇良永子さん
「仕事が忙しくて運動とかそういうことができなくなったときに、足に水が溜まって歩けなくなって、普通の生活がしたい。でも朝起きると這っていってトイレまで立てないものですから。そうしたら医者から「筋肉を付けなさい」って言われたのです。「筋肉ってどこに付けるのですか」ってたずねてみると、「全身につけなさい」って言われました」
そこで当時63歳の宇良さんは全身に筋肉をつけ…ボディービルダーに!!
30キロの減量にも成功した。
宇良永子さん
「いくつからでも筋肉はつきますし、体を作れます。体は自分で作っていかないといけません」
す、すごい…!!
Qその元気の秘訣は何ですか?
宇良永子さん
「ただ一つですね。気持ちの問題、気力の問題なんですよ。楽しみに変えることができれば一番いいです。今きついけど頑張る。それがまたパワーにつながります。今日はこれだけできた。また落ちた。またこれだけできた。1歩進んで2歩さがるそういうものなんです」
警察官、美術教師、デザイナー、そしてボディービルダー…
7段を持つ剣士として取材をしていたはずが、宇良さんにはたくさんの顔があることがわかってしまった。
宇良永子さん
「かえって教科の方が専門だからその方を語った方が本当は…剣道は専門的にやっているわけでもなんでもないのです。流れの中でそうなっているだけであって、教えているのは美術で、習っているのが剣道です」
宇良さんの素顔を知るにはまだまだ時間がかかりそうだ…
あわせて読みたい記事