コラム
生き物たちの命と水中ゴミ拾いの注意事項
みなさんこんにちは!
「水中ゴミ拾い専門店Dr.blue」でゴミ拾いダイビングのインストラクターをしている東真七水(アズママナミ)です。
自称、「水中ゴミ拾い名人」です!
今月もどうぞよろしくお願い致します。
私は「スキューバダイビング」と「ゴミ拾い」を掛け合わせ、海の底に沈んだゴミをスキューバダイビングをしながら楽しく回収するという「水中ゴミ拾い」を新しいマリンアクティビティとして広める活動をしています!
先月までは「水中ゴミ拾いの魅力」について、いくつかご紹介させて頂きましたが、今月のコラムでは先月の水中ゴミ拾いの結果と併せて、ちょっと変わった?
「水中ゴミ拾いの注意事項」について書かせて頂きます。
【 3月の成果は・・・?! 】
先月回収したゴミの量を測ってみたところ、28.71kgという結果になりました!
※ちなみに、ダイビング後は毎回こういうもので計測しています^^
ちなみに1月からの結果を振り返ると、
1月 23.51kg
2月 24.66kg
3月 28.31kg
なので、今月は特にたくさん拾えましたね。
開業してから毎月何度も清掃しているので、ゴミの量が少しずつ少なくなってきていると感じるポイントもありますが、この結果から新しく流入してくるゴミの量も多いことが伺えます。
海の中の清掃はダイバーとしてもちろんですが、海のゴミの7-8割は街からきている、というデータもあるので、海の中に入る前に対策を投じること(シティクリーンやビーチクリーン、3Rなど)も大切です。
さて、今月も私の独断と偏見による先月のレアゴミMVPを発表致します!
それは・・・
モンスターボールです!!!
あるゲスト様が海底の砂山から発見してくださいました。
今までに色んなおもちゃを海で拾ってきましたが…モンスターボールはなかなか見ませんね笑
今月も多くのレアゴミがあったので迷ったものの、ポケモン世代なのでこれはとても懐かしくテンションが上がってしまいました!
過去に水中でポケモンカードを拾ったこともありますし、ポケモン好きの子供達、うっかり落とし物をしないように気をつけてくださいね^^
また来月もこのように1ヶ月の活動報告をさせていただきますので、チェックしてください^^
【 水中ゴミ拾いの注意事項 】
実は、水中ゴミ拾いには色んな危険だったり、特殊な状況が想定されるので、特有のルールや注意事項が存在します。
今回はたくさんある中から1つ、ユニークなものをご紹介させていただきます。
もし海の中でゴミを発見したら、すぐに回収してはいけません。
なぜかというと、ゴミの中に生き物が住んでいたり、卵がついていることがあり、その場合そこで暮らす生き物の命が優先されます。
そのためペットボトルや空き缶、お菓子の袋など発見した際は、まず中に生き物がいないか確認をするところがファーストステップです。
こんな感じです!
↑手にとってじーっと瓶の中を確認する優しいゲスト様の様子
とはいっても中に生き物がいないことがほとんどで、もちろんその場合はすぐに回収してOKですが、
下記に今までに実際にあった事例をご紹介します^
こちらはペットボトルです。
よく中を見てみると幼魚が住んでいました!
バッチリ目が合ったので、そのままそっと元の位置に戻しました。
ただ数ヶ月後訪れた際にはお引越ししていたので、無事回収^^
こちらはウミウシの卵がついているプラスチック製のブイです。※中央のブイ
この場合、ゴミの落ちていたポイントを記録しておいて、また後日訪れ、卵が孵化していたら回収することが推奨されます。
そのためこの時は、それ以外の卵がついていないブイだけを回収しました。
このように、水中ゴミ拾いは生き物たちの命を優先しながら行っています。
もし皆様が海中でゴミを発見されましたら、まずは「確認」されてくださいね!
水中ゴミ拾いならではのルールがあること、お見知り置きください。
また、この他にも海に「残しておくべきゴミ」の基準があります!
もしそんな水中ゴミ拾いについてより詳しく学ばれたい方がいらっしゃいましたら、それに特化した『Dive Against Debris』講習がおすすめです。
全国のダイビングショップの中で取り扱っているところもありますし、もちろんDr.blueでも実施しておりますので、お気軽にご相談くださいね^^
※受講にはスキューバダイビングのライセンスが必要です。
次回の連載は、5月中旬を予定しております。
また来月もよろしくお願いします!
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