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OTV報道部

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健康経営で企業価値の増大へ

──今回は経済のスペシャリストであるブルームーンパートナーズの伊波貢さんとお伝えします。

伊波さん
「今回のテーマは『健康経営で企業価値の増大へ』についてです」

オフィスの快適性や社員の健康増進など、働きやすい環境を整えるために企業が投資を行う「健康経営」がいま全国的に注目されています。
沖縄県内でこの健康経営を導入する企業の取り組みを取材しました。

快適な労働環境で社員の健康をバックアップ

伊波さん
「沖縄セルラー電話さんの本社にやってまいりました。健康経営に対して、さまざまな取り組みをしているということで、お話を伺っていきたいと思います」

私がまず案内してもらったのは、本社ビル9階にある社員食堂です。

伊波さん
「オシャレなカフェですよね、とても社食とは思えないような素晴らしい施設になっています」

この食堂の特徴は、オシャレな空間というだけではありません。

沖縄セルラー電話 兼城学 人事部長
「健康経営ということで、ヘルシーメニューというものを提供しておりまして、2021年の8月からスマートミールの認定を受けています」

栄養バランスに配慮したヘルシーメニューを日替わりで提供しています。
なかなかのボリュームがありながら、セットでおよそ550キロカロリーと非常にヘルシーなメニューとなっています。

社員食堂は福利厚生の一環となっていて、その価格はなんと、340円というから驚きです。

また食堂の一角には、体脂肪や筋肉量などの詳細なデータを測定できる体組成計が設置されています。

伊波さん
「かなり正確なデータですね。だいぶ増えている感じがあるので、これでまた健康への意識も高まりそうですね」

さて、昼食の時間帯を終えたオフィスの様子を見てみると…

立ったまま仕事をしている人がいます。

実は昇降式のデスクを導入していて、その時の気分に応じて高さを変えることができるんです。

沖縄セルラー電話の社員
「普段は座り仕事が多いので、足腰がむくんでいる時に(立って)仕事をしてリフレッシュさせています。仕事がしやすくなったので、ストレスなく仕事に集中できているのかなと思います」

また心身の状態について、いつでも専門家に相談できる「ウェルビーイング室」を設置するなど、社員の心身の健康を守るための取り組みを進めています。

沖縄セルラー電話 兼城学 人事部長
「健康というところに対して、(社員の)目はだいぶ向いてきたのかなと思っています。やはり会社としては、社員は財産というところでいくと、心身ともに健康で働き続けるというところが非常に重要だと思います」

社員の健康以外のメリットも

今回取材した沖縄セルラー電話以外にも、日本トランスオーシャン航空では整備士が安全かつ快適に作業できるような環境を整えているほか。

婦人科検診を受診しやすいよう職場での集団健診を実施し、2023年度から費用補助の上限も増額されました。

こうした取り組みには企業として一定の費用がかかりますが、健康経営を専門に研究している新井卓二さんは、さまざまな観点でプラスの効果が得られると話します。

山野美容芸術短期大学 新井卓二 教授
「従業員の活力が向上し、そのあと優秀な人材を獲得できたり、人材の定着率が向上する。さらに企業や組織が活性化してイノベーションが起きて、最終的には企業価値の向上や業績が向上します」

経産省が就職活動中の学生とその親を対象にどんな企業に就職したいか・させたいかを尋ねた調査では、「従業員の健康や働き方に配慮している企業」が上位に挙がり、就活生の1位の回答は「福利厚生が充実している」企業でした。(2017年の調査)

ライフワークバランスを重視する若い世代の人材を確保するためにも、健康経営の考え方が今後さらに重要となりそうです。

独自の方法で社員の健康増進を応援

上下水道やごみ処理施設などの保守・管理を行う、興南施設管理。

24時間体制での安全運行のために、社員の健康は欠かせません。そんななか、2020年から取り組んでいるのが…

専門家を活用した健康実践セミナーです。

日々の業務では動かさない筋肉を使うフィットネス講習や生活習慣病を予防するための講義などを、月に1度のペースで行っています。
また、楽しみながら健康増進に励むことができるよう、健康診断の結果や歩数を「健康増進ポイント」として見える化。

ランキング上位を掲示板などに張り出し、年に1度、報奨金を贈呈しています。

興南施設管理 志茂和浩さん
「『(上位を)目指して頑張って』とか、『(報奨金で)何を買ったよ』とか、そういうことも話したりしています。4人1組の16人体制でやっていて、それぞれの班の中でコミュニケーションが取れています」

チームのコミュニケーションが重要となるなか、「健康」という共通のテーマが会話のきっかけとなり、円滑な業務に繋がっています。

健康増進委員長を務める屋良常務は、公共インフラを支える技術を守り抜いていくためにも、「健康でいられる職場環境が大事だ」と力を込めます。

興南施設管理 屋良一寿 取締役常務
「(創業から)46年こられたのも、技術力があってのことだと思っています。昨今の沖縄は働き盛りで病気になる人が多いなか、弊社としても培ってきた技術を本当に活かすためにも、末永く働ける職場づくり、健康づくりというのを心がけています」

今日の一言

──さて伊波さん、今回のテーマから見えてきたことはなんでしょうか。

伊波さん
『心身ともに健康な社員の元に、健全な成長あり』です。

健康経営はその性質上、短期的には効果が見えづらい側面もあります。
ただ企業の風土としてしっかりと根付けば、社員一人ひとりが健康的に働けることに繋がり、企業の成長のための大きな力となります。

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