公開日
くらしと経済編集部

くらしと経済編集部

沖縄の高まる教育熱 中学受験ブーム

後間
近年、中学受験の受験者数が増えているようです。
今回はその最新事情について野村證券那覇支店支店長の宮里洋介さんにうかがいます。よろしくお願いします。

宮里
よろしくお願いします。

沖縄の高まる教育熱 中学受験ブーム

宮里
首都圏の中学受験市場は拡大傾向が続いています。
2023年度首都圏中学入試の受験者数は推計で約6万6500人と過去最多となり、小学校を卒業する生徒数に対する受験率は初めて22%を超え、5人に1人は中学受験をする時代となりました。

後間
5人に1人という数字は驚きました。この背景には何があるのでしょうか。

宮里
小学生の子供をもつ保護者たちの教育に対する関心は高く、今後も将来を見すえた私学の学びに期待が寄せられるだろうと分析されています。
これは、大学入試の変化を含み教育のありかたが問い直されているという動向が要因のひとつとして挙げられるようです。

首都圏の中学受験者数の推移

後間
では沖縄県内の状況はどうなんでしょうか。

宮里
2023年度の沖縄の県立中学校の入学志願者数は1236人で過去最高でした。
2016年度に開邦、球陽、与勝、緑が丘中が開校して以降、入学志願者数は堅調に推移しています。
私立中学校については詳細な数字は非公表ですが、受験者数は右肩上がりであると想定されています。

沖縄県内の県立中学校への入学志願状況

後間
県内の中学受験者数が増加している要因は何でしょうか?

宮里
沖縄県内でも関西圏における有名受験教室の「浜学園」が2021年に開校するなど、県民の教育熱が高まっていること、また中学が増えたことで選択肢が拡大したことが背景にあると考えられます。

後間
全国と比べて、県内の私立・国立中学への進学率はどのくらいなのでしょうか?

宮里
私立・国立中学への進学率をランキングでみると、沖縄県は5.5%で20位に位置しています。全国平均は8.1%となっており、1位が東京都で25.3%、2位が高知県で20.4%、3位が奈良県で13.6%となっています。

都道府県別の私立・国立中学への進学率

後間
今後も県内で、中学受験ブームは過熱していくのでしょうか。

宮里
全国的に少子化によって生徒数が減少する一方で、沖縄は唯一増加している県です。
また沖縄は文部科学省主催の「全国学力テスト」において、学力の底上げ傾向にあります。県教育庁では、県立中の志願者増について「県民の教育に対する期待の大きさだ」と説明しています。

後間
ただ、私立への進学は家計への負担も大きいかと思います。

  
宮里
そうですね。文部科学省の子供の学習費調査によれば、公立中学校が約54万円に対して、私立中学校は約143万円と約2.7倍となっています。数字の通り私立中学校への進学には相当な費用がかかることが分かります。

公立と私立の家計負担の比較

後間
費用がかかっても子供に充分な教育を受けさせたいと考える保護者が増えているのかもしれませんね。
宮里さんありがとうございました。

あわせて読みたい記事

HY 366日が月9ドラマに…

あなたへおすすめ!