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先人の思いを受け継ぎ唄・三線を奏でる~横浜・鶴見エイサー潮風~

鶴見エイサー潮風 ※写真提供

結成26年目!横浜・鶴見のエイサー団体

神奈川県横浜市鶴見区。戦前、沖縄県内各地から移り住んできた人々がコミュニティを形成、朝の連続テレビ小説「ちむどんどん」の舞台としても注目された。今なお、この地域では「食」や「芸能」など、いたるところで「沖縄」を感じることができるが、鶴見区を中心に活動を続けるエイサー団体「鶴見エイサー潮風(うすかじ)」もその名残の一つと言えるのではないだろうか。

1997年・横浜市鶴見区制70年をきっかけに結成
写真提供:鶴見エイサー潮風

道ジュネーに向けて猛練習!

練習会場の横浜市立寛政中学校
随時メンバー募集中

「鶴見エイサー潮風」の練習場所を訪れると、音響機材を持ち込むなど、本番を想定した気合の入れようだ。
「テンヨー節」など、エイサーでなじみの楽曲に合わせて演舞。バチさばきや隊列の確認に余念がない。
新型コロナウイルスについて感染症法上の位置づけが季節性インフルエンザと同じ5類に変わり、ひと頃に比べイベント開催が増えたことで実演する機会も増えてきた。2023年は「横浜鶴見沖縄県人会館」>前の通りを練り歩く「道ジュネー(注)」も予定している。

『高齢で故郷に帰省できない沖縄出身者にとっても、「潮風」にとっても「道ジュネー」は特別!』

そう意気込みを見せるのは、「鶴見エイサー潮風」の代表を務める小野有貴さんだ。

(注)道ジュネー:先祖を供養するため旧盆に集落の通りを練り歩く沖縄の伝統行事

熱気に沸く練習会場
創設初期より唄・三線で盛り上げる芦垣博志さん
唄・三線・太鼓の音が鳴り響く
小さなシンカヌチャー(仲間)

コロナ禍を乗り越えて

鶴見エイサー潮風の代表 小野有貴さん(26歳)

鶴見エイサー潮風 代表 小野有貴さん(26)
「緊急事態宣言のときは、イベントが無くなり、練習場所も使用できず、とても苦しい時期でした」

新型コロナの影響で、鶴見エイサー潮風に限らず、多くの団体で辞めていくメンバーもいたそうだ。実演する機会を失い、「潮風」にも閉塞感が漂うなか、明るい話題が2022年の沖縄復帰50年の節目に放送された朝の連続テレビ小説「ちむどんどん」だった。

鶴見エイサー潮風 代表 小野有貴さん(26)
「ドラマを見て、エイサーをやりたいという人も増えていった。テレビにかかわることで自分たちもモチベーションを維持できた」

2022年はコロナ対策をしながらも演舞
写真提供:鶴見エイサー潮風
エイサーを演舞できる喜びを噛みしめて
思いを新たに団結するシンカヌチャー(仲間たち)
自宅から車で40分かけて練習体験にやってきた家里遥月さん

「エイサー」は沖縄に限らず、県外の小学校の運動会の演目に取り入れられるほど人気。「ちむどんどん」の放送を機にでさらに人気を高めている。
この日「鶴見エイサー潮風」の練習体験にやってきたのは小学生の家里遥月さん。動画投稿サイトでエイサーの動画を見るのが好きで、母親に頼んで連れてきてもらったそうだ。『いつか大太鼓をやってみたい』と、キラキラした表情で練習に励んでいた。

鶴見に響けエイサー太鼓

コロナ禍前の道ジュネー
演舞する小野さん

「中野チャンプルーフェスタ 2023」など関東のイベントでエイサーを披露している「鶴見エイサー潮風」。なかでも特に思い入れが深いのが8月に鶴見で開催する「道ジュネー」だ。沖縄出身者の呼びかけでスタートし、いまや鶴見の夏を彩る恒例行事となっている。

鶴見エイサー潮風 代表 小野有貴さん(26)
「自身も「潮風」と同じ26歳。先輩がたの思いを受け継ぎながら、地元に愛される団体になりたい。精一杯演舞したい」

「鶴見エイサー潮風」による「道ジュネー」は2023年8月20日(日)の午後5時ごろ「横浜鶴見沖縄県人会館」前の通りで開催される予定だ。沖縄の歴史や受け継がれている思いも唄・三線に乗せ、鶴見にエイサー太鼓が響き渡る。

グテー(体格良く)仕上がりました。
メンバー憧れの大太鼓!
道ジュネーでは音響設備を軽トラックに搭載する
「道ジュネー」にむけて練習に励む

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