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OTV報道部

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観光消費拡大のカギを握る新たなインバウンドマーケティング

──今回はブルームーンパートナーズの今川雄太さんとお伝えします。

今川さん
今回のテーマは 『観光消費拡大のカギを握る新たなインバウンドマーケティング』です。

観光消費拡大のカギを握る新たなインバウンドマーケティング|アイランドスコープ2023年7月13日放送

今川さん
「2022年10月から水際対策が緩和されたことで、東アジアを中心とした航空路線の再開や2023年3月には国際クルーズ船の寄港が再開されるなど沖縄県内の事業者にとって、いかに外国人観光客を取り込むかが売り上げ回復の鍵を握ります」

外国人観光客に沖縄でのすごしかたを聞きました!

今川さん
「那覇空港国際線ターミナルに来ました。沖縄に来た外国人観光客の方に、沖縄の魅力を聞いてみましょう」

観光消費拡大のカギを握る新たなインバウンドマーケティング|アイランドスコープ2023年7月13日放送

台湾からの観光客
「(旅行の目的は)ポケモンセンター」
「美ら海水族館やスキューバダイビングもしました」

観光消費拡大のカギを握る新たなインバウンドマーケティング|アイランドスコープ2023年7月13日放送

香港からの観光客
「スキューバダイビングやシュノーケリング、それに買いものを楽しみました」

(Q.沖縄でいくら使いましたか?)
「(香港ドルで)5~6万ドルくらい」

今川さん
「だいたい日本円で120万円くらい使ったそうです」(※2023年7月5日時点)

観光消費拡大のカギを握る新たなインバウンドマーケティング|アイランドスコープ2023年7月13日放送

どの外国人観光客からも出てきたキーワードは沖縄が誇る「海」。
このほか、ショッピングや食事などを楽しみながら、リラックスした日々を過ごしたそうです。

気になる商品の情報を7つの言語に翻訳できるアプリ

そんな外国人観光客が利用しているのが、スマートフォンなどで商品についているバーコードを読み取ることで、商品の情報を7つの言語に翻訳することができるサービス「Payke(ペイク)」。

観光消費拡大のカギを握る新たなインバウンドマーケティング|アイランドスコープ2023年7月13日放送
観光消費拡大のカギを握る新たなインバウンドマーケティング|アイランドスコープ2023年7月13日放送

東アジアの旅行者を中心におよそ400万人が利用するアプリを開発したのは、沖縄県内の企業です。

Payke 営業部 翁長良樹 部長
「メーカー側からしたら、商品のパッケージには限られた情報しか載せることができないので、そこをアプリで表示することによって、商品テキストだけではなくて、画像や動画も載せることができ、購入率をアップさせることにも繋がるサービスです」

観光消費拡大のカギを握る新たなインバウンドマーケティング|アイランドスコープ2023年7月13日放送

外国の旅行者は質の高い医薬品や化粧品などを多くスキャンする傾向がある一方で、見慣れない県産品もチェックしているそうです。

Payke 営業部 翁長良樹 部長
「美ら海水族館がある本部や北谷、那覇という主要な場所はもちろんですが、糸満の道の駅など、沖縄の中でも地方の場所で物産がよく見られている傾向があります」
「沖縄=健康というイメージがあり、県産品は非常に人気のあるカテゴリーです」

観光消費拡大のカギを握る新たなインバウンドマーケティング|アイランドスコープ2023年7月13日放送

週に2,500人程の外国人観光客が訪れる糸満市の物産センターでは、ヘルシーなモズクとメカブのスープや伝統菓子のクンペンのほか、黒糖や塩などが人気だということです。

観光消費拡大のカギを握る新たなインバウンドマーケティング|アイランドスコープ2023年7月13日放送

日々蓄積されるユーザーの行動データをどう活かすか

Payke 営業部 翁長良樹 部長
「弊社はユーザーが使っているアプリの動向を逐一データベースで貯めていて、オフラインの(消費)動向データを集計・分析して追うことができます」

観光消費拡大のカギを握る新たなインバウンドマーケティング|アイランドスコープ2023年7月13日放送
観光消費拡大のカギを握る新たなインバウンドマーケティング|アイランドスコープ2023年7月13日放送

アプリの利用者にメリットがあるだけではなく、沖縄県内の土産品店などの観光事業者は、どこの国の人がどんな商品に興味があるのかというデータを集めることができ、商品開発や仕入れに活かすことができます。

観光消費拡大のカギを握る新たなインバウンドマーケティング|アイランドスコープ2023年7月13日放送

Payke 営業部 翁長良樹 部長
「一口にインバウンドと言っても繁体字圏(台湾・香港)のお客様や簡体字圏(中国)、ハングルもあるので、ここは繁体字(圏の旅行者)が多いから、繁体字をメインにチラシを作った方が良いなど、細かい施策を打つことが可能になります」

観光消費拡大のカギを握る新たなインバウンドマーケティング|アイランドスコープ2023年7月13日放送

翁長部長は行動データを活用し、接客を多言語化することで、観光に関わる事業者の稼ぐ力の向上にも繋がると強調しました。

Payke 営業部 翁長良樹 部長
「今後一緒になってプロモーションすることにより、狙って売り上げ(アップ)に繋がるような施策をメーカーと売り場と協力してやっていきたいと思います」

インバウンドを取り込むキーワードは「高付加価値化」

沖縄観光コンベンションビューローの新本課長は、インバウンド需要の回復へのキーワードはコンテンツの高付加価値化だと話します。

観光消費拡大のカギを握る新たなインバウンドマーケティング|アイランドスコープ2023年7月13日放送

沖縄観光コンベンションビューロー 海外・MICE事業部
海外プロモーション課 新本康二 課長
「これまではグルメという形で沖縄独自の料理の発信をしていましたけど、その背景の歴史文化まで知っていただくというストーリーをつけた形での付加価値化ですね」
「利便性の良い沖縄、学びの多い沖縄、魅力の深い沖縄、こういったものをちゃんと見せることで高付加価値化を目指していければと思っています」

観光消費拡大のカギを握る新たなインバウンドマーケティング|アイランドスコープ2023年7月13日放送

恩納村のハイアットリージェンシー瀬良垣アイランド沖縄では、琉球料理伝承人のシェフが作る「琉球懐石」や季節限定でサンゴを守るプロジェクトに参加するプログラムなど、質の高いメニューを提供しています。

観光消費拡大のカギを握る新たなインバウンドマーケティング|アイランドスコープ2023年7月13日放送

沖縄観光コンベンションビューロー 海外・MICE事業部
海外プロモーション課 新本康二 課長
「たくさん来ていただくという視点だけではなく、来られた方々が本当に満足されているのか、また沖縄に来ていきたいと思っていただけているのか、この辺りもデータを中心にしっかり確認をしていく必要があると感じます」

観光消費拡大のカギを握る新たなインバウンドマーケティング|アイランドスコープ2023年7月13日放送

沖縄県は、これまでの観光客の数を優先する政策から、1人あたりの滞在日数と消費額を増やす「量から質」への転換を推進しています。

今日の一言

──さて今川さん、今回のテーマから見えてきたことはなんでしょうか。

今川さん
『成長の鍵はインバウンド!withデータマーケティング』です。

観光消費拡大のカギを握る新たなインバウンドマーケティング|アイランドスコープ2023年7月13日放送

国内の観光市場は人口減少に伴い、大きな成長はあまり期待できませんが、インバウンドは今後も増え続けます。
外国人観光客として、ひとくくりにするのではなく、国籍別にデータで特徴をとらえることで、具体的な対策が見えてくると思います。

今年から対応することで、2~3年後の業績も大きく変わってくることが予想されますので、ぜひ沖縄企業の皆さんにも積極的に取り組んでいただきたいですね。

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