コラム
ミニチュアライフ展 2 開幕!田中達也さんが語った楽しみかた【小林美沙希のみさきいろ】

目次
『MINIATURE LIFE展 2』開幕
2023年7月12日に沖縄県立博物館・美術館で開幕した『MINIATURE LIFE展 2』。
ミニチュア写真家で見立て作家の田中達也さんが手がけた作品が並ぶ展示会で、なんとすべて写真を撮って楽しむことができるんです。
小さなお子さんから大人まで、誰でも楽しめる展示会の魅力や楽しみかたを紹介します!

見立ての世界とは?
田中達也さんが生み出す『見立ての世界』とは…
身近にある文房具や食べものをミニチュア人形と組み合わせることで、まったく別のものに“見立て”て楽しむ世界です。
例えば私が撮影したこちらの作品。

タイトルは『女の武器』。
口紅がなんと武器に…!
作品自体もおもしろいのですが、タイトルを見るとさらに楽しめます。
作品を見てからどんなタイトルなのか考えるのも楽しいですよ~!

そしてこちらが会場に展示されている写真です。
私の写真とは反対側からの撮影で、見比べてみると、影の見えかたが違いますね。
さらに、写真を見返して気が付いたのですが、口紅の色も展示されている作品と写真でちょっと違いました!
写真ではシルバーの部分が、展示されている作品を見ると黒になっています。
こんな違いを見つけられるのも、自分で写真を撮れる展示会ならではの楽しみかたではないでしょうか?
田中達也さんも沖縄に駆けつける
小さなミニチュアの世界を創り上げているのは、ミニチュア写真家で見立て作家の田中達也さん。
初日には講演会が開かれ、制作の裏側や展示会の楽しみかたを語ってくださいました。

この写真は特別に設けられた写真撮影タイムのようすです!
沖縄県内だけでなく、県外からもファンが駆けつけて田中さんの話に聞き入っていました。
1時間の講演があっという間に感じるほどおもしろいお話ばかりで、展示会がより楽しめるポイントが盛りだくさんだったのでその一部をご紹介します。
細部にまでこだわりが

こちらの作品、よーく見ると、あるものが隠されています。
近づいてみると…。

額縁の端にミニチュア人形と小さなポスターが!!
私はいくつかの額縁の中に隠れたミニチュア人形を発見できました。
こんな風に、楽しめる仕掛けがたくさん隠されているので、ぜひ隅々までじっくり見ることをオススメします。
田中さんが隠れている!?
動く作品も見ごたえがあります。
こちらはお寿司で作られた町…タイトルは『おスシティー』!!

この大きな作品の中には、いくつか沖縄ならではのアイテムが隠されています。
何が隠されているかは…ぜひご自身の目で確かめてみてください。

ひとつだけご紹介すると…
人混みのなかに、田中達也さんのミニチュア人形が隠れています!

私は教えてもらうまで、まったく気が付きませんでした。
ほかにも沖縄にまつわるアイテムが隠れているので、探してみてくださいね~!
(沖縄テレビに関するキャラクターも、隠れているとか…。)
アイデアが生まれるアトリエを再現
会場には、作品だけでなく田中さんのアトリエを再現したブースがあるんです。
小さな世界は、ここから生み出されているんですね。

よく見ると、壁にいろいろな人形が飾られているのが分かるでしょうか?
これには理由があるそうで…
田中さんがよくアイデアを思いつくのは「買いもの中」で、陳列されている商品を見ることでインスピレーションが浮かんでくるんだとか。だからこそ、アトリエでも見たいものや考えたいアイデアに関するものを並べておけばアイデアに繋がるのではないか?ということで、いろいろなものを飾っているんだそうです。
実は私、4年前に沖縄でミニチュアライフ展が開催されたとき、そのおもしろさを伝えるために田中さんの鹿児島のアトリエにお邪魔したことがありまして、まさにあの部屋だ!とこのブースを見て感激したのでした。

4年前も沖縄にちなんだ作品を展示していて、その時はゴーヤーを使った『ゴーヤジャングルー』という作品を作ってくださいました。
そして今回も、新たに沖縄にちなんだ作品が展示されています!
沖縄限定 サーターアンダギーが…
今回、沖縄会場限定の作品はこちら。
タイトルは『お菓子が揚がって気分もあがる』!

アツアツの油の海に浮かぶのはサーターアンダギーの島!
田中さんいわく、油の表現がなかなか納得いかずに何度も作り直したんだそうです…!
煮えたぎった油が、沖縄のうだるような暑さを表しているような気がします。
ここにも、沖縄らしくキュートなシーサーが隠れています。
シーサーは、狛犬のミニチュア人形に手を加えて作ったんだそうです!
かわいいですね~!!

金城アナとはしゃぐ小林
私が会場を取材しているとき、田中さんの講演会で進行を務めた金城アナもいたので2人で写真を撮って楽しみました!

自撮りをすると、こんな雰囲気に!

私たちも展示ブースの中にいるみたいな、不思議な写真が撮れました!
さらに、フォトブースでも…

こちらは『永遠に溶けない雪だるま』という作品のオブジェです。
夫婦の指輪が2つ揃わないと完成しない雪だるま、素敵ですね…。
近くに作品も飾られているのですが、ここにも見て欲しいポイントが!

展示されている作品のお二人は髪が白く、長らく連れ添ったご夫婦なのだろうな、と分かります。

ところが、写真を見ると、髪色が違うんです!
(写真の方を撮り忘れてしまいました…ごめんなさい…)
これは、最初に作品を作って写真を撮影した時には2人を茶色っぽい髪色にしていたそうなのですが、『永遠に溶けない』とタイトルを付けているぐらいだから長い時間経っていた方が良いな…と考え直して、展示する作品は白髪の人形に変更したんだそうです。
ぜひ、細かなこだわりにも注目してみてください!
見れば見るほど楽しい“見立ての世界”
細部にまで田中さんのこだわりが詰まったミニチュアライフ展。
誰でも楽しめるようにと、“みんなが知っているものを見立てに使う”という普遍性を大切にしているそうです。
四季だったり、家族だったり、はたまたトイレだったり!
さまざまなテーマの見立ての世界が楽しめます。

身近なものも、見方を変えると別のものに見えてくる…
ユニークな発想が楽しめるミニチュアライフ展、ぜひみなさんも足を運んでみてください。
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