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金城 晋也(リップサービス)

金城 晋也(リップサービス)

メタバースを抜けると、そこは父の日であった【リップサービス金城晋也の「こちら舞台袖」】

リップサービス金城晋也の「こちら舞台袖」

目次

六月の一大イベントといえば

梅雨が明け、本格的な夏到来!
さて、偶然生まれた五・七・五のリズムで風流にスタートしたわけですが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
毎日毎日うだるような暑さで参りますね。ちなみにこの「うだる」は漢字だと「茹だる」と書きます。「ゆだる」の音が変化し「うだる」となったそうです。「茹で上がるような暑さ」なんて恐ろしい表現なんでしょう。小まめな水分補給をどうぞお忘れなく!
リップサービス金城晋也の「こちら舞台袖」はじまりはじまり。

暑さを凌ぐため、子どもたちと川遊び。親はもって30分です。

まずは先月のお話から。六月の一大イベントといえばなんですか?せーの!「父の日!」

「父の日」が真っ先に思い浮かんだ方はいらっしゃいますか?いてもきっと少数でしょう。母の日に比べるとどうしても影が薄い感が否めないのが、この父の日です。
ショッピングモールの広告なんかをみても、母の日は「ありがとうを贈ろう、母の日」とか「大好きを伝えよう、母の日」的な華やかなキャッチフレーズですが、これが父の日になると「負けないで、父の日」とか「忘れないで、父の日」という具合。「負けないで」は最終回に5点差で負けている贔屓チームに使う言葉で、「忘れないで」は自動車税の納付や保険証の切り替えを呼びかけるときに使うイメージです。ただ、この「負けそうで」「忘れられそうな」父の日の哀愁には毎年グッと来るものがあります。みんなでもっと応援しましょう。

メタバース空間で漫才しませんか?

そんな僕も、頑張るお父さんの一人。父になる前に9年、父になってから7年、芸歴は合わせて16年を数えます。これまでにライブやお祭り、披露宴会場、敬老会や学校など様々な場所で漫才をさせて頂きましたが、先日初めての場所で漫才をしました。前回のコラムでもちらっと書きましたが、その場所というのが、なんとなんと「メタバース空間」でした。

ちなみにメタバースとは「デジタル技術を活用してインターネット上に構築された3Dの仮想空間」のことで(←偉そうに説明してますが、すべてネットからの引用です)そのメタバース空間で行われる企業の展示会の一角で漫才をしてみませんか?というもの。漫才の他にも歌い手さんのライブがあったり、アスリートさんの講演会があったり。もちろん仮想空間ですから、参加するお客様はアバター(分身)です。実に令和ですね。

段取りはこう。まず、事前にグリーンバックの前で漫才を収録します。

メタバース漫才収録

撮影した映像を、令和の技術力でどうにかこうにかメタバース空間にあてはめて、こうなります。

メタバース漫才画面

デデン!これがメタバースですよ皆さん!(技術的な話はてんで分かりません)

気がつきましたか?相方を差し置いて僕だけアバターになっています。しかもなかなかのイケメン。
台本制作段階から(僕だけ)携わらせてもらったので、「せっかくだから(僕だけ)アバターになりたい!」とお願いして(僕だけ)アバターに変身しました。ちなみにアバターの名前は水瀬(みなせ)といいます。水瀬になるのに追加で6千円の経費がかかりました。

僕が選んだアバター。台本を書くのと同じくらい選ぶのに時間をかけました。

いざアバターになってしまえばこっちのもの。
「漫才中に少しずつ大きくなる」「目を離すといつの間にか刀を持っている」など、これまでの漫才では見たことないボケがどんどん使えます。
それに伴い、相方の「いやお前ちょっとずつでかなってるな!」「いつの間に刀持ってんねん!」という恐らく世界初のツッコミも誕生しました。
しかし、見た目はイケメン水瀬な一方で頭脳はおじさん金城のまま。「アバターって元中日の二遊間の?」「メタバースって阪神の助っ人ですよね?」というイケメン水瀬に似つかわしくないボケをかましてしまう場面もあり、それはしっかり空振りに終わりました。「それはアバターやなくてイバタや!」「それはランディ・バースや!」というツッコミがメタバース空間に虚しく響くだけでした。

僕、こんなに大きくなりました。

ただいま!現実世界

さてさて、メタバース漫才の収録を終えた僕は、名残惜しくもおじさん金城に戻り現実世界に帰って参りました。家に帰ると、四歳の娘からかわいいプレゼント。そう、この日はもうすぐ父の日でした。プレゼントは手作りのお守りで、僕の似顔絵入りです。この現実世界はメタバース空間のように徐々に大きくもなれないし、急に刀も持てないけれど、僕の顔は水瀬よりもうんとイケメンになりました。ありがとう、娘!負けてないぞ、父の日!

何度も言うぞ、ありがとう!

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