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真栄城 潤一

真栄城 潤一

今あらためて「沖縄アクターズスクール」について語ろう【アクターズ Log.】

沖縄アクターズスクール
初めてのステージでパフォーマンスした「B.B.WAVES jr.」メンバー

DA PUMPやMAX、SPEED、三浦大知などの実力派アーティストを輩出し、日本の音楽史にスキルフルな歌とダンスの楔を打ち込んだ「沖縄アクターズスクール」が2023年に本格的に再始動した。そんなアクターズの第二幕を彩る、新たな沖縄の才能「新生B.B.WAVES」メンバーを追う青春密着応援番組『アクターズTune!』の放送が7月から開始されている。
本記事は番組と並走しながら、時には番組内容を深掘りし、時には違った視点からのアプローチで、世界を目指すフレッシュな才能とそのメンターたちを立体的に記録する試みである――。

沖縄県内で放送中(OTV)『アクターズTune!』連動企画

沖縄アクターズスクール

ということで、毎週土曜あさ10:55〜放送中の『アクターズTune!』に連動した記事の第1回目。今回は最初の最初ということもあって、先ずは「沖縄アクターズスクール」についての基本的な情報についておさらいする回としたい。
現在30代後半の筆者世代だと、アクターズの基本的な情報はともすれば青春時代の甘酸っぱい思い出とともに脳内に浮かぶ人が大半だと思うけれど、20代以下になると直接触れたことのない人たちも多く、ただでさえ情報が溢れている中では知らないのも無理はないので、そんな層も踏まえつつ、概略を述べていこう。
(※なお、記述には筆者の主観と思い出が多分に混入してしまっていることを先に断っておく。それも加味して楽しんでいただければ、ということでご容赦願いたい)

ダンススクールのパイオニア

沖縄アクターズスクールは1983年に開校した。当時の沖縄には現在のように多種多様なダンススクールはなく、特にバレエや舞踊以外のダンスを本格的にできる場所はほぼ皆無だった。そこに、「歌いながら踊ること」に特化した独特な教育スタイルを確立し、さらに言えばそれをもってJ-POP史に歌とダンスを圧倒的な完成度でパフォーマンスするアーティスト・グループを燦然と登場させたのがアクターズスクールだった。

牧野アンナさんやB.B.WAVESのOBが口を揃えて言うのは、アクターズには「レッスンのマニュアルが一切無い」ということ。この点で開校して既にもう他の養成所やスクールとは一線を画しており、その独自のメソッドで歌とダンスを圧倒的な完成度で両立させるアーティストたちを輩出した(この“独自メソッド”の真髄については、今後の記事で深掘りしていく…かもしれない)。
冒頭と重なってしまうが、DA PUMP、MAX、SPEED、三浦大知さん、そして安室奈美恵さんといった名前を挙げれば、歌とダンスのパフォーマンスのクオリティについての説明としてはもう十分だろう。

1995年に安室奈美恵さんが大ブレイクすると、それに続いてアクターズ出身アーティストたちが次々とヒットを飛ばして大躍進し、オリコンチャートを席巻、文字通り日本の音楽業界に旋風を巻き起こした。
この当時小学生だった筆者は、特に熱心に追っかけて聴いていたわけではなかった。が、肌感覚として覚えているのは、テレビではほとんど全ての局で歌番組がやっていて、そこで四六時中アクターズアーティストの楽曲が流れていたこと、そして街中の何処に行っても聞こえてきていたこと。そんな状況だったので、ほとんどの曲が〝身体に染み込んでいる〟と言っても過言ではなく、カラオケに行ってイントロが流れ出せば身体がひとりでに反応して歌える曲がきっと何曲もあるだろう、と言わざるを得ないのが現状だ。

現在も大活躍している数々のアーティストたちを育て上げつつ、アクターズの名前が全国に知れ渡ると、大規模なオーディションを開催して才能を発掘したり、大ブレイクした後も沖縄を拠点にして人材育成などに取り組んでいたが、少々落ち着いた期間を暫し経て昨年の一大イベントに至る。

熱狂の「大復活祭」

アクターズスクール大復活祭のグランドフィナーレ(沖縄アクターズスクール大復活祭実行委員会)

2022年10月。アクターズが再始動する直接的なきっかけとなったイベント「沖縄アクターズスクール大復活祭〜本土復帰50周年記念〜」が沖縄コンベンションセンターで開催された。
(※その様子、開催の経緯、そしてアクターズ復活についてのアンナさんの決意については、『アクターズTune!』#1と、アクターズ公式YouTubeチャンネルでのアンナさんロングインタビューに詳しいので、そちらを参照されたし)

大復活祭の熱狂は凄まじかった。序盤では50人以上のB.B.WAVESがエネルギッシュなパフォーマンスで一気に会場をヒートアップ、圧倒的な表現力を見せつけた三浦大知さんは客席を絶句させ、穏やかで優しくマイペースな歌声を披露した玉城千春さん、透明感のある声で歌い上げた知念里奈さん、そして島袋寛子さんのステージでは元SPEEDメンバーを呼び込んで歌った「Body & Soul」では、会場となった建物が文字通り割れんばかりの盛り上がりをみせた。

沖縄アクターズスクール
まさに「アクターズ・オールスター」と言っても過言ではない出演メンバー(沖縄アクターズスクール大復活祭実行委員会)

次いでDA PUMPがその狂騒にさらに情熱を注ぎ込むと、大トリを担ったMAXはダンサブルな楽曲を連発して会場全体をダンスフロアへと変貌させた。
小中高の青春時代を彩ったアクターズ楽曲を堪能している人たちの多くはいわゆる子育て世代で、子どもも一緒に連れてきている人たちも見かけた。MAXのステージの際、その子どもたちも両親とともに楽しそうに踊っている姿がとても印象的な光景として脳裏に焼き付いている。

客席に集まった多くの人たちが心揺さぶられたのは、決して懐かしさだけではなく、現役で活躍するアーティストたちの表現がステージ上からとてつもないエネルギーを放っていたからだと、会場で身を持って感じた。そしてそれが、出演者たちが口にしていた「アクターズ・スピリット」の体現なのだと。

「アクターズ・スピリット」で世界へ

沖縄アクターズスクール
開校記者会見…CP→開校会見で「世界進出宣言」する牧野アンナさん

そのアクターズ・スピリットを継承し、新たな才能で世界に飛び出すためのアクターズスクール“第二章”が開幕した。6月に行われた開校記者会見で、アンナさんは「狙うはグラミー。とにかくチャレンジします!」と豪語し、大きな目標をブチ上げた。

『アクターズTune!』では、その渦中で新たな才能たちが奮闘する姿に密着する。オーディションや、新生スクールの1期生たち49人の「B.B.WAVES jr.」の初ステージの様子は既に放送されており、OTVのYouTubeで見逃し配信中。また、沖縄アクターズスクールの公式YouTubeチャンネルでは、B.B.WAVES jr.メンバーたちが自身で番組を作り上げていく過程に迫ったドキュメンタリー動画もアップされている。

アクターズスクール

関連リンク

新番組「アクターズTune!」では、沖縄アクターズスクールの新生B.B.WAVESメンバーとしてエンターテインメントの世界のスタートラインに立った沖縄出身の子どもたちが、歌や踊りなどパフォーマンスに汗を流し、ひたむきに情熱を注ぎながら、成長を遂げていく過程を追っていく青春密着応援番組。

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