沖縄経済
コロナ禍を経てゴルフに若年層ファン急増中
後間
こんにちは。後間秋穂です。
コロナ禍を経てゴルフの若年層ファンが急増しているそうです。
その最新事情を野村證券那覇支店支店長の宮里洋介さんに伺います。
よろしくお願いします。
宮里
よろしくお願いします。
後間
コロナ禍では様々なレジャー産業が大きな打撃を受けましたが、ゴルフ業界にはどのような変化があったのでしょうか?
宮里
はい。ゴルフ業界にとってコロナ禍はむしろ追い風になったと言えるようです。
こちらは経済産業省の調査結果ですが、ゴルフ場の利用者数や売上高は
長期的にみると減少傾向が続いていました。
2002年に1230億円ほどあったゴルフ場の売上高は、コロナ禍前の2019年にはおよそ918億円、利用者数もおよそ997万人から930万人まで縮小し、2020年には外出自粛などでさらに縮小しました。
ところが、2021年には売上高がおよそ944億円、2022年にはおよそ1020億円とコロナ禍直前の数字を超え、利用者数もこの20年ほどで最多となる1053万人になりました。
また、民間の調査会社によると、2021年の国内ゴルフ用品の市場規模は、前の年と比べ19.4%増えた、およそ2763億円で、2019年に比べておよそ4%、110億円の増加となりました。
2022年についても、引き続き拡大傾向が続いていて、3092億円になっています。
ゴルフ用品の中でも、初心者向けのゴルフクラブセットの売上が好調で、前の年に比べ48.3%増え、コロナ禍前の2019年と比べると、64.6%と大幅に増えており、中でも女性用ゴルフクラブセットが大きく伸びているということです。
後間
実は私も屋外で3密を避けられる、という事もあってコロナ禍でゴルフを始めました!
宮里
そうなんですね。
後間さんがおっしゃる様にゴルフ用品の市場規模が拡大した背景には屋外型アクティビティーとして注目されたことや、既存ゴルファーの活動率の高まり、若年層を中心とする新規ゴルファーの増加などがあるのではないか、と分析されています。
後間
なるほど。
新規ゴルファーが増えたのはコロナ禍以外にも何か理由はあるのでしょうか。
宮里
はい。ゴルフ場やゴルフ練習場にもその要因があります。
栃木県鹿沼市(かぬまし)にあるゴルフ場では、2017年に、若い世代を取り込もうと、35歳以下を対象に、入会金、年会費、プレー料金を通常よりも安く設定した新しい会員制度を作りました。
入会金を最大4人で割れる「グループ割」も取り入れ、SNSで拡散したところ好評で、会員数は2021年に1000名、現在は1300名に達しています。
続いては、170以上のゴルフ場を運営する会社の取り組みです。
こちらのゴルフ場では、女性ゴルファーへの配慮を徹底し、コースの端にあった女性用の打席を中央に移動したり、クラブハウスを女性目線で改装したりするなどの改革を行いました。
その結果、2019年におよそ12%だった39歳以下の利用割合が2022年には16%弱まで増えました。
後間
女性や若い世代へのアプローチに成功したゴルフ産業では、今後もファン層が伸びて行きそうですね。
今回は「コロナ禍を経て若年層ファンが急増するゴルフ」について宮里さんに伺いました。
ありがとうございました。
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