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普久原 朝弥

普久原 朝弥

知花慎之助 世界の舞台で攻守で躍動 沖縄が誇る好球必打のバットマン【羽ばたけ!琉☆球児】(沖縄発 野球応援企画)

沖縄尚学高校の不動のリードオフマン・知花慎之助(ちばな・しんのすけ)

野球王国沖縄の新たなスターの原石に迫る!シリーズ企画!【羽ばたけ!琉☆球児】

甲子園に出場する学校は母校でなくてもテレビを囲んで応援。
球春到来を告げるプロ野球春季キャンプも毎年県内各地で大盛況。
そんな野球愛溢れるウチナーンチュのみなさん必見!
OKITIVEでは、沖縄県出身のアマチュア野球界の有望選手を紹介する【羽ばたけ!琉☆球児】をシリーズでお届けします。

知花慎之助(沖縄尚学高校)
2005年10月17日生/沖縄県宜野湾市出身
宜野湾ベースボールキッズ-宜野湾中学校-沖縄尚学高校
外野手・捕手/172㎝・70㎏/右投右打

打ち出すと止まらない俊足巧打のリードオフマン。広角へ打ち分ける高いミート力と小柄ながら一発のあるパンチ力を兼ね揃えた打撃が魅力。

打線の“切り込み隊長”という表現が彼には相応しい。
沖尚打線不動のリードオフマン知花慎之助。彼が脚光を浴びたのは、高校2年の秋。
沖縄県大会を順当に勝ち進み、臨んだ九州大会では初戦の鳥栖(佐賀)戦で2打席連続ホームランを放つなど大会通算14打数10安打で打率.714をマーク。打ち出すと止まらない知花の活躍で沖縄尚学は九州大会も制覇。春のセンバツ大会の切符も掴んだ。終わってみれば知花は秋の公式戦で34打数23安打(打率.676)という驚異的な成績を残したのだ。

夏の沖縄予選では多少不調に陥ったものの、(17打数3安打 打率.176)今夏の甲子園で本来の輝きを取り戻す打撃を見せつけた。3回戦の創成館戦では0-0の息詰まる投手戦の中、7回2死1塁の場面で均衡を破る貴重なタイムリーツーベースを記録。チームのベスト8進出に大きく貢献した。
準々決勝でのちに優勝した慶應に敗れたものの、高校野球3年間での実績が評価され、U-18侍JAPANメンバーにも抜擢。『U-18ベースボールワールドカップ2023』スーパーラウンド第一戦の韓国戦では、先制となるタイムリースリーベースを含む2安打4打点を記録するなどバットで魅せた。さらに決勝台湾戦では1点リードの5回の守り、ランナーが一人出るだけで球場の雰囲気が一変し相手に流れが傾きそうな完全アウェーの緊迫した場面で、知花の守るライト方向に浅いフライが飛んだ。これに上手く反応し、見事なダイビングキャッチで相手に流れを渡さない貴重なファインプレーを魅せた知花。攻守において存在感を発揮し、チームに勢いをもたらす知花の働きがあったからこそ悲願の世界一を成し遂げることができたのは間違いない。 

話は戻り、高校3年春のセンバツ大会ではチーム事情で捕手にも挑戦し3試合でフル出場。エース東恩納を堂々とリードするなどフォアザチームを体現できるまさに縁の下の力持ち。だからこそ知花はチームメイトからの信頼も厚い。

目まぐるしく自身を取り巻く環境が変化し、高いレベルに身を置きながら大好きな野球に打ち込むことが出来たこの夏の経験は、知花の今後の成長につながる糧となった事だろう。魅力満点の力強いスイングと巧みな打撃技術を兼ね揃えた注目のバットマン、今後の野球人生はどのようなビジョンを描いているのだろうか。世界一を成し遂げ帰国したわずか数日後に凱旋インタビューの機会をいただき、知花の素顔に迫った―――。

知花慎之助選手 取材時の様子

――今日は宜しくお願いします。高校3年間の野球生活を振り返っていかがですか?

知花
「苦しいこともあったんですけど、最終的に春夏甲子園もいけて代表にも選んでいただけて世界一も取れて良い高校生活だったのかなと思います。チームの同学年も明るくて個性豊かなメンバーが沢山いて野球に打ち込んでいる時期は長く感じたんですけど、終わってみれば短くて最高な仲間と野球が出来て良かったなと思います。」

――聖地甲子園でプレーした経験を振り返っていかがでしょうか?

知花
「高いレベルで大勢の観客の前で最高の舞台でプレー出来てこれからの野球人生に活きてくるのかなと思います。」

センターの守備につく知花慎之助選手

――U-18侍JAPANに選出されたときのお気持ちは?

知花
「自分は夏も満足できるような結果を出せていない状態だったので、自分が選ばれているのかっていう不安はありました。長打を打てるバッターではないので常に『後ろのバッターに繋ぐ』という意識で自分の役割を全うできればいいなと思ってプレーする事にしました。」

――U-18侍JAPANを振り返ってみて受けた刺激や感じたことは?

知花
「選ばれている選手はみんな堂々としていて上手い人が集まっているので自分に自信をもってプレーしているという印象が強かったです。恐れずに立ち向かうプレーへの姿勢などが刺激を受けました。宿舎では緒方漣(横浜高)とよく一緒にいてプレー面でもヒット打ったり結果的に大会を通して4冠をとったり尊敬できる選手でした。バッティングの面でミートする力など技術の高さを体感しました。決勝で対戦した台湾チームの選手たちは体が大きくて凄いパワーをしていて足も速くて凄いなと感じました。」

――悲願の世界一・大会初優勝を果たした今のお気持ちは?

知花
「代表20名集まって馬淵さん(代表監督)から『初めての優勝を目指すぞ』と言われて臨んで、最終的に最高の結果で飾れてよかったです。代表チームに投手コーチとして帯同していた比嘉先生(沖尚監督)に打席入る前に声をかけてもらい、いつも通りに安心してプレーできたのでいてくれてよかったです。大会全体を通して緊張は特になかったです。」

沖縄尚学では上位、日本代表では下位打線を担う、意識の部分で変化はあった?

知花
「特に役割や意識の部分で変えたところはなく、下位だったので上位に良い形で繋ぐことを意識していたくらいです。

この経験を今後どう生かしたい?

知花
「なかなか味わえない特別な経験が出来たと思うので、次のステージでもまた代表に選んでいただけるように頑張っていきたいです。」

――憧れにしてる選手や目標としている選手はいますか?

知花
「東北楽天の浅村栄斗選手は、憧れというかプレーの面で理想にしたいなと思っています。逆方向にでも強い当たりが打ててその辺りは自分も真似したいなと思っています。YouTubeとかで動画を見たりして参考にしています。」

⚾知花慎之助の俺を育てた “地元メシ”

知花
「自分はお母さんが作ったご飯が一番かなと思います。照り焼きチキンが一番好きです(笑)お店で食べる照り焼きチキンよりお母さんが作ってくれたほうが美味しいです。」

⚾野球で夢を叶えて“恩返し”

知花
「ここまで良い経験をさせてもらって、なかなか出来ない経験だったので比嘉先生、大悟先生もですし、小中学校でお世話になった先生、色んな方が関わってここまで来れたので、ありがとうという気持ちで感謝しています。」

――最後に今後の意気込みを聞かせて下さい!

知花
「上のレベルでも通用するくらいの能力をつけて高校野球生活での貴重な経験を生かしてまた代表に選ばれるような、そして世界一を獲れるような選手になりたいと思います!」

*取材後記*
打席から相手投手を見つめる鋭い眼差しが印象的な知花選手。しかし取材時に時折みせるはにかんだ笑顔は野球をやっている瞬間とは打って変わって高校生らしい表情が印象的でした。次のステージでどんな活躍を見せてくれるのか!期待して応援したいと思います!

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