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くらしと経済編集部

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電気自動車電池の再利用とリサイクル

小林
こんにちは。小林美沙希です。
環境への負荷が少ない車として注目されている「電気自動車」世界中で導入の動きが進んでいるようです。
今日は電気自動車の電池に関する話題を野村証券那覇支店支店長の宮里洋介さんに詳しく伺います。宜しくお願いします。

宮里
よろしくおねがいします。

小林
この番組でも何度か紹介していますが、改めて電気自動車について教えて下さい。

宮里
はい。現在多く走行しているガソリン車やディーゼル車はエンジンを動かすためにガソリンなどの化石燃料を燃焼させる必要がありますので、大気汚染物質を含んだ排気ガスが排出されます。
これに対し電気自動車は車に搭載した電池に電気を貯めて、その電気の力で走行する仕組みで、有害物質を排出しない事から環境への対策に取り組む世界の国々が積極的に導入する方向に動いています。

小林
ガソリン車などは今後減っていく傾向にあるのでしょうか?

宮里
はい、そう考えられます。
多くの国が温室効果ガスの排出量を2050年までに実質ゼロとする目標を打ち出していて、いずれはガソリン車の販売を禁止すると表明する国もでてきました。
こちらは新車の販売台数に占めるガソリン車と電気自動車の割合を見たグラフで、昨年時点では、世界、日本とともにガソリン車が圧倒的多数を占めています。
しかし、2030年にはガソリン車の割合が減少し、電気自動車の割合が上昇すると予測され、これに伴って、電池の需要の高まりも予想されています。

小林
携帯電話やスマートフォンの充電型電池は年数が経つにつれ性能が悪くなる傾向ですが、車ではどうなんでしょうか?

宮里
はい。電気自動車の電池は10年で電気を貯める蓄電性能が7割ほどに下がるとされているのですが、現在はこの電池を廃棄するのではなく、再利用する取り組みが進んでいます。
こちらは使用済み電池の再利用についてAからCの劣化度ごとに分類したもので、ランクに応じて、小型の電気自動車を製造するメーカーに供給したり、ゴルフ場のカートや停電時のバックアップ電源として活用しています。
電気自動車の電池の寿命は、耐用年数を迎え回収された時点から、さらに10年から15年程度の寿命があるとされています。

小林
ちなみに、再利用できるレベル以下の電池はどうなっているのでしょうか?

宮里
はい。蓄電池の材料には「ニッケル」や「コバルト」、「銅」など様々な金属資源が使われているので、再利用が難しい電池はリサイクルにまわします。
様々な活用が模索されていて、例えばある企業では使用済み電池から回収した「ニッケル」を電池材料に加工してメーカーに供給するという「電池から電池へ」の資源循環を日本で初めて実用化していますし、電気自動車用の電池を製造するメーカーでも、2021年以降、リサイクル会社と連携した実証実験を始める計画です。
資源の乏しい日本としては今後も貴重な電池の材料を可能な限りリサイクルしていく必要があります。

小林
使用済みの電気自動車電池の活用の広がりに今後も注目したいと思います。
宮里さん、ありがとうございました。

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