暮らし,沖縄経済
いま注目される「朝ごはん」ビジネス
目次
今回は新たなメンバー、ブルームーンパートナーズの織原由和さんとお伝えします。
ブルームーンパートナーズの織原由和さん。
大学卒業後、ウェディング事業を手掛けるベンチャー企業に就職し、現場で支配人や新規店舗の立ち上げに携わったのち、社員の採用やキャリア教育などに従事。
現在は3つの会社を掛け持ちするパラレルワーカーとして、幅広い視点で経済トピックスを分析します。
織原さん
「沖縄経済を深堀りします!」
織原さん
「今回のテーマは『いま注目される「朝ごはん」ビジネス』です。」
2023年4月以降、国内からの観光客はコロナ禍前の水準にまで回復しています。
また、県などの調べによりますと、食事を提供しない宿泊特化型ホテルの軒数や客室数が増加傾向にあることがわかっています。
そんな中、観光客に注目されているのが、沖縄らしい「朝ごはん」です。
観光客の需要に応えようとする県内企業を取材しました。
いつでも沖縄らしいメニューが食べられる「朝ごはん専門店」
織原さん
「現在、朝の7時です。こちらのお店では、この時間帯から沖縄ならではの朝食がいただけるそうです。それでは行ってみましょう!」
やってきたのは、那覇市の国際通りにある「いつでも朝ごはん」。
その名の通り、朝7時から夜の7時まで、いつでも朝ごはんメニューが楽しめるお店で、沖縄そばやゆし豆腐、みそ汁など、沖縄の定番メニューがそろっています。
オープンすると、続々と観光客が訪れ、あっという間に席が埋っていきました。
人気のぼろぼろジューシーをいただきました!
織原さん
「これは朝ごはんにピッタリですね。朝から体の芯から温まる感じがします」
兵庫県から来た観光客
「今回のホテルは朝ごはん無しにしていたため、外で食べられる場所を探していたので、ここおいしそうだなと思って」
三重県から来た観光客
「朝7時からやっているので、朝から空港に行かないといけないため、早くに食べられるところないかなと思ったら、ここがあったので助かりました」
仕掛けていたのは、あの〆ステーキの覇者だった!
朝からにぎわいを見せるこのお店を手掛けているのは、沖縄発で全国、さらには海外にも店舗網を広げる「やっぱりステーキ」の義元大蔵社長です。
〆のステーキをウリにしている店が、なぜ朝ごはんに注目したのでしょうか。
ディーズプランニング 義元大蔵 社長
「国際通りを歩いてみると、朝7時頃だと開いているお店ってすごく少ないんですよ。でも、観光の方とかお客さんが散歩をしているんですよね。締めのステーキよりも、朝ごはんの市場があるんじゃないかと」
名古屋エリアのモーニング文化も参考に、朝から沖縄らしいメニューが楽しめる朝ごはんの専門店を2022年11月にオープンさせ、現在は那覇市内に3店舗を構えています。
ディーズプランニング 義元大蔵 社長
「(午前の便で帰る観光客にも)最後まで沖縄を感じて帰ってもらいたい。朝から沖縄料理が食べられる店、それが『いつでも朝ごはん』」
義元社長は、朝ごはんを通して地域への貢献や観光客の満足度の向上を目指します。
ディーズプランニング 義元大蔵 社長
「沖縄は観光立県だが、コロナのときにすごく下がった国際通りを見てきた。最後まで沖縄を感じて帰ってほしいという意味で朝ごはんをやっているので、最後の締めは沖縄料理で締める。これがまた次回、来沖してもらうきっかけになればいいなと思ってやっています」
こだわりのだし、利用客の約6割はウチナーンチュ
こちらは、那覇市久米にある「風林火山」。
利用客のおよそ6割が沖縄県民という地域に愛される店です。
店主こだわりのだし茶漬けは400円とリーズナブルで、トロロ昆布や高菜など、好きな具材を足すことができます。
南風原町から訪れた夫婦
「結構来ています。仕事前においしい朝ごはんをということで。力が出るというか、仕事にも精が出ますね」
元々は夜の居酒屋をメインにしていましたが、朝から栄養のあるものを食べて、1日を元気に過ごしてもらおうと、2023年5月にリニューアルし、朝ごはんとランチの営業にシフトしました。
風林火山 佐藤昭一郎さん
「朝の30分と夕方の30分って全然違うなってな感じていて、朝の30分に自分の時間を持てることが、すごいよい1日に繋がるんじゃないのかなと思います」
注目の「朝ごはん」ビジネス ちゅらグルメ編集長に聞いた!
注目される県内の朝ごはん市場について、飲食店情報などを配信するちゅらグルメの下地友香編集長に伺いました。
ちゅらグルメ 下地友香 編集長
「確かに沖縄県内に朝食を提供する店舗が増えてきているんですけども、実はまだまだ足りていなくて、(観光客は)地場のおいしい朝ごはんを食べようと探しているんですが、なかなか見つからないという声を多くの方から聞いています」
背景には、最近の観光客の傾向として、食事のつかない“素泊まり”を選択する人が増えているためだと下地編集長は分析しています。
また、県民向けにも潜在的な需要があるとみていて、今後も朝ごはんビジネスは盛り上がりを見せるだろうと予測しています。
ちゅらグルメ 下地友香 編集長
「オフィス街、那覇を中心とするところにはまだ少ないですが、離島や北部のリゾートホテルが多いところには、増えてきているっていう声も聞いています。きっとこの需要はもっと広がり、沖縄にも健康的な朝活ができるステージができるんじゃないかなと思っています」
今日の一言
──さて織原さん、今回のテーマから見えてきたことはなんでしょうか。
織原さん
『沖縄を盛り上げるゴールデンタイム』です。
朝ごはんを提供するお店がますます増えれば、観光客がさらに沖縄を満喫でき、満足度が上がることでリピーターになってくれる可能性もあります。
さらに、沖縄観光の課題とされる観光消費額の向上にも繋がることが期待されるビジネスだと思います。
あわせて読みたい記事