SDGs,暮らし,沖縄経済
廃棄されていたものに新しい価値を!
目次
──今回はブルームーンパートナーズの宮城敦さんとお伝えします。
宮城さん
「今回のテーマは『廃棄されていたものに新しい価値を』です」
SDGsの目標のひとつ「つくる責任 つかう責任」。これを達成するために、食品ロスを減らそうとする積極的な取り組みが広がっています。
日本での1年間の食品ロスはおよそ523万トン。東京ドーム4.2個分の食料が廃棄されていることになります。(令和3年度 環境省推計)
こうした中、これまで廃棄されていたものをビジネスに転換する動きが高まっています。
県内でユニークな商品を生み出す取り組みを取材しました。
廃棄されていたものが沖縄の伝統菓子に!
宮城さん
「こちらの豆腐店では、地元の菓子店と協力して新たな商品開発に取り組んでいます」
那覇市首里にある、照屋食品。
創業から54年、豆腐を作る中で課題となっていたのが“おから”の廃棄です。
照屋食品 照屋ゆきの社長
「ここからおからが出てきて、ドラム缶何本分にもなります」
これまでは、1日にドラム缶およそ30本分ものおからを処分していたといいます。
そこで開発したのが、おからを使ったちんすこうです。
照屋食品 照屋ゆきの社長
「おからはすごい栄養価が高い食べ物なのに、お金を払って処分しないといけないので、何かいい方法はないかと考えていました。新垣カミ菓子店さんという創業200年以上の老舗ちんすこう店があるんですが、そちらの会社とコラボして、商品を一緒に作っていこうということになりました」
銀行のマッチングで、同じ首里の店とタッグを組むことになり、2023年に商品が完成しました。
宮城さん
「見た目はちんすこうそのままですね。いただきます。おいしい。おからが入っているかどうかわからない味ですね」
完成した商品は学校給食でも提供されています。
西原東小学校の児童
「おいしい給食いただきます」
児童の感想
「サクサクしてておいしかった」
「甘かった」
「ふつうのちんすこうのにおいする」
「めっちゃおいしい」
Q.おからは普段食べる?
「あんまり食べない」
Q.ちんすこうになったらどう?
「おいしい」
照屋食品 照屋ゆきの社長
「子どもたちにもよろこばれるし、社会貢献に繋がっていると思いますので、すごいやりがいがあります」
さらに、パッケージにもこだわりがあります。
照屋食品 照屋ゆきの社長
「こちらは首里織の模様、柄を使ったんですよ。やっぱり首里というのを、前面に出してですね、地域から愛される企業でありたいなと思っています」
照屋食品 照屋ゆきの社長
「第2弾、第3弾のアイデアも進んでいるんですよ。まだ言えませんけど、今は商品開発の2アイテム進んでいます」
おからから、今後はどんな商品が生まれるのか、期待が高まります。
厄介者から役立つものへ
宮城さん
「南城市ではあの厄介者が再利用されているそうです。それでは取材してきます」
ここで扱っている革製品。使われているのは…サメです!!
cafooca 金城立磨代表
「自分の友達がマグロ漁師をやってるんですけど、結構サメがとれるみたいで。僕が革職人だったんで、そのサメの皮を使って、何か作ってくれないかと言われたことがきっかです」
漁業被害を防ぐために駆除されているサメですが、そのほとんどが廃棄されている現状を知った金城さんは、2019年からサメ革製品に生まれ変わらせています。
cafooca 金城立磨代表
「フカヒレとドックフード。さらには頭とか内臓とかは魚粉にしてもらって、豚の餌にしてもらっています。そのため、本当に丸々一頭を全部使います」
そして、今回新たに開発したのが犬用ジャーキーです。
cafooca 金城立磨代表
「いまフカヒレの製造をお願いしている業者が(宮城県の)気仙沼にあるんですけど、そこがドックフードを始めたんですよ。『じゃあ沖縄のサメでもできますか?』と聞くと『できるよ』とのことでした」
cafooca 金城立磨代表
「ヒューマングレードと言って、人でも食べられます」
というわけで、宮城さんもサメジャーキーに挑戦です!
宮城さん
「歯ごたえもいいし、味も薄く…海の味がします。」
実際に金城さんが飼っているワンちゃんにあげてみると…?
サメ肉は高たんぱくで低脂質。ワンちゃんたちも大よろこびです。
cafooca 金城立磨代表
「めっちゃ好きですね。『ちょうだい』って無限に食べます」
2023年9月、石垣島でのサメの駆除に駆けつけた金城さんは、およそ140匹のサメを自らもさばき、400キロ分をジャーキーとして加工することにしました。
cafooca 金城立磨代表
「これからは、一番大事なことは継続ですね。目標は達成ではないですけど、(サメを)全部使えるようにすることはもう見えてきたので、それを続けるということかなと思います」
サメ肉のジャーキーは、早ければ年内の販売を目指しているということです。
今日の一言
──さて宮城さん、今回のテーマから見えてきたことはなんでしょうか。
宮城さん
『想い×アイデア×行動力』です。
照屋社長の「廃棄していた食材を何とかしたい」という熱い想い、金城代表の「駆除されていたサメを利用して何かできないか」というアイデア、そしてそのアイデアを実現させるために自ら切り開く行動力。
そういった動きがSDGs「つくる責任 つかう責任」にも繋がり、さらには廃棄されるもので「今までにない新たな価値」を見出すことができると感じました。
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