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くらしと経済編集部

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農業の課題を先端技術で解決する「スマート農業」

小林
こんにちは。小林美沙希です。
人手不足など様々な課題が叫ばれる農業。これらの課題を解決するために、先端技術が役立っているそうです。
今日はその最新事情について野村証券那覇支店支店長の宮里洋介さんに詳しく伺います。宜しくお願いします。

宮里
よろしくおねがいします。

農業の課題を先端技術で解決する「スマート農業」

小林
農業分野の課題は、具体的にはどういったことがあるのでしょうか。

宮里
はい。
まず挙げられるのは、労働力不足です。

農業の課題を先端技術で解決する「スマート農業」

農林水産省の統計によると、基幹的農業従事者数は2015年から2020年の5年間でおよそ23%減少しています。
さらに、コロナ禍に伴う入国制限により、農業分野の外国人材の受入見通しが立たなくなり、労働力不足に拍車をかけています。
また、農業の現場では、機械による自動化が難しい作業が多く、人手に頼る作業や、熟練者でなければできない作業も多いことから、労働者の負担が大きいという課題もあります。

小林
これらの課題を解決するためには、どのような方法があるのでしょうか。

農業の課題を先端技術で解決する「スマート農業」

宮里
それが「スマート農業」です。
スマート農業とは、ロボット技術や情報通信技術等を活用して、省力化や生産物の品質向上を可能にする新しい農業です。
「作業の自動化」による人手不足の解消、アプリなどを用いた「情報共有の簡易化」、高度な農業経営のための「データの活用」などが可能になります。
また、マニュアル化が困難とされてきた熟練農業者の技術やノウハウを農業未経験者が短期間で習得できるシステムも実用化されており、誰もが取り組みやすい農業の実現が期待されています。

小林
実際、日本においてスマート農業は広がっているのでしょうか?

農業の課題を先端技術で解決する「スマート農業」

宮里
はい。
農林水産省ではスマート農業実証プロジェクトをスタートし、今年4月までに179地区で展開しています。
このプロジェクトの実証結果によると、品目ごとの各作業の労働時間は4割程度削減できることが明らかになりました。
中でもドローンを活用した農薬散布においては作業時間が平均で81%短縮されています。

小林
県内ではどのような形でスマート農業が推進されているのでしょうか?

宮里
県内ではICTを活用した「さとうきびスマート農業」の植え付け実証が行われました。
GPSで自動走行するトラクターによる植え付けを行っており、トラクターの操縦経験が少ない農業未経験者でも効率よく植え付け作業が可能となっています。
また、電照菊栽培においても、温度・照度センサーを活用することで、深夜に行っていた巡回作業が100%削減され、心理的にも肉体的にも負担が軽減されたと言います。

小林
今後スマート農業はどのように拡大していくのでしょうか?

宮里
農林水産省では、導入コストを低減し、誰もが活用できるスマート農業の普及・拡大を目指しています。
また、2022年までに全ての農業大学校でスマート農業をカリキュラム化するなど、学習機会の提供も推進する予定です。

小林
今後のスマート農業の更なる進歩に期待したいですね。
宮里さん、ありがとうございました。

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