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くらしと経済編集部

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不眠大国、日本を救うスリープテック

後間
こんにちは。後間秋穂です。
今回は「不眠大国、日本を救うスリープテック」について野村證券那覇支店支店長の宮里洋介さんにうかがいます。よろしくお願いします。

宮里
よろしくお願いします。

後間
多くの人が抱える睡眠の悩みに、「スリープテック」というものが役立つということでしょうか?

宮里
スリープテックは、ITなどの最新テクノロジーを活用した睡眠や快眠に関する革新的な製品やサービスを指します。睡眠の改善や睡眠支援を行うサービスや、寝具、スマートフォンアプリ、ウェアラブル機器なども含まれます。近年、先進国では、睡眠不足が積み重なって日常生活に支障をきたす「睡眠負債」が社会問題化しています。その解決策として、スリープテックが注目されているのです。
こちらは、経済協力開発機構が、2021年に発表した調査結果ですが、調査対象とした33ヵ国のなかで、日本の睡眠時間は1日あたり7時間22分と最も短い結果となりました。また、健康関連機器などを手掛ける大手メーカーの2021年の調査では、日本人の睡眠満足度は29%と調査対象13か国のうち、最も低い結果となりました。

平均睡眠時間の各国比較

後間
問題の深刻さが伺えるデータですね。スリープテック市場では、どのような商品やサービスができているのでしょうか?

宮里
スマートフォンやスマートウォッチなどで睡眠のデータを取得し、睡眠の質を見える化することは、既に一般的になっていますが、新たにユニークな取り組みも出てきています。
今年7月に、自分の睡眠データに応じて様々なモンスターの寝顔を集められるアプリが登場しました。遊びを通じて睡眠の質を高める工夫がされています。
ウェルネス関連の通販会社では、2021年に特殊な繊維によって睡眠中の血行を促進し、疲労を軽減するという「リカバリーウェア」を発売しました。コロナ禍の健康意識の高まりもあって、発売後2年で20万枚以上を売り上げるヒット商品になりました。
他にも大手スポーツ用品メーカーが開発した寝具は、頭や腰の形、可動域などを考慮した形状になっていて睡眠時の体の負担を軽減します。マットレスは7万円程度と比較的高額ながら受注開始1か月で、購入総額が3000万円を超えていて、睡眠の質に対する消費者の関心の高さがうかがえます。

後間 
ではスリープテック市場の今後はさらに活気づきそうですね

宮里
こちらは国内の調査会社による、スリープテック市場の現状と予測を表すグラフです。2020年には、およそ30億円だった市場が、2025年には、3倍超の105億円規模に拡大すると予測されています。不眠大国、日本だからこそ、今後のスリープテック市場は、大きな拡大が期待でき、新たな輸出産業となる可能性もありそうです

国内スリープテック市場規模推移・予測

後間 
スリープテック市場の進化・多様化に期待したいですね。
今回は「不眠大国、日本を救う 『スリープテック』」について宮里さんにうかがいました。

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