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くらしと経済編集部

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消費者の意識変化とともに拡大する「リユース」市場

小林
こんにちは。小林美沙希です。
皆さんは、フリーマーケットアプリなどのサービスを利用したことはありますか?近年モノを捨てずに再利用するリユース市場が拡大しているようです。
野村証券那覇支店支店長の宮里洋介さんに伺います。宜しくお願いします。

宮里 
よろしくおねがいします。

消費者の意識変化とともに拡大する「リユース」市場

小林 
リユース市場が拡大しているとのことですが、実際どのくらい成長しているのでしょうか。

宮里
リユース市場の規模と推移についての予測によると、市場は着実な拡大を続けていると考えられています。2020年の市場は、前年に比べて2.5%程度増え、およそ2兆4200億円となりました。
今後も市場は拡大し、2025年には3兆5000億円の規模になると予測されています。

特に昨年は、新型コロナウイルスの感染拡大によって在宅時間が増えたことで、家の片付けをしながら不用品を整理した人も多く、買取が拡大したと見られています。

消費者の意識変化とともに拡大する「リユース」市場

小林
なるほど、リユース品の販売経路はやはりインターネットが増えているのでしょうか。

宮里
はい。中古品の販売経路を見てみますと、店舗での販売が前年に比べて8.3%減少した一方で、インターネット通販が2%増加し、フリマアプリなどの個人間取引は14.7%と大きく伸びました。
オンライン取引はコロナ禍以前から利用の拡大が続いていましたが、外出が減り、オンラインでのやりとりが増えたことでよりリユース市場の成長を牽引したと考えられます。

小林
リユース市場に個人間取引という選択肢の幅が広がったことも市場拡大の背景になっているんですね。

消費者の意識変化とともに拡大する「リユース」市場

宮里
はい。フリマアプリやインターネットオークションなどの個人間取引はここ数年で急速に伸びていて、2019年は前年比9.5%増の1兆7407億円、さらに2020年は前年に比べ12.5%増えていて、利用者の増加状況が伺えます。
このように、年々拡大してきているリユース市場ですが、今業界の枠を超えて拡大しつつあります。

消費者の意識変化とともに拡大する「リユース」市場

宮里
例えば、大手百貨店では今年秋に衣類や宝石、絵画、楽器などを対象に不用品を買い取るコーナーを設けています。50~60代を中心に半年で1000人を超える来店客があり、買取金額が計画を3割超えたそうです。
他にも、リユース業者と引っ越し業者が連携したサービスを展開していたり家電量販店が中古家電の販売に乗り出したりと様々なサービスが出てきています。

小林
不用品を有効活用しようという世の中の意識の高まりを感じますね。

宮里
そうですね。
実は、リユース市場は若い世代に支えられていると言われていて、それは持続可能性に対する意識が高いからだと考えられています。
ある繊維専門商社が実施したファッションに関する意識調査において、「不要になった服をどうするか」という問いに対して、15~19歳では「知人・友人に譲る」20~29歳では「フリマアプリに出品する」という回答が他の年代より多い結果になっています。

小林
リユースの社会的意義について高い意識を持つ若い世代が今後もリユース市場の牽引役になりそうですね。
宮里さん、ありがとうございました。

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