コラム
年末報道スペシャル! 2年ぶりの公開収録は新たな年への希望が詰まったハートフルな収録に…
「OTV LiveNews イット!年末SP ともに前へ2021」のディレクターです!
報道年末特番に関わらせてもらうようになって4年。
2018、19年はトランジットモールの国際通りで公開収録をしてきましたが、去年からは新型コロナウイルスの感染拡大防止のため断念せざるを得ませんでした…。
それでも何とか視聴者とつながることはできないかと、去年は初の試みとして視聴者にオンラインで収録に参加してもらいました。
国際通りでの公開収録はゲリラ的にやっていて、収録を目当てに訪れた人というよりはたまたまその場に居合わせた人たちだったので、2020年は自らOTVの報道特番への参加を名乗り出てくれた人たちだったので、オンラインではありましたが視聴者の方々がより身近に感じられた回になりました。
今年は10月に国の緊急事態宣言が解除、11月には県内の1日の感染者数がゼロとなり、感染状況が落ち着き始め、その頃から徐々に「今年の年末SPは観客の前で収録をしたい!」という思いが強くなっていました。
実現に向けたくさんの人にアドバイスを聞きながら考えた結果、感染対策を徹底するため琉球新報ホールを貸し切り、観客数を制限して実施することになりました。
当初は100人を予定していましたが、募集をかけてみると150人の観覧希望が…!(感涙)
「今年初めてイベントに参加する」という人もいるなど、想像以上の反響に胸が熱くなりました。
そしていよいよ本番!
集まった参加者を見てスタッフ一同気合が入るなか、久しぶりの観客を前に緊張したのか大城アナが収録を開始して開口一番、番組タイトルを嚙むというまさかのミス…。
冒頭から撮り直す事態となりましたが、会場は笑いに包まれ雰囲気は一転して和やかなムードに。
撮り直しに成功した時には観客から拍手も起こり、今思えばあれは会場を盛り上げるためにあえて噛むという大城アナの高等テクニックだったのかと思うくらい場が温まりました。
収録では世界でも最悪レベルと言われた新型コロナ「第5波」との闘いの記録や東京オリンピック・パラリンピックでの県勢の活躍など沖縄の1年を振り返りました。
かりゆし58が代表曲「オワリはじまり」披露
OTVライブニュースイット!で今年度からスタートした新シリーズ「OKINAWA SONG BOOK」。
県民誰もが知っている一曲のウチナーソングをテーマに歌に込められた思いを紐解いてきました。
今回は年越しということでかりゆし58の「オワリはじまり」をテーマに、公開収録ではライブも披露してもらいました。
「オワリはじまり」の制作秘話についてもまとめていますので、ぜひご覧ください。
「沖縄の今年の世相を表す一文字」応募の中で最も多かったのは…
収録観覧とあわせて「沖縄の今年の世相を表す漢字一文字」を募集しました。
番組では一部しか紹介できなかったので、応募のあった文字をランキング形式で一挙公開します!
第1位 「金」(6件)
清水寺の今年の一文字にも選ばれた「金」が県内でも最多となりました。やはりオリンピックでの空手・喜友名諒選手の県勢初の金メダルの印象が強かったようです。
第2位 「動」・「変」(5件)
第3位 「耐」・「再」(4件)
第4位 「家」・「静」・「忍」・「望」(3件)
第5位 「輪」・「光」・「進」・「無」(2件)
その他…
禍・不・密・念・新・石・叶・優・尽・溜・灯・収・育・願・騒・解・篭・和・明・伺・手・抑・先・恐・存・限・難・疎・青・嬉・独・我・暗・緩・経・幸
筆文字アーティスト・珠翠が「今年の一文字」に選んだのは…
参加者の皆さんにもそれぞれが思う今年の一文字を書いてきてもらいました。
多様な文字が一斉に披露された瞬間は圧巻の一言!
一文字一文字に思いが込められていました。
「先月から感染者がどんどん減ってきて、飲食店の営業再開や学校行事とかも増えて、経営者も生徒もだんだん元気になってきたし、私は今年高校入学したんです!だから元気に過ごせた1年かなと思って『元』という字を選びました!」
「今年は色んなことがあったんですけど、前を向くという大きな機会だったんじゃないかなと思って、『前』という字を選びました。」
かりゆし58が選んだのは「五」という文字。
「五」を選んだ理由は、東京「五」輪の開催がひとつ。そしてドラマーの中村洋貴さんが腕の治療で活動を休んでいる間、サポートドラムをしてくれていた柳原和也さんが、中村さんの復帰後バンドとして加わり、現在はメンバー「五」人で前を向きながら頑張っているという思いがこもっているのだそうです。
そして、いよいよ珠翠さんの筆文字パフォーマンス。
珠翠さんのオーラに会場が静まり返り、一筆一筆に視線が注がれた…。
そして文字が完成、会場からは拍手が巻き起こった!
多数の応募の中から珠翠さんが書き上げた一文字は…
「進」という文字。
語源:「隹」は鳥の形を表し、「⻌」は歩く、行くことを表す。鳥が速く飛んでいく姿から「すすむ」の意味になる。
珠翠の込めたウムイ(想い):「隹」の部分は先導する人を表現しともに進んでいくイメージで描いた。牛歩の如く一進一退の1年。対応能力が身につき、蓄えたエネルギーを行動に変え、勢いよく進んでいくウムイを込めました。
会場には「進」を選んでくれた大城ひろえさんも参加されていたので、文字に込めた思いを聞いてみました。
大城ひろえさん
「6年生、4年生、1年生の3人の子どもが知的障害を抱えていて、3人とも文字を書くことが苦手で今まで不登校でした。でも今年からパソコンタイピングやプログラミングなどを学び始め、学校に通い始めるようになりました。一番上のお兄ちゃんは初めて運動会に参加したり、日帰りの修学旅行に参加出来たりと、お兄ちゃんを筆頭に4年生の妹、1年生の弟も一緒に長いトンネルを抜けたように進み始めた年だったのでこの字にさせていただきました。」
新型コロナの影響で様々な社会活動が停滞していたなかで、大城さんの子どもたちは一歩ずつ、自らの力で前に進んでいたのです。
大城さんのお話で会場は感動の渦に包まれ、この時「やはり公開収録にしてよかった」としみじみと感じました。
ニュースを発信している私たちにとって、受け取る側の視聴者とつながることはとても貴重なこと。
私たちの想定を軽く超えるような、実際に対面したからこその“気付き”があります。
今後もニュースを作るうえで、「あの時観覧に来てくれている人たちが見てくれている」という有難さと気の引き締まるような思いを、改めて肝に銘じていきたいと感じました。
執筆:遠藤駿
沖縄県那覇市出身 那覇高校卒業後、琉球大学に進学 2013年にOTV入社 制作部ディレクターを経て現在、報道部記者
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