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OTV報道部

筆文字アーティスト珠翠さん「青への想い」

年末特別番組「OTVLiveNewsイット!年末SP ともに前へ2021」が放送

 沖縄テレビ報道部がこの一年をお届けてしてきたニュースとともに振り返る年末特別番組「OTVLiveNewsイット!年末SP ともに前へ2021」が12月30日に放送されました。番組の収録は、来場人数を限定するなど感染対策を行いながら、有観客での公開収録という形で行われました。当日、筆文字パフォーマンスを披露してくれた珠翠さんに、その模様を伺いました。

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インタビューに答える筆文字アーティストの珠翠さん

――公開収録が終わったばかりのところすみません。まずはお疲れ様でした。

 お疲れ様でした!ありがとうございました!

――筆文字アーティストとして、公開収録というお客さんを入れた場でのライブパフォーマンスができたことについて、イベントが終わって今、率直な感想を聞かせて下さい。

 楽しかったです!フェイストゥフェイスでお客さんを目の前にして本当に楽しかったです。これまでの日常では普通だった・当たり前だったものができなくなって、歓声を聞く事はできないけれど、お客様の温かい拍手が本当にステージまで届いてきました。とっても幸せでした。

 やっぱり「文字を書く」という事をしていますが、文字に込めたその想いを、見に来てくれたお客様にダイレクトに伝えられたということはすごく嬉しいです。またお客様に直接見ていただいた中で、筆文字パフォーマンスの事を、もし少しでも興味を持ってくれて、その楽しさや面白さが伝わってくれたら嬉しいなと思いますね。

公演は新型コロナ感染対策をし有観客で開催された

“感染対策”の壁を越えた観客とのコミュニケーション

――感染対策というある種、制約のあるライブパフォーマンスの場でしたが、その中でもいつもと違う感動といったものがあったりするものでしょうか?

 そうですね。マスク着用ではあったんですけど、その分お客様の「拍手」が凄かった!もうみんな手痛かったんじゃないかなと思いながら(笑)本当に目いっぱい拍手を送っていただいたと思います。(感染対策として)声を出せない分、自分の存在感を逆にアピールしたいと、そういったマスクで抑えられるものとは違う励ましを感じる事ができました。そういう声を介したものとは違う「コミュニケーション」が体験できたっていうのは、今回のライブの魅力の一つでもあったのかなと思います。

――特に印象的だった場面などありますか?

 お客様一人ひとりが、今年の一文字を書いて持ってきてくれたんですね。本当に、色紙、ラミネート、イラストまであったり…、そういったひと工夫ふた工夫も込めて、個性が溢れた作品というものを舞台上からダイレクトに見ることができて、とても感激しました。
 その文字は、皆さんが書いて持ってきてくれているんですよね。文字の中身は違うんですけども、やはり書いてるお一人お一人を表してる。「名は体を表す」というような、そう言われるように、本当にお客様の人柄が目に、視覚から感じ取ることができたのは圧巻でした。この熱や、皆さんが持ってきてくれた作品が是非テレビでも伝わって欲しいなと感じています。

観客の皆さんが用意してくれた「今年の一文字」

――かりゆし58さんのライブはいかがでしたか?

 感動しました!舞台裏でもうめっちゃノリノリでした!ノリノリで、もう自分の出番が次で、パフォーマンスを控えているということを全然忘れていました(笑)
 かりゆし58さんの「オワリはじまり」の歌は、私の個展でもちょっと使わせてもらったことがあったんです。それは応援歌としてメガホンをイメージした作品を、歌詞を書いて作品にしたものなんですけど。もうやっぱり力強い励まし、本当に応援メッセージとして伝わる歌だと思います。またあの歌声がいいですよね。とっても楽しかったです。

 「OTV Live News イット!」では月に一度季節のハッピーなニュースをまとめてお伝えするコーナー「嘉利ニュース」にレギュラー出演している珠翠さん。年末の報道特番でも珠翠さんに「今年を表す漢字一文字」を書いていただく事が恒例となっています。

――この年末特番では恒例ともなっている珠翠さんの「筆文字パフォーマンス」ですが、ご自身ではその魅力というのはどういった所にあると感じていますか。

 筆文字パフォーマンスを通して、なかなか普段見る事ができない大きな紙から感じる気迫であったり、シーンとした静寂の中で見つめる空間の緊張感。そういうのはなかなか体験できる事ではないと思うんですね。やっぱりいろんな情報が飛び交うこの世の中なので、そういった「無」の時間を持つという事って大切。「無」の空間を作り、そこで漢字と向き合う。この漢字はこういう風な思いが込められていたり、こういう風にも見る事もできるっていうコミュニケーションが生まれて、それが繋がりとなって、それらが一体となったときに、感じる事ができる喜びや楽しさが伝わっていければいいなって思っています。

公開収録当日、静寂に包まれた空間の中で披露された珠翠さんによるパフォーマンス

「青」へ込めた思い“沖縄の誇り”

――珠翠さんの描く筆文字作品では、その「青」が特徴的だと思います。色に対するこだわりについて聞かせて下さい。

 海とか、空とか、まさに沖縄のその「青」の色なんです。私はウチナーンチュで、ウチナー生まれで、沖縄という事を意識しながら活動しています。その中で「書道家」という面でいうと、元々三歳からやっているもので、書道から始まって、師範を取って書道家として活動をしていました。
書道家っていろいろ全国津々浦々いらっしゃる中で「私ができる私の表現」というのを突き詰めたときに、“沖縄ウチナー生まれ、ウチナー育ち”っていう事に誇りを持っているので、沖縄生まれっていうのをどうにか表現するかと考えたときに、使うインクで表現したいと思ったんです。

 そこで、それまで墨一色だったのを「青」に変えるようになりました。そうなると書道家としてだけでなく「アーティスト」として、普通の筆ではなくペンキを塗る「刷毛」で表現する事で「筆文字アーティスト」という活動にこだわろうとなったんです。もう全ての道具を全部一変させたんですよね。なので使う硯も、重箱弁当箱に変えて使ってみたり。

 やっぱり「温故知新」だとか、「不易流行」という言葉にもあるんですけど、その時代に合った取り組みにも挑みながら、これまでの道も大事にしていきたい。そういったことも含めて、「青」には私にとっての深くなっていくウチナーの心が込められているんです。
 また、文字によって青の色を若干変化させていたりするんですが、青色は見る方にとってその文字の「衣装」として映るので、そういった面では文字の色には私のこだわりを込めて、考えて青を作っています。

今年一年の「嘉利ニュース」でしたためられた“一文字”:会場で配布されたカレンダーより

 今回の公開収録でも、視聴者から応募いただいた中から、珠翠さんに選んでいただいた漢字一文字を書いていただきました。珠翠さんが選んだ一文字は「進」です。今回の収録にあたり、特別な準備もされていたといいます。

――今回の字は「進」でした。語源と、想いを聞かせてもらえますか。

 漢字の語源ですが、「隹(スイ)」は鳥の形を表し、「辶(シンニョウ)」は歩く、行くの意味となります。鳥が早く飛んでいく姿から「すすむ、すすめる」の意味となります。
 ともに進んでいくイメージで、牛歩のごとく一進一退の1年。対応能力が身に付き、たくわえたエネルギーを行動に変え、勢いよく進んでいくウムイを込めています。

身の丈をはるかに超える大きな紙に珠翠さんがしたためた今年の一文字は「進」

――今日の青色についても聞かせてもらえますか?

 重みがある青=想いが強い青となり、前に進む力強さを表現した青色です。濃い青色はどこまでも青さが広がっていく、浸透していくイメージを持って書きました。垂れなくて良かった…(笑)

――今回は筆文字で書いた作品を、立ちあがらせるという演出がありました。垂れないような工夫もあったんですよね。

 今回コロナ禍の中で、おうち時間が増えている中で、色の研究をしていたんです。書いた作品を立たせて、会場にダイレクトに見せたいというパフォーマンス依頼はこれまでにも多かったんです。けれど、ダイレクト見せたい気持ちは理解できる中で、立たせたときにインクが垂れてしまった所が、文字が涙のように、泣いてるように見られるのが嫌で…。でも本当に水が多かったらすぐ流れ落ちるし、涙が落ちるしって。
 でも今回は、コロナが少し落ち着いている中でのお客様を入れての公開収録という事もあり、「来てくれたお客さんに立たせて見せたい」とお願いされたときに、もうずっとおうち時間でやってきたことが今回出せる場かなって、そして今回の初めての披露だったんです。本当に。調整を続けてきて…。本当に無事に、いやもう本当に良かったです!垂れなくて良かった…(笑)もう本当にもう盛り上げてくださって、皆さんのおかげで最終的に楽しかったです!ありがとうございました!

 珠翠さんの出演する「嘉利ニュース」は「OTV Live News イット!」内にて、月一コーナーとして展開しています。季節のハッピーニュースとともに、想いを込めて書かれる一文字の迫力を是非ご覧下さい。

Information

「OTV Live News イット!」

毎週月~金 午後5時48分~7時00分放送
嘉利ニュースは月一放送です

イベント終了後リラックスした様子で記念撮影する珠翠さんとMCの大城良太アナウンサーと小林美沙希アナウンサー

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