アート,イベント,エンタメ,おでかけ,地域,本島南部,浦添市
繊細で幻想的!美しい切り絵の世界へ「柴田あゆみ かみがみの森」(浦添市美術館)
紙を切り抜いたアート作品“切り絵”。
あまり馴染みのない方もいらっしゃるかもしれませんが、絵の具では表現できない奥行きや立体感のある切り絵は、見る人を魅了します。
沖縄テレビ開局65周年記念として2024年2月2日(金)から3月10日(日)まで浦添市美術館で開催される「柴田あゆみ かみがみの森」。こちらの展示会では、切り絵の世界がくつがえされるような体験が叶います。
今回はOKITIVEで毎月のコラム「海ごみライフ」を執筆している、水中ゴミ拾い専門店Dr.blueの東 真七水さんとリポートします。
切り絵作家(アーティスト)柴田あゆみさんが作り出す作品は、とにかく細かく繊細で、まるでジュエリーのよう。一見すると儚いのですが、柴田さんの生命力が吹き込まれた作品は輝きに満ち、力強いパワーをもらえるような…そんな感覚にさせてくれます。
柴田さんはこれまでに、フランス、アメリカで制作活動を行い、国内のみならず、海外のコンテストでも多数の入選を果たしています。
歌手の森山良子さんのコンサートでは、舞台美術を担当。今まで見たことのなかった世界観に感動し、魅せられた森山さんが、コンサート会場の装飾を直談判したのです。
世界的ブランド「クリスチャン・ディオール」の展覧会でも、装飾展示を手がけるなど、多岐に渡って活躍されている柴田さん。沖縄では初めてとなるこの展覧会には、大小の作品約50点が展示されています。
切り絵を作るときに、柴田さんが意識されているのは、陰と陽の「陰」。
対局にある「陰」と「陽」ですが、このふたつはバランスを保って共存しているため、混ぜ合わせることによって“命の原型”が誕生するのだそうです。
「光を当てた時に、ふわっと命が入るんです」と柴田さん。
柔らかい光はまるで私たちを包み込んでくれるような優しい雰囲気で、作品を眺めていると、ホッと一息つける居心地の良さを感じます。
小さなガラスの中に入った切り絵は、ガラスが、それぞれの“宇宙の膜”を表現。ひとつひとつのガラスの中にはそれぞれの世界が存在し、その中で多くの命が暮らしている…そのようなイメージの作品になっています。
7年ほど前に訪れた久高島で、鮮明でクリアな直感とインスピレーションが湧き上がり、出来あがったという作品が、こちらの「命の詩(うた)」。
柴田さんは「島に降り立った時に、私の中で、泡みたいなものが糸で繋がった作品が見えたんです。人間の視覚範囲は狭く、この世には、目に見えないものがたくさん共存しています。見える世界を広げた時に、ひとつひとつ切り出された泡みたいなものが、細胞であり、水でもあり…その細胞が糸で繋がり、命という形を構成しています。目には見えないけれど、違う目線で見た命です。地上に降り、巡り続ける循環。そんな物語を表現しました」と話します。
これまで思い描いていた切り絵のイメージを大きく変えてくれる柴田さんの切り絵は、神秘的な美しさの中に、日常の風景も隠れています。
「調和の森」と「いのちの根」ふたつの作品から成っている大作は制作期間が1年かかったそうで、細かな根の中には、mm単位の部屋が詰まっています。
よく目を凝らして見てみると、レストランやワインセラー、お洋服のアトリエ、洗濯物などが隠れているので、じっくりと時間をかけて鑑賞してみてくださいね。
大きく見える作品も、中はとても細かいディテールが施されています。
20〜30枚ほど重なった作品は、紙1枚1枚が“時間”や“時空”の連続を表現。
会場にはルーペも用意されているので、丁寧に作られた作品の細部まで観察してみてください。
そして作品は、動画を除いてすべて撮影が可能です。
目に見えないさまざまな想いや愛が形になった柴田さんの切り絵の世界。
あなたも足を踏み入れてみませんか?
会場では「柴田あゆみ かみがみの森」公式グッズも販売しています。
会場限定書籍、ポストカード、箸置きなど、美しい切り絵の世界の一部を持ち帰ることもできます。
Information
- 「柴田あゆみ かみがみの森」浦添市美術館
【開催期間】
2024年2月2日(金)~2024年3月10日(日)
【会場】
浦添市美術館
【開館時間】
午前9時30分~午後5時(金曜日は午後7時まで)
※入館は閉館の30分前まで
※毎週月曜日は休館、ただし月曜日が祝日の場合は開館
【入場料】
一般 1,200円
大学生・専門学生・高校生 1,000円
小中学生 600円
未就学児(3歳以上) 200円- 住所
- 〒901-2103 沖縄県浦添市仲間 1丁目9-2
- 電話番号
- 098-879-3219
- URL・SNS
- 公式WEBサイト
あわせて読みたい記事