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OTV報道部

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社会課題の解決を“投資”で後押し!!インパクト投資

目次

──今回はブルームーンパートナーズの伊波貢さんとお伝えします。

伊波さん
「今回のテーマは『社会課題の解決を“投資”で後押し!!インパクト投資』です」

社会課題の解決を“投資”で後押し!!インパクト投資|アイランドスコープ2024年6月27日放送

──「インパクト投資」というのは聞きなれない言葉ですが、どういうものですか!?

伊波さん
「通常の投資は、投資先を決める際にどれだけの利益・リターンが見込めるかが重要な判断基準となっています」

社会課題の解決を“投資”で後押し!!インパクト投資|アイランドスコープ2024年6月27日放送

一方、インパクト投資は「リターン」に加え、投資先の企業が「社会や環境にどれだけいい影響・インパクトを与えるか」にも注目した投資のことをいいます。

社会課題の解決を“投資”で後押し!!インパクト投資|アイランドスコープ2024年6月27日放送

儲けを出すだけでなく、投資の力で貧困や環境問題など社会課題の解決を後押しする「インパクト投資ファンド」が、沖縄県内ではじめて誕生したので取材しました。

投資を通して社会をよりよくする仕組みが始動

企業の経営支援やSDGsの推進などに取り組む「うむさんラボ」の比屋根(ひやね)隆代表は2024年、社会課題の解決に取り組む企業を応援する「インパクト投資ファンド」を本格的に始動させました。

社会課題の解決を“投資”で後押し!!インパクト投資|アイランドスコープ2024年6月27日放送

その名も「カリーファンド」です。

社会課題の解決を“投資”で後押し!!インパクト投資|アイランドスコープ2024年6月27日放送

伊波さん
「カリーファンドとはどういうものなんでしょうか?」

社会課題の解決を“投資”で後押し!!インパクト投資|アイランドスコープ2024年6月27日放送

うむさんラボ 比屋根隆 代表
「沖縄の課題を解決しよう、あるいは沖縄の価値をもっと高めていこうという起業家に対して投資をするんですけど、経済的リターン・社会的リターンの両方を追いかけるファンドになります」

社会課題の解決を“投資”で後押し!!インパクト投資|アイランドスコープ2024年6月27日放送

カリーファンドは、投資家から集めた資金を子どもの貧困や環境問題など、沖縄の社会課題をビジネスで解決しようと取り組む企業などに投資。

社会課題の解決を“投資”で後押し!!インパクト投資|アイランドスコープ2024年6月27日放送

その企業が成果を出せば社会や環境にいい影響を与えられ、事業で得られた収益は投資家に返ってきます。これが社会的リターンと経済的リターンです。

社会課題の解決を“投資”で後押し!!インパクト投資|アイランドスコープ2024年6月27日放送

伊波さん
「社会的リターンというのは、具体的に何かイメージされるものはありますか?」

うむさんラボ 比屋根隆 代表
「例えば貧困のテーマでいきますと、シングルマザーの就業率がどれだけ何ポイントあがったかとか、シングルマザーの所得・年収がどれぐらいあがったなどが、例えばですけどインパクトのKPI(重要業績評価指標)と成りえるかなと思います」

社会課題の解決を“投資”で後押し!!インパクト投資|アイランドスコープ2024年6月27日放送

比屋根代表は、社会問題を解決する取り組みはNPOなどの活動を補助金で支えていることが多いと指摘。より長期的に解決するためには、補助事業に頼らないビジネスモデルが重要だと話します。

社会課題の解決を“投資”で後押し!!インパクト投資|アイランドスコープ2024年6月27日放送

うむさんラボ 比屋根隆 代表
「沖縄の中の課題をビジネスモデルを設けて、稼ぎながらマイナスを0にする、0を1していく、そういう起業家を増やしていきたいなという思いが2016年、17年ごろから出てきました」

カリーファンドには県内企業17社を含む28社から総額1億7500万円が集まっていて、2024年6月、比屋根代表はファンド出資者にむけ思いを語りました。(県内17、県外11)

社会課題の解決を“投資”で後押し!!インパクト投資|アイランドスコープ2024年6月27日放送

うむさんラボ 比屋根隆 代表
「行政だけが補助事業をやる、民間が民間の事業をやるじゃなくて、沖縄には21世紀ビジョンという目標というか夢があると思うので、そこに向かって行政も民間もそれぞれの事業をやりながらも、全体感をもって1つの方向に向くというのが大事だと思っています」

社会課題の解決を“投資”で後押し!!インパクト投資|アイランドスコープ2024年6月27日放送

カリーファンドに参加するASAKA 高野哲朗さん
「社会問題を解決しながら経済的にも成り立つものができたら、うれしいというかすごいことだなと思うので、そういうことを勉強したいなと思いで参画しました」

うむさんラボ 比屋根隆 代表
「投資して終わりではないので、起業家が生み出す事業を沖縄県内企業も一緒に連携してやっていこうというような、そういう世界感が沖縄で広がっていくといいなと思います」

社会課題の解決を“投資”で後押し!!インパクト投資|アイランドスコープ2024年6月27日放送

廃棄衣類をアップサイクル 意識を変えてゴミを減らす

2024年6月、カリーファンドの初めての投資先が決まりました。

WALLTECH 長谷場咲可 社長
「市町村と連携しながら、洋服を回収していくということをやっていくので、それがはじまったら、どこかの市町村と一緒に回収ボックスを置いていくことになります」

社会課題の解決を“投資”で後押し!!インパクト投資|アイランドスコープ2024年6月27日放送

捨てられるはずの大量の洋服。

社会課題の解決を“投資”で後押し!!インパクト投資|アイランドスコープ2024年6月27日放送

こちらは、使わなくなった農業用ハウスのビニールです。

社会課題の解決を“投資”で後押し!!インパクト投資|アイランドスコープ2024年6月27日放送

これらの廃棄されるものを原料に小物やアートなどを作っているのは、沖縄市にあるWALLTECH(ウォールテック)です。

社会課題の解決を“投資”で後押し!!インパクト投資|アイランドスコープ2024年6月27日放送

WALLTECH 長谷場咲可 社長
「柔らかいものは切ったり縫ったりできるので、こういった形でレザークラフトと同じように製品化することができます」

社長の長谷場さんは、もともとアパレルの会社に勤めていましたが、世界中で大量の洋服が捨てられている現状を少しでも変えようと、2023年11月に会社を立ち上げました。

社会課題の解決を“投資”で後押し!!インパクト投資|アイランドスコープ2024年6月27日放送

WALLTECH 長谷場咲可 社長
「(洋服は)いまゴミ箱に捨てられているのが多いので、それを資源としてやっていきたいという思いがあって、始めています」

カリーファンドから800万円の出資を受けた長谷場さん。

リサイクルするのが難しい混合繊維が使われた衣類と、沖縄県内で年間およそ1000トン廃棄されている農業用フィルムを独自の熱プレス技術で加工しやすいパネルにアップサイクルし、さまざまな製品に加工しています。

社会課題の解決を“投資”で後押し!!インパクト投資|アイランドスコープ2024年6月27日放送

また、環境問題への意識を高めてもらおうと、子どもたちに向けたワークショップにも力を入れています。

社会課題の解決を“投資”で後押し!!インパクト投資|アイランドスコープ2024年6月27日放送

WALLTECH 長谷場咲可 社長
「洋服を大事にしようとか、何が資源になるのかというのを考えてもらえたらと思っています」

参加した子どもたち
「ポイントはハイビスカス」
「楽しいし地球にもいいことだと思うから、いい気分です」
「とても気持ちいいし、その捨てられる布たちもうれしいと思います」

WALLTECH 長谷場咲可 社長
「直近の目標としては、沖縄県内での循環を実現させるというのが1つと、皆さんの意識が変わって、もともとの捨てる洋服の総量自体が減るというところが実現したいなと思っています」

社会課題の解決を“投資”で後押し!!インパクト投資|アイランドスコープ2024年6月27日放送

今日の一言

──さて伊波さん、今回のテーマから見えてきたことはなんでしょうか。

伊波さん
『課題解決社会の到来は沖縄の時代』です。

社会課題の解決を“投資”で後押し!!インパクト投資|アイランドスコープ2024年6月27日放送

地元愛が強く、幸福度を大事にする沖縄では、地域に貢献したいという思いが強い人が多い気がします。それを具現化するツールの一つがインパクト投資。多くの県民の皆さんも、ぜひ参画してより良い社会を構築できるといいですね。

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