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長嶺 真輝

長嶺 真輝

桶谷大HCが「アンダードッグ」を好むワケ。琉球ゴールデンキングス、新チームの戦い方を考察

琉球ゴールデンキングス、新チームの戦い方を考察
トレーニングに励む琉球ゴールデンキングスのメンバー=9月2日、沖縄アリーナサブアリーナ(長嶺真輝撮影)

プロバスケットボールBリーグ西地区の琉球ゴールデンキングスは9月、国際トーナメントとプレシーズンゲームを合わせて7試合に臨む。

7、8の両日(現地時間)にイタリア・シチリア島で開催される国際トーナメントに参戦し、今シーズン初となる対外試合を実施。その後、14日にアウェーでB1・長崎ヴェルカ、ホームでは17、18の両日にB2・福井ブローウィンズ、22、23の両日に韓国KBL・昌原LGセイカーズとプレシーズンゲームを行う。

2024-25シーズンの開幕カードは、10月5、6の両日に沖縄アリーナで行う三遠ネオフェニックス戦となる。

チームは2日、開幕前の試合に突入するのを前に沖縄アリーナでメディア向けの公開練習を実施。新加入のPG伊藤達哉やC/PFケヴェ・アルマのほか、5シーズンぶりにキングスに舞い戻った元ヘッドコーチの佐々宜央アソシエイトヘッドコーチも姿を見せた。

もうすぐファンの前にも新チームがお披露目となるが、どのような戦い方をするのかは気になるところ。「スピード」と「アンダードッグ」をキーワードに考察してみる。

伊藤&アルマの加入で「ファストブレイク」増えるか

琉球ゴールデンキングス、新チームの戦い方を考察
新たに加入した伊藤達哉(左)とケヴェ・アルマ(右)。中央奥は桶谷大HC

伊藤とアルマは加入後、初めてメディアの囲み取材に応じた。伊藤は昨シーズン西地区を制した名古屋ダイヤモンドドルフィンズに直近の3シーズン所属し、アルマは2シーズン前は新潟アルビレックスBB、昨シーズンは韓国KBLのチームでプレーした。それぞれ、なぜキングスを新天地に選んだのか。

伊藤「自分らしさを取り戻したいと思っています。もともと憧れのチームでもあり、このチームならさらに自分を出せる、成長できると思ったので、選びました」

アルマ「2年前に沖縄アリーナで試合をしたことがあり、その時にキングスの雰囲気を味わうことができました。ヴィック、ジャック、アレックスと一緒にプレーすれば多くのことを学べると感じたので、オファーを蹴るということは考えられませんでした」

2人ともさらなる成長を求めての加入だが、いずれも主力として計算できるだけの能力があることは間違いない。伊藤は3P成功率こそ高くはないものの、高い位置からプレッシャーを掛けられるハードなディフェンスとスピード、高いアシスト力を備え、206cmのアルマはリバウンド力や高い3P成功率、ファストブレイクで走れる足を武器としている。

伊藤に関しては安定したハンドリング能力も魅力だ。昨シーズン、キングスはボール運びで牧隼利や荒川颯のところを狙われる場面が多かったが、より安定させることができるのではないか。桶谷大HCも「伊藤はバックコートでボールを運べて、逆に相手のバックコートでプレッシャーを掛けられる。キングスの弱かった部分を補える選手です」と評する。
アルマの強みも問うと、指揮官はこう続けた。

「ボールプッシュもできるので、リバウンドを取った後にコースト・トゥ・コースト(リバウンドを取った選手がそのままドリブルでコートを横断してシュートを打つこと)を狙ったり、相手ディフェンスを収縮させてからのキックアウトで回りのシューター陣が点を決めるシーンも出てくるんじゃないかなと思っています」

これらの評価を聞く限り、チーム全体としてオフェンスのスピード感が増すことが予想される。昨シーズンの主力だった今村佳太や牧らは主にハーフコートでのオフェンスを得意としていたが、スティールから速攻を出せる小野寺祥太やヴィック・ロー、機動力の高い脇真大もいるため、速攻で得点する場面が増えそうだ。

昨シーズン、「ファストブレイクでの得点」の1試合平均は7.3点で、24チーム中22位と少なかった。ハーフコートオフェンスで攻めあぐねる場面もあったため、この数字を伸ばすことができれば得点効率はより向上するはずだ。

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