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「責任感は増しつつ、等身大で。」23歳で️“中堅”となった知名祐里の現在地…女子バスケWリーグ・シャンソン
沖縄アリーナのコートに立ち「一つ夢が叶いました」

11日に行われた1戦目。初めに出番が巡ってきたのは第1クオーター(Q)の残り約3分の場面だった。「メンバーチェンジ、知名が入ります」。アナウンスに反応した地元沖縄の観客が、ひときわ大きな拍手で迎えた。
「自分がコートに入る時は、全力で、100%でプレーしようと思っていました」
試合終了後の会見で発した言葉通り、すぐに存在感を見せる。
ボールプッシュして味方のトランジション3Pシュートにつなげたり、中央からペイントタッチして自らフローターシュートを決めたり。第2Qもそのままコートに立ち続け、ピック&ロールからボールをコントロールし、ゴールへ飛び込んだビッグマンにパスを合わせてイージースコアを演出する場面もあった。
4位シャンソンが堅いチームディフェンスを貫き、71ー52で3位ENEOSを下したこの一戦。知名は18分44秒の出場時間で3得点2リバウンド3アシストを記録した。最大の持ち味であるボールマンへの激しいプレッシャーも随所で見せた。
「祐里ナイス!」「知名いけ!」
試合中、客席からは背中を押す声援もたびたび飛んだ。ENEOSのホームゲーム扱いで開催されたが、知名にしてみれば生まれ育った実際の「ホーム」の地。自身も地元ならではの温かみを感じたようだ。
「アウェーゲームでしたが、観客に背中を押してもらい、私はホームのような感覚で試合ができました。とてもありがたかったです。『沖縄は温かいな』と思ったし、『ただいま』という思いでした。地元のみんなに応援されている、支えられているということをより実感できた『ホーム開催』でした」
コメントの最後に「ホーム開催」と言ったのは、無意識だったのだろう。居心地の良さも手伝ってか、試合中、会見中ともにトレードマークの笑顔が輝いていた。
沖縄アリーナは帰省の度に足を運び、男子Bリーグで強豪の地位を固めている琉球ゴールデンキングスのホーム戦を観戦する「憧れの場所」だ。Bリーグのオールスターゲームや男子FIBAワールドカップも開催され、地元のバスケ熱の盛り上がりを「うらやましい」という気持ちで県外から見ていたという。「いつかこの舞台に立ちたいと思っていたので、一つ夢が叶いました」と満足げに語り、コートを駆けた18分間をかみ締めた。
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