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琉球ゴールデンキングス “守備職人”小野寺祥太に聞く、「チームDF」が向上した理由は…DEFレーティングが10位→4位に

個々の選手を見ると、チームのディフェンス力を底上げした功労者として伊藤の存在は外せないだろう。小野寺も心強く感じている。
「伊藤選手と出る時は、彼が前から相手ハンドラーをピックアップしてパスコースを限定してくれるので、おのずと他の選手がディナイを張ってパスカットを狙える状態にしてくれます。それが本当にいい影響を与えていると思います」
平良や荒川も含め、高い位置からボールマンに1対1で激しいプレッシャーを仕掛けられるガードが揃い、相手のボール運びにもより時間を掛けさせられるようになった。24秒バイオレーションを奪う場面も、昨季より増加した印象を受ける。
その他、顕著な変化が見て取れるのはアレックス・カークの守り方だ。
相手がピック&ロールでディフェンスの「ズレ」を作ろうとする時、昨シーズンまではビッグマンが下がり気味で守ることが多かったが、今季はカークがハードショー(ボールマンに積極的にプレッシャーを掛けること)に出ることが多い。よりフットワークや体力が必要になる動きなため、コンディションの良さも影響しているのだろう。
ハンドリングや得点力に優れた相手エースとマッチアップする機会が多い小野寺は、この守り方に好感触を得ている。
「昨シーズンは(ビッグマンが)下がり気味で、そこを狙われることもあったのですが、今シーズンはアレックスとかが前に出てくれるので、プレッシャーを掛けやすいです。ちょっとでも遅れると抜かれてしまいますが、躊躇せずに前に出てくれることによって、僕もスクリーナーの下を通って行ける。そこは全体のローテーションを信じてやってくれていると思います」
各選手とも、シチュエーションによってはスイッチを使う場面も増加し、守り方の多彩さが生まれている。ハードショーに出た時やスイッチをした時、ローテーションのコミュニケーションミスが起きる場面こそあれど、シーズンの経過と共に少しずつ改善してきているように見える。
レフェリーの判定と戦ってしまい、ストレスを溜めて悪循環に陥るような試合も減ってきた。「チーム全体として、テクニカルファウルが昨シーズンに比べて少ないと思います。(もう一人のキャプテンである)ヴィックがリーダーシップを取ってタフに戦ってくれていることもあり、いい雰囲気です」と笑みを浮かべる。
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