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沖縄から「ノーサイン野球」で旋風を…キーマンは遊撃手にコンバートした“平良章伍”、打率5割超で最速143㌔を誇る“福本琉依”【センバツ高校野球目前!エナジックスポーツ編】
神谷監督「ハツラツとプレーすれば結果は付いてくる」

「三つ(三塁ベース)狙えるぞ!」
「守備の動きをよく見ろ!」
名護市東部に位置する瀬嵩地域。海岸近くにあるエナジックの校舎グラウンドに近づくに連れ、選手たちの威勢のいい声が徐々に大きくなっていく 。ヒットエンドランやスクイズなど、あうんの呼吸で選手たち自身がプレーを選択するノーサイン野球を磨くため、お互いの認識を擦り合わせる作業だ。普段から実践練習の割合は多い。
左翼側の少し離れた場所から練習に目を向けていた神谷監督に仕上がり状況を聞くと「順調に来ていますね」とのこと。特に層の厚い投手陣に対する評価は高い。「みんな安定して力が付いてきていて、変化球のキレも良くなっています」と続ける。
打撃力については、評価が難しい。
というのも、エナジックは閉校となった旧名護市立久志小学校の校舎跡地を活用しているためグラウンドが狭く、周りは民家に囲まれているため、外野まで飛ばすようなバッティング練習ができないからだ。北部地域にある野球場もプロ野球キャンプなどで使われていてこの時期はほぼ借りられないため、冬場は学校のグラウンドや室内練習場でトレーニングを積んでいる。
とはいえ、「強いゴロは打てるようになっていて、いい当たりはしている」と向上している感触はあるという。取材日はまだ練習試合の解禁前(解禁日は3月1日)だったため、ノーサイン野球の精度については「相手チームと試合をしてみないとまだ分からない」とした。
ただ、次から次へと予想のしづらい攻撃を仕掛けるノーサイン野球を引っ提げ、甲子園に乗り込むことは楽しみにしているようだ。
「甲子園で選手たちがハツラツとプレーしてくれれば、結果は付いてくると思っています。恐れ知らずの野球で、選手たち楽しそうにはしゃいでいたら、観てる人たちは『なんなの、このチーム』って感じるんじゃないかな(笑)。そういう選手の姿を見るのは楽しみですね」
ダイヤモンド内での駆け引きは選手たちが担う部分が大きいが、もちろん戦術面やメンバー起用などで指揮は執る。神谷監督自身は3回目の甲子園。豊かな経験を生かし、どのような采配を振るうかに注目だ。
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