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天皇杯決勝目前も…日本人選手が「ピリッとしない」キングス桶谷大HC、岸本隆一、ヴィック・ローが多弁に語ったチームに“必要なコト”
岸本「恥をかいてでも…」

続いて会見に登壇したのは岸本だ。
最近はチームとして思い描くようなオフェンスが表現できない時間帯も多く、「いい意味でシンプルに、みんなが前向きにプレーできるように、そういう雰囲気を自分がきっかけになってつくっていきたい」と今後を見通す。
確かに「シンプルさ」は、今のキングスにとっては大きなテーマの一つだろう。
高さと重量のあるインサイド陣を中心にリバウンドを制し、ポゼッションを増やす。中に相手ディフェンスが集中すれば、外に振ってオープンの3Pシュートを打つ。ピック&ロールからのビッグマンへの合わせやハイロー(ハイポストからローポストにパスするプレー)など、最大の武器であるインサイドを主軸としたオフェンスはキングスの強さの根幹を成す。
もちろん相手も対策を講じてくるが、いかにチームコンセプトをやり続けるかは勝利に向けた重要な要素の一つだ。ただ、最近の試合ではなかなか狙い所が定まらず、オフェンスが停滞する時間帯も散見される。
「シンプル」に立ち返るためには、何が必要か。岸本はこう考える。
「EASLを含めると3連敗している状況で、もちろん負けが混んでくると気持ち的にはきついです。ただ、とことん追い込まれたつもりになって、それをしっかり受け止めて、とことん向き合えば、おのずと初心に立ち返ってシンプルになると思います。結果が出なくて歯がゆいですけど、戦い続けていれば自分たちに追い風が吹くタイミングが必ず来る。それを信じてやり続けていきます」
大一番を前に、若手らに伝えたいことを聞かれると、こう答えた。
「必死さみたいなところですね。頭で考えるよりも体が先に動くような状況に持っていけると、一番いいパフォーマンスができると思います。それぞれに特徴があり、必要とされているからこのチームにいます。その部分をもう一回それぞれが思い返して、自信を保ちつつ、チームの力に変えていきたい。練習中からそういう雰囲気をつくっていきたいです」
今はキャプテンという役職にこそ就いていないが、チーム最年長となる34歳となり、強いリーダーシップを発揮すべき時があるということも分かっている。
「(チームにとって)必要なことをやれるように、ということは常日頃思っています。EASLもこういう結果になってしまったので、恥をかいてでも、誰かが何かアクションを起こさないことには状況は変わらないと感じます。言葉で何かを言うというのはあまりないですが、試合の中で絶対に譲れない部分というのを何とか示せたらいいかなと思っています」
2022-23シーズンのBリーグ優勝を経験した数少ない選手(岸本、小野寺、クーリー、松脇)の一人である岸本。大一番で勝ち切るメンタリティをチームに注入してもらいたい。
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