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くらしと経済編集部

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限りある資源を大切に「サーキュラーエコノミー」

小林
こんにちは。小林美沙希です。
様々な分野で、地球環境への配慮が叫ばれる昨今、「サーキュラーエコノミー」という新しい経済の考え方が注目されているようです。
その最新事情について野村證券那覇支店支店長の宮里洋介さんに詳しく伺います。宜しくお願いします。

宮里 
宜しくお願いします。

限りある資源を大切に「サーキュラーエコノミー」

小林
「サーキュラーエコノミー」とは、どういった意味の言葉なのでしょうか。

宮里
「サーキュラーエコノミー」は循環型経済と訳され、資源を循環させることを考える経済です。
こちらは、従来の経済とサーキュラーエコノミーの概念を図にしたものですが、これまでの経済は資源を採掘してその原料からモノを生産し、利用して廃棄するという直線的な流れでした。
一方、従来の経済のなかで活用されることなく廃棄されていた製品や原材料などを新たな資源と捉え、廃棄物を出すことなく資源を循環させるのがサーキュラーエコノミーです。

サーキュラーエコノミーの概念図

小林
なるほど。なぜ、そうした考え方が生まれてきたのでしょうか。

宮里
世界の人口が増えていく中で、これまでと同じように地球の資源を利用し続けていれば、地球上の資源は足りなくなってしまいます。
今後、地球の資源を守りつつ世界が繁栄していくために、大量生産・大量消費・大量廃棄のリニア型経済に代わる、サーキュラ―エコノミーのような新たな仕組みが必要とされています。

小林
具体的にはどのような動きがあるのでしょうか。

宮里
世界各国で、サーキュラーエコノミーの実現に向けた政策が打ち出されています。
日本でも、2018年に「第四次循環計画」が閣議決定されました。そこでは、「誰もが、持続可能な形で資源を利用でき、環境への負荷が地球の許容できる範囲内に抑えられる世界」といった将来像や、より少ない資源で生産活動を向上させるための2025年度目標なども盛り込まれています。

小林
企業はどのような取組みを行っているのでしょうか?

宮里
ファッション産業分野の例をご紹介します。
ファッション産業は石油産業に次いで環境負荷が高いと言われています。

ファッション産業の環境負荷

宮里
そのため、ある大手スポーツアパレルメーカーでは、子供の成長に合わせて袖や裾の丈を調節できる子供用のスポーツウェアや体形に合わせてシルエットを変更できるマタニティウェアなど、長く着られる衣料品づくりを行っています。

持続可能な衣料品づくり

小林
買い替えずに済む製品設計などを行い、無駄を減らしているというわけですね。

宮里
はい。他にも、大量廃棄問題の解決に向けて「オフプライスストア」という新たな業態もでてきました。これは、1つの店舗内で様々なメーカーやブランドの余剰在庫やシーズンを過ぎた商品を販売するビジネスモデルで、数年前から欧米で注目されています。
2019年からこの事業をスタートさせたある会社では、オフプライス事業を衣料品の大量廃棄を減らし、廃棄に伴う二酸化炭素も削減できる「未来のための仕組み」として位置付けており、取引先や店舗数を拡大させています。

小林
廃棄物を再生させるサーキュラーエコノミ―が、社会や環境の未来にもたらす、大きな影響力に期待したいですね。

宮里支店長ありがとうございました。

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