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「会社に在籍しているだけであなたには価値がある」中途視覚障がい者の男性”見えない自分を可視化”

沖縄県那覇市のソフトウェア会社でパソコンのキーボードを叩く音が響く。NECビジネスインテリジェンスに勤める中嶋琢(たく)さん(51)の日常だ。
中嶋さんは一見すると普通のオフィスワーカーだが彼の耳には周囲には聞こえない音声が流れている。視覚障害がありながら企業の一員として働き続ける中嶋さんが目指す社会の形とは。
目次

20代で視覚障害 当事者になって気づいたこと
中嶋さんが視覚障害者となったのは20代になってからのことだ。
生まれつき網膜色素変性症(もうまくしきそへんせいしょう)という難病があったが中学生になるまで病気のことを知らされていなかった。当時は目が見づらいだけとの認識で通常の生活を送っていた。
医師からは「いつか見えなくなる」と告げられていたが、家族や子どもたちとバイクやアウトドアなどの趣味を楽しむ日々を過ごしていた。

現在も視野の1%程度は残っている。身近な視覚障害者からのアドバイスを受けて障害者手帳を取得。2018年からは盲導犬と共に生活している。

中嶋さん自身も以前は「バイアス(先入観)を持っていた」と話す。盲導犬のことも全く知らなくて見えない人の犬だから触っても大丈夫だろうと触ったこともあった。「自分がユーザーになって初めてダメな事だとわかった」と振り返る。
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