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くらしと経済編集部

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進化する段ボールの大きな可能性

小林
こんにちは。小林美沙希です。
引っ越しや買い物、インターネット通販など日常のあらゆるところで目にする段ボール。実は環境への負荷が低く、今注目を集めているようです。
その最新事情を、野村証券那覇支店支店長の宮里洋介さんに伺います。宜しくお願いします。

宮里 
よろしくおねがいします。

進化する段ボールの大きな可能性

小林 
段ボールは環境への負担が少ないということですが、使用済みの段ボールはリサイクル率も高いのでしょうか。

宮里
はい、おっしゃる通りです。日本国内で流通する段ボールは、「リサイクルの優等生」とも言われるほど、リサイクルシステムが確立しています。段ボールの回収率はおよそ95%に達していて、この回収された段ボールが再び段ボール製品の主な原料となっています。

また、使用済み段ボールは水に混ぜるだけで繊維状に戻るため、リサイクル工程の環境負荷も低く、リサイクルされなかった場合でも、最後は土に還ります。

段ボールのリサイクルシステム

小林
なるほど。これほど環境負荷が少ない段ボールは、梱包材として以外の使い方もあるのでしょうか?

宮里
段ボールは梱包材としての利用だけでなく、災害時の簡易ベッドやパーテーションとしてなど、様々な使用用途が研究開発されています。
例えば、ある大学とベッド製造・販売業者が共同で、避難所の環境改善を目指して段ボール製の「シェルター」を開発しています。この段ボールシェルターは、壁部分は強化段ボール、天井と床には樹脂を使っていて、強度があるので積み重ねて2階建にすることができ、避難所の省スペース化にもつながります。

他にも、日常の家具として段ボールベッドや本棚、収納用品なども開発されていて、家具をあまり増やしたくないという学生や社会人から注目されてきています。

段ボールの様々な可能性 その1

小林
避難所の環境改善や、日常にも用途が拡大しているんですね。

宮里
そうですね。他にも例えば、簡単に印刷ができるデジタル印刷機を直接段ボール面に使用することで、色鮮やかな画像もプリントができるようになり、情報発信ツールとして段ボールが活用されるようになりました。

この印刷機を導入した最大手のダンボールメーカーは、簡単に開封できて商品を出さずにそのまま店頭に陳列できる段ボール箱として提案しています。

小林
店員さんの作業負担も軽減できますね。

宮里
そうですね。
他にも防水性の高い段ボールの開発も進んでおり、これまで発泡スチロールで梱包していた、鮮魚などの輸送容器としても段ボールは注目されています。段ボールは、同じサイズの発泡スチロール容器と比べて石油由来の原料をおよそ96%削減できると言われています。

国連が提唱するSDGsでは、「海の豊かさを守ろう」という目標があり、世界的に「脱プラスチック」の流れが加速しています。SDGsに対する企業の取り組みの広がりや、脱プラスチック志向の高まりを追い風に、今後も段ボール市場は成長を続けていくと見られます。

段ボールの様々な可能性 その2

小林
今後また新たな段ボールの使用方法も開発されていきそうですね。段ボール市場の今後の動向に注目したいと思います。
宮里さんありがとうございました。

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