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長嶺 真輝

長嶺 真輝

U18代表候補を“変化球三つ”で3球三振…沖縄尚学が誇る最速150キロ左腕「末吉良丞」の確かな進化、憧れの『宮城大弥』に近づく

球数100球超えるも…勝負どころでイーマン琉海をピシャリ

夏の沖縄大会決勝。七回表、最大の勝負所が訪れた。

センバツ出場校のエナジックスポーツに対して1-4とリードしていたものの、末吉が2連続四球と暴投で2死一、二塁のピンチを招いた。気温は30℃超。この回の途中で球数が100球を超え、ボールが高めに浮き出していた。

ここで打順が回ったのは、それまで3打数2安打のイーマン琉海。長打力と俊足を兼備し、U18日本代表候補に選ばれた逸材だ。点差を考えると、当然歩かせる選択肢はない。投打で沖縄のトップに立つ二人が約18メートルの距離で向かい合った。

初球、スプリットをワンバウンドさせて空振りを誘う。次はアウトローの厳しいコースにスライダーを投じてファウルチップ。一球遊ぶかと思いきや、斜めに大きく曲がるスライダーを外角にズバッと放り、見逃しで3球三振に仕留めた。

さすがに直球無しの3球勝負は予想外だったはず。イーマンは脱力して感心したように笑みを浮かべ、ベンチに下がっていった。

試合後、30人近いメディアに囲まれた末吉。「イーマン選手との勝負ではいい感触がありました。七回のピンチを抑えたことで、チームに流れを呼び込むことができました。あの場面が(今日の試合で)一番良かったと思います」。堂々と、歯切れ良く言った。

八回以降も147キロ、148キロの直球で連続三振を奪うなど、さらに調子を上げていき、完投。攻撃でも4打数2安打4打点の活躍ぶり。大舞台でこそ、強い光を放つ。そんな千両役者ぶりをまとい始めた2年生サウスポーが、センバツ出場校同士の頂上決戦で9-1という大差を演出した。

U18代表候補を“変化球三つ”で3球三振…沖縄尚学が誇る最速150キロ左腕「末吉良丞」の確かな進化、憧れの『宮城大弥』に近づく
練習に汗を流す沖縄尚学のメンバー=1月(長嶺真輝撮影)
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