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U18代表候補を“変化球三つ”で3球三振…沖縄尚学が誇る最速150キロ左腕「末吉良丞」の確かな進化、憧れの『宮城大弥』に近づく
貫禄のある風貌、“尻上がり”の球速…全国の主役へ
プロと見紛うような貫禄のある風貌、尻上がりに上がっていく球速、勝負所で精度が増す変化球のコントロール、大一番で発揮する打撃センス…。
これらの要素を見ると、ある沖縄出身の左腕を連想する人も多いはず。興南高校出身で、末吉自身が目標に掲げる宮城大弥(オリックス・バファローズ)だ。宮城も高校時代から150キロ近い直球と一級品の変化球を投じ、学年が上がるごとにギアの上げ下げの感度やスタミナを磨いていった。そして、4番に座るほどの打力も備えていた。
末吉も、この1年で着実に力を伸ばしてきた。
1年生だった昨秋の明治神宮大会では直球の安定感や制球力が全国レベルに追い付いておらず、初戦の敦賀気比戦で5回を被安打5の3失点で降板。今春のセンバツでは初戦で力のある青森山田に対し3失点完投勝利を挙げた一方、大会優勝校の横浜と当たった2回戦では7回を投げて被安打9の5失点を喫した。
春は追い込んでからの決め球に欠ける場面もあったが、イーマンを仕留めたスライダーはキレが増しており、バックスピンの効いた豪速球が絶妙なコースに決まることも増えてきた。相乗効果で打者が的を絞りづらくなっている。マウンド上での風格は「高卒・ドラ1」でプロ入りした高校生時代の宮城の姿に徐々に近付いてきた印象だ。
自信が深まってきたのか、取材に応じる姿勢は毅然としてきた。発する言葉も力強い。
「沖縄尚学として甲子園通算30勝の達成が目標です。春に負けてしまった横浜高校と対戦することがあればリベンジしたいです。夏に優勝する高校が一番強いと思います。一戦必勝で戦っていきます」
初戦で投げ合うであろう金足農業の吉田大輝は、直球とチェンジアップが威力抜群。昨夏も甲子園でマウンドに立っており、今秋のドラフト候補の一人だ。相手にとって不足はない。レベルアップした左腕の力を遺憾無く発揮し、跳ね返され続けてきた全国の舞台で主役に躍り出たい。

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