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「神の右手」あの5.3秒に起きたコト…琉球ゴールデンキングス・松脇圭志に30分をかけて聞いてみた
小野寺祥太と交代…任された“おとり”の役割

少し前の時間からさかのぼる。
ヤンテ・メイテンにゴール下シュートをねじ込まれ、土壇場で前に出られた。この時点で残り5.3秒、77-79。桶谷大ヘッドコーチ(HC)がタイムアウトを請求する。第4Q残り4分10秒からベンチに下がっていた松脇に対し、小野寺祥太との交代が告げられた。
勝負の大詰めでの出番に「交代か…」と多少の戸惑いはあったという。ただ、チーム屈指のシューターとして相手ディフェンスを引き寄せる力を持つ自身の役割は理解していた。
「プレー自体はデザインされていて、僕はおとりの役割でした。ヴィックにスクリーンをかけてクロスし、ヴィックが右、僕が左に行く。ジャック(クーリー)がフロントコートで長いパスをもらって、最後にヴィックに打たせるというプレーでした」
この動きは、クオーター終わりの時間が少ないシチュエーションで桶谷HCがよく使うセットプレーである。
松脇に「自分が打ちたい」という欲は生まれなかったのか。答えは「いや、ないですね」。その前は4分ほどコートを離れていた。シュートの感覚を考慮すれば、「ラストショットを打つ選択肢は僕の中にはなかったです」という思考は理解できる。
「ヴィックは調子が良かったし、チーム全体として『ヴィックが外したらもうしょうがない』という気持ちだったと思います」。絶対的エースに対する信頼も深かった。
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