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「神の右手」あの5.3秒に起きたコト…琉球ゴールデンキングス・松脇圭志に30分をかけて聞いてみた
ヴィック・ローの「想定外」の動き

アレックス・カークが自陣エンドラインでボールを持ち、プレーが動き出す。
すぐに想定外の事態が起きる。左サイドにポジショニングしたローが松脇のスクリーンを待たずにサイドライン沿いを一目散に駆け上がった。デザインとは異なる動きだ。しかし、松脇に戸惑いはなかった。「結構ヴィックのあるあるなんで」
3ポイントラインから優に2メートルは離れていただろうか。クーリーからパスを受けたローが長距離のキャッチ&シュートを放った。
ガンッ。ボールが硬い音を立ててリング手前に弾かれた。ローがぶらんっと両手を下ろし、負けを確信したように脱力する。三遠の大野篤史HCがコーチ同士の挨拶のために若干琉球ベンチ側へ体を向け、赤く染まった客席はにわかに湧き立った。
しかし、大火になりかけた歓声は一瞬にしてかき消される。「ヴィックが意外と早めに打ったので、時間が残っていることは分かっていました」。リングに向けて走るのを止めなかった松脇に「神の右手」が宿る。
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