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世界一周をキャンセルし福島から波照間島へ移住して20年。自分らしくのびのび暮らす『教えて島暮らし 〜沖縄移住者の声〜』

東京から沖縄本島の那覇まで南西に約1,600km、那覇からさらに南西に約400~500km離れた場所に位置する八重山諸島は、石垣島を中心とした12の有人島と多くの無人島から構成されています。
この連載では、石垣島を中心に八重山諸島の島々に暮らす移住者から「島暮らし」のリアルな体験談や思いを紹介していきます。
今回は、波照間島に移住して20年目、福島県出身の星日出子(ほし ひでこ)さん71歳を紹介します。
目次
波照間島に移住して20年
Q:出身地はどこですか?移住して何年目になりますか?
A:出身は、福島県会津若松市です。移住して20年目になります。

Q:家族構成を教えてください。
A:ひとり暮らしです。
ピースボートで世界一周の旅をキャンセルして波照間島に移住
Q:お仕事は何をしていますか?
A:簡易宿泊所、民宿 照島荘で働いています。
Q:お住まいはどうしていますか?
A :仕事場の民宿にほど近い場所にある一軒家のひと間を間借りしています。とは言え、ほぼ目覚めと共に仕事場である民宿へと向かい、夜眠る時以外は、ほぼ民宿で過ごしています。

Q:移住した理由を教えてください。
A:波照間島には何年もの間、年に1、2回は通っていました。その度にお世話になっていたのが現在仕事をしている「民宿 照島荘」でした。今から約20年前、民宿の手伝いがいなくなってしまうタイミングで、「星さん、民宿の手伝いやってみない?」と声をかけられました。
ちょうど働いていた職場を50歳で早期退職した時でした。世界一周のピースボートに乗って旅をしてみようと支払いも済んでいたのですが、キャンセルして、馴染みの民宿の手伝いをするために、波照間島へ移り住みました。

波照間島の自然や文化に魅了される
Q:波照間島の魅力を教えてください、それはなぜですか?
A:波照間島の魅力は、青い空、青い海、白い雲、満天の星空、サトウキビ畑、草木や虫、鳥など。最近は、自然の日々の変化が見え、いつも新しい発見があるので写真撮影も好きです。また、島の文化や歴史も興味深いです。

Q:地域の行事に参加していますか?
A:はい、参加しています。19年間、ムシャーマ(島行事)の笛を担当していました。神行事にも参加しています。

Q:波照間島へ移住してよかったことを教えてください。
A:組織の中でしばられることなく、たぶん自分らしくいられることが良かったと思います。
波照間島移住のデメリット
Q:波照間島へ移住して困ったことはありますか?
A:前歯が抜けて間抜けな顔になっても歯医者にいけないこともあります。突発性難聴になった時は、民宿の予約のない日で、船も動いて、すぐ病院に行けたけれど、もしあの時すぐに石垣島に行けていなかったら、難聴のままだったかもしれません。
Q:波照間島の医療はどうですか?
A:大病はしていないので、診療所でだいぶ助かっていますが、眼科、歯科、耳鼻科は石垣島に出なくてはならないです。
波照間島にないものは旅行先で楽しむ
Q:本土に帰ることがあればどのくらいの頻度で帰りますか?
A:1年に2回、旅行、たまに帰省しています。波照間島には映画館や美術館、博物館などがないため、旅先では観たい映画を観たり、企画展などを博物館に観に行ったりしています。
波照間島のインフラ
Q:買い物はどうしていますか?
A:買い物は、島の売店でしています。また、毎週貨物船で届く生協や、ネットも活用しています。月に1度くらい石垣島に買い物に行っています。

波照間島でみつけた暮らし
最後に、今後、波照間島でどのように過ごしていきたいか星さんに聞いてみました。
「健康に気をつけて、足腰丈夫で1日でも長く民宿の仕事を続けていきたいです」
星さんが、もし20年前に波照間島に移住せず、世界一周ピースボートに乗っていたら、いったいどのような人生になっていたのだろうかと想像してみました。どこかの国の港町で、星さんらしく元気に暮らしていたかもしれません。

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