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神々の島・バリ出身のシェフが届ける心と体に染みる薬膳料理「BALI NOON BALI MOON(バリヌーン バリムーン)」のランチ(沖縄市)

日本初のショッピングセンターとして知られる、沖縄市のランドマーク「プラザハウスショッピングセンター」。
1階、ロージャースフードマーケットの一角に店を構える「BALI NOON BALI MOON(バリヌーン バリムーン)」では、本場バリ出身のシェフたちが腕をふるいます。
シェフのワヤン・プルワさんは、バリではホテルの厨房を長年任され、祭事で神に捧げる料理も手がけてきた、地域に欠かせない料理人。25年前にプラザハウスで開催された「バリフェア in 沖縄」に招かれて料理を提供しました。その経験を経て、2016年2月2日、沖縄では数少ないバリ料理専門店として「BALI NOON BALI MOON(バリヌーンバリムーン)」をOPENしました。
スパイスやハーブに関する深い知識と経験をもとに、旬の食材に合わせて調合を重ねる。バリの誇りを胸に、心と体にやさしく響く料理を届けています。
目次
リゾート気分を味わえる「BALI NOON BALI MOON(バリヌーン バリムーン)」の店内

一歩足を踏み入れると、バリの雰囲気が漂う店内にはゆったりとした時間が流れます。
自然素材の家具や木のぬくもりに包まれた空間には、玉ねぎのような丸い形がかわいらしいラタンのランプが灯り、編み目からこぼれるあたたかな光がやさしい癒しを演出しています。
フレッシュハーブとスパイスで作る、BUMB(ブンブ)とSAMBAL(サンバル)が味の決め手

バリ料理に欠かせない味の決め手が、BUMB(ブンブ)と呼ばれるスパイスペーストです。
各家庭に代々伝わるレシピがあり、ワヤン・プルワシェフもまた、祖父から受け継いだ味を守り続けています。
毎週、じっくり4時間かけて仕込みを行うというから驚き。さらに、辛味を調整する赤いソースSAMBAL(サンバル)も手作り。こちらも3時間かけて仕込む徹底ぶりです。
「BALI NOON BALI MOON(バリヌーン バリムーン)」では、18種類ものハーブやスパイスを組み合わせたBUMB(ブンブ)をはじめ、本場ならではの多彩な料理が味わえます。
肥沃な大地と温暖な気候に恵まれたバリは、まさに“食のダイバーシティ”にあふれる土地。雨季と乾季で収穫できるスパイスが変わるため、季節ごとにBUMB(ブンブ)の風味も移ろうのだそうです。
さらに、日本ではなかなか手に入らないフレッシュハーブをシェフ独自のルートで仕入れ、惜しみなく使用。その香りの奥行きが、ほかのスパイス料理店にはない一皿を生み出しています。
それではさっそくBUMB(ブンブ)をたっぷり使った家庭料理を紹介していきます!
バリの家庭料理を振る舞う「BALI NOON BALI MOON(バリヌーン バリムーン)」のおススメの一品をご紹介

AYAM NYANYAT(アヤム・ニャニャ) は、バリを代表する家庭料理。「AYAM」は鶏、「NYANYAT」は煮込むという意味で、鶏もも肉を水と先ほどご紹介した味の決め手のBUMB(ブンブ)、レモングラスを追加して、低温でじっくりと水分がなくなるまで煮込みます。
仕上げに残ったブンブを、鶏もも肉が隠れるほどたっぷりとかけるのが特徴です。副菜には、蒸し野菜をココナッツで和えたURAB(ウラブ)が添えられ、シャキシャキとした葉野菜や根菜の食感が、まろやかな鶏料理を引き立てます。

低温でじっくりと煮込まれた鶏もも肉は、ナイフを入れるとホロホロと崩れるほどやわらか。
鶏肉とともに煮込んだBUMB(ブンブ)が、ハーブやスパイスの香りに加え、鶏肉からにじみ出た旨味を引き立て、18種類のハーブやスパイスの繊細で豊かな風味を生み出しています。

BUMB(ブンブ)で仕上げたハーブとスパイスの香り高い味わいにプラスして、もう一つの味の決めてである辛味調整役の赤いSAMBAL(サンバル)を添えると、ツンと電気が走るような刺激的な辛さが加わります。BUMB(ブンブ)の繊細さを一変させ、アクセントが生まれました。
辛いのが苦手な人にもおススメ、ヴィーガン対応「BALI NOON BALI MOON(バリヌーン バリムーン)」のグリーンカレー

「BALI NOON BALI MOON(バリヌーン バリムーン)」のグリーンカレーは、一般的なタイのグリーンカレーとは異なり、辛さを控えめにし、動物性食品を一切使用していないことが特徴です。
辛いものが苦手な方や野菜中心の食事を好む方のために、ワヤン・プルワシェフがいちからグリーンカレーペーストを手作り。辛さを楽しみたいときは、赤い SAMBAL(サンバル)を添えて自由に調整できるのがいいですね。
カレーのなかには食べ応えのあるブロッコリーや茄子がごろりと入り、豆類は口のなかでほろりとほどけます。野菜それぞれの食感と自然な甘みがまろやかなグリーンカレーに溶け合い、心も体も満たされるやさしい味わいに仕上がっています。
デザートメニューもすべて手作り。「BALI NOON BALI MOON(バリヌーン バリムーン)」こだわりのバスクチーズケーキ

スパイスとハーブを自在に操るだけでなく、デザート作りも得意なシェフが腕をふるう自慢の一皿が「バスクチーズケーキアイス添え」。バスクチーズケーキと手作りのバニラアイスクリームの組み合わせです。
バスクチーズケーキは、表面をこんがりと焼き上げ艶やかに仕上げられ、カラメルのようなほろ苦さと、なめらかな口あたりのコントラストがたまりません!クリームチーズの濃厚な風味とコク、そしてクリーミーな味わいが口いっぱいに広がります。
バニラアイスクリームは、周りに散りばめられたスライスアーモンドと一緒に味わうことで、パリパリとした食感とまろやかさが重なり、最後の一口まで楽しめます。
バリの伝統と誇りを胸に日々キッチンに立つシェフたちのお店

幼い頃から料理に親しみ、バリの伝統のなかで祖父から学んだシェフ。
スパイスの効能を見極め、食材をどう組み合わせれば引き立つのかを知り、素材に真摯に向き合う姿勢を受け継いできました。さらにフレンチの世界で腕を磨き、バリの「伝統」とフレンチの「創造性」を重ね合わせた一皿を生み出しています。
その根幹にあるのが、“a harmonious blend of natural gifts. That we call for bumbu combination.”という言葉。
大地の恵みを一つひとつ、響き合わせたもの。それを“ブンブ”と呼んでいます。(訳・フードライター山内朝美)
バリでは、スパイスやハーブを知り尽くした人は敬意をもって迎えられます。単なる技術ではなく、自然と向き合い、恵みに感謝し、命を味わう知恵そのもの。シェフは知恵を受け継ぎ、一皿一皿に込めることで、食べる人の心と体にまで響かせています。
「BALI NOON BALI MOON(バリヌーン バリムーン)」では現在、バリ出身の6人のシェフが定番の味わいから季節の特別メニュー、祭事に合わせた料理まで、幅広くバリの食文化を届けています。
沖縄にいながら本場バリの味と香りを堪能できる「BALI NOON BALI MOON(バリヌーン バリムーン)」。心も体も満たされるひとときを、ぜひ体験してみませんか?
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