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島の素材×カカオスイーツ!本場バルセロナで修行をした店主のこだわりと技が光る「SANGO Bakes and Chocolate」(北中城村)
2025年9月25日、北中城村仲順(ちゅんじゅん)に「SANGO Bakes and Chocolate」がオープンしました。
店名のSANGO(さんご)と聞くと沖縄の珊瑚を思い浮かべてしまいますが、実はご夫婦の苗字・山後(さんご)からとった名前。さらに店主の名前は山後 翔(さんご しょう)さん。名前の響きと珊瑚礁が偶然重なり、思わずクスッと笑みがこぼれますね。
店主の山後さんは、洋菓子界では有名な代々続く老舗の洋菓子屋で生まれ育ち、バルセロナでショコラティエとして修行を積みました。奥さまの静音さんは県外の雑誌でも紹介された、焼き菓子作りに定評のある方です。
二人が営む「SANGO Bakes and Chocolate」では、チョコレートと焼き菓子の工房として、夫婦それぞれの得意分野をいかし、カカオを中心としたスイーツを届けています。
目次
スイーツ好き必見!「SANGO Bakes and Chocolate」の濃厚なガナッシュサンドイッチ
カカオの深い香りがふわっと広がる100%植物性のガナッシュサンド。
店主・山後さんの手作りチョコレートはなめらかでコクがあり、奥さま・静音さんが材料を綿密に配合したサクサクのクッキー生地と絶妙にマッチします。
カカオニブのほのかな苦みがアクセントになり、口のなかでカカオの魅力を感じる大人気の商品です。
半分に切ってみると、チョコレートの濃厚さとクッキー生地のサクサク感が伝わってきます。
クッキー生地にはオーツ粉とアーモンドプードルを使用。油脂は米油とオリーブオイルを選び、甘みには甜菜糖を加え、仕上げに浜比嘉の塩を入れて風味を引き立てています。
チョコレートはガーナ産カカオ70%をベースに、有機オーツ麦粉、本和香糖(沖縄産サトウキビ)、MCTオイル、豆乳クリームを合わせています。
ハイカカオでありながらも、豆乳クリームと本和香糖のまろやかさが口のなかでなめらかに広がっていきます。
サクホロと崩れるクッキー生地は、チョコレートとの相性がよく口のなかで見事に重なります。「おいしいからもうひと口」と思える一品です。
「SANGO Bakes and Chocolate」の店内外の様子
店舗のまわりには南国を思わせる緑や白い砂浜が広がり、空の青と砂の白のコントラストが目の前に広がると心がすっとほぐれていくような感覚になります。
店内は、木目と白を基調にした落ち着いた雰囲気。ソファ席とテーブル席があり、お子さま連れでも、お一人さまでも、ゆっくりと過ごせます。
心地よい空間で、チョコレートや焼き菓子の時間をじっくり楽しめそうですね♪
カウンターには焼き菓子とチョコレート商品が一列にならんでいます。スイーツ好きにはたまらない「どれにしようかな~」と迷う楽しい時間が待っていますよ!
「SANGO Bakes and Chocolate」の技が光る、しっとり濃厚ムーンチョコレートケーキ
ムーンチョコレートケーキは、テイクアウトも可能です。
テイクアウトの場合はトッピングの豆乳ホイップと有機ピカンナッツは抜きで税込580円、イートインにすると写真のように豆乳ホイップと有機ピカンナッツが付いて税込680円になります。
ケーキ生地には、奥さまのこだわりと技がぎゅっと詰まっています。
熊本県産の米粉、沖縄産サトウキビから作られた本和香糖、米油、MCTオイル、大豆粉、ココアパウダー、アーモンドプードルに浜比嘉の塩。しっとりとした生地は、口に入れるとふわふわとほどけ、やさしい甘さが全体を包み込みます。
一口ごとに素材の味わいとチョコレートの深みを楽しめる、贅沢なケーキです。
半分に切ってまず驚くのは、ケーキ生地と豆乳ホイップの間にひそむ、店主・山後さんの熟練のカカオ70%トリュフ。甘さ控えめのトリュフがキュッと輪郭をつくり、軽やかな甘さのチョコレート生地が全体をやさしく包み込みます。
トップの豆乳ホイップが、ふんわりとしたぬけ感のある口どけを添えてくれて、一口ごとに異なる食感と味わいが楽しめます。
一つのケーキのなかで、軽やかさ、しっとり感、カカオの存在感が絶妙に重なり合い、食べ進める手が止まらなくなるおいしさです!
本場バルセロナで修行をした店主のセンスが光る「SANGO Bakes and Chocolate」のチョコレート
バルセロナでの修行で磨かれた店主の技が光る、「SANGO Bakes and Chocolate」のチョコレート。ガーナ産カカオ70%に、有機ドライマンゴー、有機パンプキンシード、スコッチボネット(ジャマイカ産唐辛子)、浜比嘉の塩を加えて仕上げています。
一枚のチョコレートのなかに詰まった4つの素材が、口のなかで順番に顔を出します。
最初にドライマンゴーの爽やかな酸味が広がります。続いて、ハイカカオの深い香りとチョコレートらしいコク。さらに、パンプキンシードのまろやかな風味が寄り添います。最後に、スコッチボネットのピリッとした刺激が余韻として舌に残ります。
酸味と辛味が交差する絶妙なバランスが楽しく、ひと口ごとに驚きと幸福感を届ける一枚です。
おいしいチョコレートになる決め手「テンパリング」という工程、のぞいてみませんか?
実は私・フードライター山内朝美はチョコレートマイスターの資格も持っているんです。
みなさん、「テンパリング」をご存知でしょうか。チョコレート作りには欠かせない大事な工程のひとつです。
チョコレートの主成分、カカオバターは、実はなかでいくつもの結晶を作っています。結晶をきれいで安定した状態に整えてあげるのがテンパリング。テンパリングのひと手間があるだけで、チョコはつややかに輝き、口に入れた瞬間パリッとして、なめらかに溶けていくんです。
ちょっとした作業ですが、チョコレートを食べるときの幸せや感動をぐっと引き上げてくれる魔法のような工程。「チョコってただ溶かして固めてるだけじゃないんだ」と思ってもらえたらうれしいです。
では「SANGO Bakes and Chocolate」のテンパリングを見てみましょう!
刻んだチョコレートを、ゆっくりとていねいに加熱して溶かしていきます。温度が上がったら、次は冷やす工程に入ります。
ここからが、「SANGO Bakes and Chocolate」の店主・山後さんの腕の見せどころ。温度調整や混ぜ方ひとつでチョコの表情が変わる、大事な瞬間です。
手仕事の繊細さがそのまま味や口どけに反映されると思うと、見ているだけでもワクワクしてきます。
なんと、カウンターだと思っていた場所が、実はテンパリングの舞台でした。店主・山後さんに話を聞くと、御影石でできた台の上で、機械を使わず手作業によるマーブルテンパリングを行っているとのこと。チョコレートを台に流していきます。
温めたチョコレートを、ヘラで大きく広げながら温度を下げていきます。広げるスピードと冷めるスピードのバランスを見極め、粘り具合や艶感を確認して、ベストな状態に仕上げる、まさに熟練の技!
また、このタイミングこそ、バルセロナでの修行で培った腕前が輝く瞬間でもあります。
「SANGO Bakes and Chocolate」のチョコレートは、機械ではなく、手作業で一枚一枚仕上げられています。「SANGO Bakes and Chocolate」でしか出せない、唯一無二のチョコレートといえるでしょう。
想像してみてください。口に入れた瞬間に広がる香りと味わい。「SANGO Bakes and Chocolate」のチョコレート、味わってみたくなりませんか?
いまいる場所で感じること、やりたいこと、ありのままに身を任せていく生き方
お菓子のなかでも「チョコレート」に情熱を注ぐ店主・山後さん。理科の実験が好きな性格を活かし、お菓子作りでも綿密に構想を練る奥さまの静音さん。お二人で、楽しく納得のいくものを完成させています。
取材時に、「自分たちが食べたいもの、自分たちが好きなものを作っています」と話してくださいました。
流行や時代に左右されることなく、「好き」を形にしたいという純粋な想いと、お菓子作りそのものを心から楽しむ気持ち。「好き」を活かすために、日々の暮らしで起きるさまざまな状況や気持ちを受け入れ、身を任せる柔軟さが、お店全体の空気感として表れている感じがしました。
店主・山後さんのチョコレート作りがはじまると、「まだ~」と完成を心待ちにする静音さん。チョコレートだけでも十分おいしいのに静音さんの焼菓子の技がチョコレートとぴたりと重なり、試食して「おいしー!うまいじゃん!」と声が出る瞬間が日常のなかに流れています。
「SANGO Bakes and Chocolate」は、お菓子作りだけでなく、二人の生き方や考え方までも感じられる場所。丘の上で吹く心地よい風とあたたかい太陽の陽射しのなか、ゆったりと身を任せながら、ここでしか味わえないスイーツを楽しんでみたくなりませんか?
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