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フードライター山内朝美(OFNE)

フードライター山内朝美(OFNE)

完全無農薬ソロモン諸島産カカオ豆を使ったスイーツやドリンクが楽しめる「peace cacao okinawa(ピースカカオ沖縄)」(糸満市)

完全無農薬ソロモン諸島産カカオ豆を使ったスイーツやドリンクが楽しめる「peace cacao okinawa(ピースカカオ沖縄)」(糸満市)

沖縄本島最南端・糸満市にある公設市場「糸満市場いとま〜る」。
いとま~るの一角に店を構えるのが「peace cacao okinawa(ピースカカオ沖縄)」です。日本ではほとんど流通していない、完全無農薬のソロモン諸島産カカオを扱うカカオ豆専門店で、稀少なカカオとの出会いを叶えてくれます。

取り扱っているカカオは、オーストラリアの北東に連なる小さな島々からなるソロモン諸島で育てられています。
ソロモン諸島は、赤道を中心に広がる北緯20度〜南緯20度の “カカオベルト” に位置し、世界でも高品質なカカオが生まれる地域として知られています。しかし、日本に輸入されているカカオ豆のおよそ4分の3がガーナ産であるなか、ソロモン諸島産はほとんど流通していません。

ソロモン諸島の稀少なカカオが、海を渡り糸満のまちで味わえるってワクワクしませんか?

目次

人気No.1「peace cacao okinawa(ピースカカオ沖縄)」の濃厚カカオソフト

完全無農薬ソロモン諸島産カカオ豆を使ったスイーツやドリンクが楽しめる「peace cacao okinawa(ピースカカオ沖縄)」(糸満市)
カカオソフトSサイズ(税込500円)

「peace cacao okinawa(ピースカカオ沖縄)」で不動の人気を誇るカカオソフトクリーム。サイズはSとMで、それぞれ税込500円・税込600円。完全無農薬のソロモン諸島産カカオ豆をふんだんに使用し、濃厚に仕上げた一品です。

ハイカカオでありながら、渋みや苦さよりもなめらかな口どけが先に広がり、あとからふわっとカカオの豊かな香りと奥行きのあるコクが訪れます。
濃厚でありながら後味はすっきり。ハイカカオならではの贅沢な味わいを、ぜひ最後の一口まで楽しんでほしい一品です。

仕上げにトッピングされたカカオニブが、カリッとした絶妙なアクセントに。ソフトクリームのやさしい甘さのなかで、香ばしさとほろ苦さが弾け、思わずもう一口と手が伸びてしまいます。
食べている途中から「もっと食べたい!あともう一つ買おう!」と思わず心が動くほどの魅力でした。

完全無農薬ソロモン諸島産カカオ豆を使ったスイーツやドリンクが楽しめる「peace cacao okinawa(ピースカカオ沖縄)」(糸満市)

カカオソフトクリームの底には玄米フレークが入っていて、やわらかなソフトクリームを食べ終える頃に、玄米フレークのザクザクした食感がプラスされ、最後のひと口まで飽きずに楽しめます。

溶けて染み込んだソフトクリームと玄米フレークが合わさると、まるでカカオミルクのグラノーラ。一口目から最後の一口まで、味も食感も表情を変え続ける、満足度の高い一杯です。

完全無農薬ソロモン諸島産カカオ豆を使ったスイーツやドリンクが楽しめる「peace cacao okinawa(ピースカカオ沖縄)」(糸満市)

製作過程をちょっとだけのぞいてみましょう。先ほどの玄米フレークの上に、ハイカカオソフトクリームが山をつくりはじめます。
ゆるやかな渦を描きながら積み上がっていく濃厚なソフトクリームは、見ているだけでうっとりしてしまうほど。

完全無農薬ソロモン諸島産カカオ豆を使ったスイーツやドリンクが楽しめる「peace cacao okinawa(ピースカカオ沖縄)」(糸満市)

仕上げにカカオニブをかけて完成です!

私たちがいつもなにげなく食べているなめらかなチョコレートの原料であるカカオそのものの味も堪能できるカカオソフトクリーム。甘さ控えめでありながら奥深い香りとコクが広がり、一口ごとにカカオの魅力を感じられます。

「peace cacao okinawa(ピースカカオ沖縄)」の外観

完全無農薬ソロモン諸島産カカオ豆を使ったスイーツやドリンクが楽しめる「peace cacao okinawa(ピースカカオ沖縄)」(糸満市)

いとま〜るの入り口横にある小さなお店。目印は「カカオ豆専門店」と書かれたのれんと、OPENの看板がかかったソフトクリームの置きものです。
椅子とテーブルが一体になったスペースには、ソロモン諸島から代表・伊藤健治さんが連れてきた守り神「ヌズヌズ」が置かれ、訪れる人をやさしく迎えています。
とても小さなお店なのでとおり過ぎないでね!

「peace cacao okinawa(ピースカカオ沖縄)」のメニュー

完全無農薬ソロモン諸島産カカオ豆を使ったスイーツやドリンクが楽しめる「peace cacao okinawa(ピースカカオ沖縄)」(糸満市)
メニュー表(日・英)

「peace cacao okinawa(ピースカカオ沖縄)」には、カカオの奥深さに目覚めてしまう人も少なくありません。

看板メニューは、圧倒的な人気を誇るカカオソフトクリーム。凝縮したカカオの香り、ほのかな甘さ、チョコレートの原料であるカカオニブのカリッとした食感に惚れ込み、ソフトクリームをきっかけにカカオニブだけを買って帰る人もいるそうです。

完全無農薬ソロモン諸島産カカオ豆を使ったスイーツやドリンクが楽しめる「peace cacao okinawa(ピースカカオ沖縄)」(糸満市)
セットメニュー(税込1,000円)

店内では、ソフトクリーム(Sサイズ)・ドリンク・日替わりスナックを一度に楽しめるセットメニューをはじめ、カカオを使ったドリンクやオーガニックコーヒーも提供しています。

フードメニューをきっかけに、カカオの生豆やカカオニブ、カカオティーの原料となるカカオハスク(カカオ豆の皮)に興味を持つ人も多く、自宅でもカカオの魅力を楽しめるようカカオ素材も販売しています。

一粒、一杯、一皿から広がっていく“カカオの世界”の扉を開くきっかけが、揃っていますよ。

「peace cacao okinawa(ピースカカオ沖縄)」の手作りお菓子3選とカカオティー

完全無農薬ソロモン諸島産カカオ豆を使ったスイーツやドリンクが楽しめる「peace cacao okinawa(ピースカカオ沖縄)」(糸満市)
まるごと黒糖カカオ(税込500円)

ソロモン諸島(島)×沖縄(島)の食材コラボ商品、「まるごと黒糖カカオ」。カカオ豆を焙煎し、皮つきのままカリッとした食感を残しつつ、豆のまわりを沖縄県産の黒糖でからめたもの。

砂糖や牛乳、油などを加えず、素材そのもののおいしさを生かしているのもこだわりのポイント。カカオ豆だけだとカカオ100%の状態のため、苦みや渋みが感じられます。そこに黒糖をまとわせることで、粗めの黒糖のザラッとした食感、カカオのガリッとした歯ざわりがほどよく重なり、苦味と甘みのバランスが絶妙に仕上がっています。

一度食べるとつい手が止まらなくなる味わいで、リピーターが続出。ときには大量注文が入る人気商品です。

完全無農薬ソロモン諸島産カカオ豆を使ったスイーツやドリンクが楽しめる「peace cacao okinawa(ピースカカオ沖縄)」(糸満市)
左・カカオちんすこう5個セット(税込550円) 右・カカオクッキー(税込250円)

オートミール、米粉、米油、きび糖、そしてカカオニブを使って焼き上げた「カカオちんすこう」。カカオちんすこうと聞いて勘違いしてほしくないのは、チョコレート味ではなく、サクサクほろほろの生地のなかに、カリッと弾けるカカオニブがアクセント。ふわっと鼻から抜けていくカカオの香りをしっかり楽しめる一品です。

ひとつまみパクッと口に入れれば、ガリガリと響くカカオニブの音、米粉とオートミールでできた生地の軽やかな食感、きび糖のやさしい甘さが重なり合い、つい手が伸びてしまいます。

次に紹介したいのが、米粉、オートミール、米油、無調整豆乳、きび糖、カカオニブ、くるみ、アーモンド、カシューナッツ、ココナッツファイン、塩を使った厚みのある「カカオクッキー」。先ほどのカカオちんすこうに比べ、生地がしっかりとしていて食べ応えがあります。ほんのりとした甘さのなかに感じるナッツの香ばしさ、カカオニブのガリッとした食感とほろ苦さが重なり、噛むほどに奥行きある味わいが広がります。

ひと口目は“香ばしさ”、二口目は“カカオの余韻”、後を引くおいしさです!

完全無農薬ソロモン諸島産カカオ豆を使ったスイーツやドリンクが楽しめる「peace cacao okinawa(ピースカカオ沖縄)」(糸満市)
カカオティー(税込450円)

カカオティーをご存じでしょうか。
焙煎したカカオ豆の皮(カカオハスク)から作られるお茶で、チョコレートのような甘さはなく、カカオの芳醇な香りがふわりと漂い、後味はすっきりと軽やかに抜けていきます。

本来であれば、チョコレート製造には使えず捨てられてしまうカカオ豆の皮(カカオハスク)。カカオハスクを再利用し、お茶として新たな価値を生み出しているのがカカオティーです。

さらに、カカオポリフェノールを豊富に含んでいるのも大きな魅力。気軽に楽しめる、飲むカカオとして、いま注目を集めています。

「いまいる場所と資源」できることを信じて。カカオが生んだ自立と循環

完全無農薬ソロモン諸島産カカオ豆を使ったスイーツやドリンクが楽しめる「peace cacao okinawa(ピースカカオ沖縄)」(糸満市)
ソロモン諸島の現地の人々の写真・守り神ヌズヌズの置物など

「peace cacao okinawa(ピースカカオ沖縄)」は、南太平洋のソロモン諸島で活動するNGOパシフィックガーデンの一つのプロジェクトから生まれました。

代表・伊藤健治さんは、20代でソロモン諸島へ赴き、現地の文化や歴史を映像に残すボランティアを2年半経験し帰国しましたが、民族紛争の報せに胸を痛め、会社を辞めて再び現地へ向かいます。
現地では、島の課題や格差を目の当たりにしながらも、手つかずの土地で育つ作物に希望を見いだしました。そして農業の研修や学びをとおして、「いまある資源で暮らしを育む仕組み」を考え、職業訓練校や農的学び、交流の場づくりへと活動を広げます。

伊藤さんはいまでもソロモン諸島を訪れ、地域の人々が自分たちの力で暮らしを紡ぎ、未来を育む支援を続けています。

完全無農薬ソロモン諸島産カカオ豆を使ったスイーツやドリンクが楽しめる「peace cacao okinawa(ピースカカオ沖縄)」(糸満市)
ソロモン諸島の新聞にも活動が掲載

ソロモン諸島の地方紙(写真・左)には、パシフィックガーデンがはじめて日本へソロモン諸島産カカオ豆を輸入した日が紹介されました。さらに、カカオ豆を無駄なく使い、ソフトクリームや新しい商品を地域の人たちと意見を交わしながら生み出す取組み(写真・右)も、島の人々にしっかり届いています。

特別な訓練や技術、力や権力を持たなくても、「いまいる場所で、いまある資源を活かす」という信念で動く人たちが集まると、海を越えて生活を豊かにし続けられる。
いまある資源を最大限に活かすという考え方には、身近にある素材だけでなく、そこにいる人そのものの存在や個性まで、大切な資源として受けとめる姿勢が根付いています。

伊藤さんやスタッフのみなさんの話を聞いて、胸が熱くなりました。

海の向こうで育ったカカオは、海風の残る港町・糸満へ届き、やがて一杯のドリンクや一粒のチョコレートとなって手のひらへ渡ります。
カカオ一粒に宿る可能性、人と人が引き出す可能性、海でつながる島と島の絆。
「peace cacao okinawa(ピースカカオ沖縄)」で、この温かな循環の輪に加わってみませんか?

Information

完全無農薬ソロモン諸島産カカオ豆を使ったスイーツやドリンクが楽しめる「peace cacao okinawa(ピースカカオ沖縄)」(糸満市)
peace cacao okinawa(ピースカカオ沖縄)
住所
〒901-0361
沖縄県糸満市糸満989-83 E5
営業時間
12時~17時(L.O.16時30分)
定休日
火曜日・水曜日(不定休あり)
駐車場
有(糸満市場いとま~る駐車場。1時間無料)
クレジットカード・電子マネーの利用
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