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世界大会4位のバリスタが淹れるコーヒーの世界。訪れるたび、新しい一杯と出会える「.uki(うき)」(宜野湾市)
朝のはじまりを、一杯のコーヒーとともに迎える人は多いはずです。いまこの瞬間も、コーヒーを片手にOKITIVEの記事を読んでいる人もいるのでは。
数え切れないほどのコーヒーショップがあるなかで、すでに“お気に入りの一杯”を持つ人にも、新しい出会いを求めている人にもうれしい店が、2025年5月にOPENしました。
店主である新田博章さんは、コーヒーの味を正確かつ迅速に判別する「カッピング」の技術を競う競技会で日本大会1位、世界大会4位の実績を持つバリスタです。
お店がOPENした5月は沖縄が雨季(うき)を迎える頃。雨に包まれた空気のなかで飲むコーヒーは、不思議と心を落ち着かせてくれます。
気持ちの浮き(うき)沈みにそっと寄り添い、日々のリズムを整えてくれるような不思議な力を持つコーヒー。「うき」という言葉に重なるいろいろなイメージが、ふわりと思い浮かびませんか?
「うき」の響きを店名に込めたコーヒーショップ「.uki(うき)」を今回はご紹介します!
目次
コーヒーのイメージが変わるかも!深煎りと浅煎りを「.uki(うき)」で味わってみて。
私・フードライター山内朝美は“深煎り派”です。理由はとても単純で、沖縄市のとある珈琲屋さんで飲んだアイスコーヒーがきっかけでした。
ひと口飲んだ瞬間に走った「苦すぎる!」衝撃と同時に珈琲の世界が一気に広がった体験。ガツンと重厚で奥行きがあり、いわゆる“にが〜い”味わいへの憧れは、いまも変わらず続いています。
今回の取材では、店主・新田さんに深煎り好きを伝え、「.ukiブレンド(深煎り)」を選んでもらいました。
コーヒーショップに足を運ぶたび、棚にならぶ豆の種類に迷ってしまう経験を持つ人は多いはずです。選択肢が多いほど楽しさが広がる半面、自分好みの一杯に辿りつくまでの戸惑いも生まれます。
「.uki」は、味の好みや気分を伝えるだけで、一緒に最適な一杯を探してくれるていねいな接客が強みです。
コーヒーの知識がなくても、新しい味に挑戦したい気持ちがあれば十分。訪れるたび、新しい一杯と出会える頼もしさがあります。
「.ukiブレンド(深煎り)」が、ゆっくりと抽出されていく様子を目の前で眺めながら、店主・新田さんとの世間話が続きました。軽やかな会話が流れながら、サーバーのなかには深い色合いが静かに広がっていきます。店内には心をほどくような香ばしさが満ち、仕上がりを待つ時間が自然と“ウキウキ”に変わりました。
淹れたての一杯を口に含んだ瞬間、驚きました。「飲みやすい!おいしい!」と心のなかでつぶやいてしまうほど、すーっと身体に馴染む感覚が広がります。
深煎りが好きな私でも、重さから飲み疲れしてしまう場面は少なくありません。けれど、店主・新田さんが抽出した一杯は、しっかりした苦味を備えながらも、まろやかな口あたりとやさしい甘さ、重さを感じさせません。深煎りらしさをそのまま残しつつ、柔らかさを持った味わいでした。
「苦いコーヒーが得意ではない」人でも、思わず飲み進めてしまいそうな印象があります。美しいバランスが整った仕上がりで、抽出技術が際立つ一杯でした。
次にいただいたのは、「ニカラグア(浅煎り)」。浅煎り初心者や、強い苦味が得意ではない人に向けた一杯としてよくおすすめするのだとか。
抽出の話題になった際、店主・新田さんが一言「抽出時は温度を使いわけてバランスを整えています」。詳しくうかがうと、お湯の温度がわずかに変わるだけで、コーヒーの表情は大きく変化するとのこと。
高めの温度を使えば風味が力強く前に出て、低めの温度を使えば丸みが生まれる。新田さんは、温度の塩梅を見極めながら、一杯として最も美しいバランスに導く工程に集中していました。
今回いただいたニカラグアは、ホットで注文。抽出時の温度に対するこだわりが、飲み心地からも伝わってきました。
ホットコーヒーを受け取った直後に「あっつ!熱っ!」と、しばらく冷めるのを待つことも多いですが、新田さんが淹れた一杯は最初の一口から口に運べる最適な温度。気づけば最後の一滴まで飲み切っていて、「もう一杯いけそう」と思わされるほどでした。温度まで含めて味わいが完成していると実感できる体験でした。
ひとつ覚えておきたい点があります。浅煎り=酸味(酸っぱい味)と直結するわけではありません。
コーヒー豆の原料は赤い果実。浅煎りで抽出された液体は、深煎りと比べて色味が紅茶に近く、味わいも強い苦味に寄るタイプではありません。果実として持つ個性や、繊細に広がるニュアンスをくっきり浮かび上がらせる焙煎方法が浅煎りだといわれています。
つまり、際立つのは酸味ではなく“果実味”。浅煎りは深煎りとはまったく異なる方向で、豆の魅力を際立たせるといえるでしょう。
読者のみなさんの好みは深煎りでしょうか、それとも浅煎りでしょうか。どちらを選んでも「え!?こんなに飲みやすいんだ」と驚く体験が待っているかもしれません。
「.uki(うき)」の店内外の様子
「.uki」へ向かう際は、近くに掲げられた米や松倉の看板(写真左下)を目印にするとスムーズに到着できます。
米や松倉の看板が視界に入ったら、視線を右上へ。白地に「COFFEE SHOP」と記された看板が見えます。その白い看板の場所が、「.uki」です。
実は、「.uki」の店舗は店主・新田さんの実家の一室を改装したもの。かつて暮らしていた自分の部屋を整え、現在の営業スペースとして活用しています。
取材中に語っていた「暮らしの一部にコーヒーがあってほしい」という思いは、生活の延長にある空間づくりにも表れているように感じました。子ども時代を過ごした部屋が、いまは訪れる人の日常に寄り添う場所になっているって素敵ですね。
店内にはL字型のカウンターがあり、抽出に使うマシンやコーヒー豆がならんでいます。カウンターの向こうでドリップに向き合う姿を眺めたり、コーヒーの話題や世間話を楽しむのもいいかもしれないですね。
「.uki(うき)」のメニュー
「コーヒーの味で勝負したい。おいしいといってもらえれば何よりうれしい」と店主・新田さん。
メニューはシンプルに構成され、ドリップコーヒー、アメリカーノ、ラテ、エスプレッソでコーヒー本来の味わいを存分に楽しめます。子ども向けにはジュースとミルクも用意され、幅広い客層が心地よく過ごせる空間です。
2025年12月時点で「.uki」が用意しているコーヒー豆は全部で6種類です。左から順に、華やかでさっぱりしたエチオピア(浅煎り)、ほんのり香ばしく果実味が広がるニカラグア(浅煎り)、酸味がやわらかで明るいエルサルバドル(浅煎り)。
さらに、チョコやカカオの風味とフルーティーさが特徴のデカフェ(中煎り)、ビターでハーブやスパイスの余韻が楽しめるインドネシア(深煎り)。最後にビターで香ばしくフルーティーな.ukiブレンド(深煎り)です。
ブレンド以外の豆はすべてスペシャルティコーヒーで、さまざまな生産国の豆を揃え、それぞれの個性を生かしながら、より多くの人に「おいしい」と感じられる味をめざしています。
※スペシャルティコーヒーとは?
「日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ)による定義(一部抜粋)」
生産国においての栽培管理、収穫、生産処理、選別そして品質管理が適正になされ、欠点豆の混入が極めて少ない生豆であること。そして、適切な輸送と保管により、劣化のない状態で焙煎されて、欠点豆の混入が見られない焙煎豆であること。さらに、適切な抽出がなされ、カップに生産地の特徴的な素晴らしい風味特性が表現されることが求められる。
店内ではコーヒー豆の販売も行われており、自宅でも「.uki」の味わいを楽しめます。淹れたての香りや風味を、自宅の時間に取り入れられるのはうれしい体験になりますね♪
出勤前の一杯にも。「.uki(うき)」のエスプレッソではじまる一日はいかが?
エスプレッソも味わいました。コーヒーの旨味がぎゅっと凝縮された濃い一杯です。
「エスプレッソの語源を知っていますか?」と店主・新田さんがふと一言。エスプレッソとは、イタリア語で「急行」や「急速な」を意味する「espresso」に由来し、短時間で抽出される工程や、一気に飲み干してしまう様子を表しているといいます。
主に海外の方に人気だというエスプレッソは、出勤前の一杯として一日をはじめる地元客も多いといいます。口に含んだ瞬間、苦味がガツンと力強く落ちてくる感覚が広がります。
少量のなかに旨味も液体になるまでのプロセスもぎゅっと凝縮され、風味の濃さと香りの深さを一度に体験できる、極上の一杯だと感じました。
カフェラテはアイスでオーツミルク(+100円)に変更して税込750円。数あるオーツミルクのなかから店主・新田さんの納得のいくオーツミルクを選んでいます。
オーツミルクとコーヒーの組み合わせは驚くほど相性がよく、まろやかさと香ばしさが絶妙に調和します。コーヒーやエスプレッソに挑戦するのが少し勇気のいる人でも、ラテならコーヒーと牛乳、もしくはオーツミルクの甘さとまろやかさがうまく溶け合い飲みやすく、楽しめますよ!
世界で認められた実力の裏にあるのはコーヒーへの真摯な向き合い方
店主・新田さんのこれまでの経歴をうかがうと、コーヒーと真摯に向き合ってきた人生が浮かび上がります。県内の大学を卒業後、兵庫県へ渡ると、ふらりと入った店で飲んだコーヒーのおいしさに気づきます。さらに、上司に連れられて訪れた別のお店で飲んだエチオピア(浅煎り)が、これまでの価値観を覆す味わいで、「これがコーヒー?」と驚かされたそうです。
この体験をきっかけに「おいしいとは何か」を考えはじめ、コーヒーの世界にのめりこんでいった新田さん。「おいしさ」を求めながらコーヒーと歩む日々が始まりました。
神戸の老舗コーヒー店で5年間、さらに沖縄のコーヒー屋さんでも5年間、技術を磨き続けました。「おいしい一杯」を追求する姿勢は挑戦へとつながり、Japan Hand Drip Championship2019で第7位、Japan Cup Tasters Championship2019で第2位、2024年には同大会で第1位を獲得。さらに2025年のWorld Cup Tasters Championshipでは世界第4位という輝かしい成績を収めています。
新田さんの歩みは、決して結果だけを追いかけるものではありません。コーヒーと真摯に向き合い、おいしさを探し続ける日々の積み重ねのなかに、日本大会1位や世界大会4位という実績がついてきたように感じます。
国内外から声がかかるほど多忙な日々のなかでも、新田さんの新しい挑戦への意欲が尽きる気配はありません。
コーヒーとおいしさと向き合う日々から生まれた店主・新田さんが生み出す一杯を体験してみませんか?コーヒーの世界観の入り口になるかもしれません。
Information
- .uki(うき)
- 住所
- 〒901-2223
沖縄県宜野湾市大山2丁目13−12 - 営業時間
- 7時~17時(L.O.17時)
- 定休日
- 不定休(最新情報はInstagramを確認してください。)
- 駐車場
- 有
- クレジットカード・電子マネーの利用
- 可(楽天Edyは使用不可)
- SNSのリンク
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