カフェ,グルメ,北谷町,地域,本島中部
海外から訪れる人も!すべて植物性のチキンオーバーライスとコーヒーが日常に寄り添う「ROTTON COFFEE and CREATIVE」(北谷町)
北谷町浜川にある「ROTTON COFFEE and CREATIVE(ロットン コーヒー アンド クリエイティブ)」(以下、ROTTON)は、2018年9月に虹色のキッチンカーからスタートした知る人ぞ知るお店。2021年3月、現在の場所に店舗をめでたくOPENしました。
キッチンカー時代から通い続けるファンに加え、「ROTTON」を目的に海外から訪れる人も。最近では、ワーキングホリデーの滞在先として数か月間働きたいと志願する海外の人も現れ、国境を越えてじわじわと注目を集めています。
今回は、ボーダレスな「ROTTON」で朝8時から楽しい時間を過ごしてきたのでご紹介します♪
目次
「ROTTON COFFEE and CREATIVE」のボリューム満点チキンオーバーライス
「ROTTON」おすすめのチキンオーバーライス(税込1000円)に、トッピングでファラフェル(1個・税込150円)をお願いしました。
名前にチキンとついていますが、使われているものはすべて植物性。しかし、ひとまず植物性か動物性かは置いておいて、目の前に運ばれてきた一皿は、思わず「わー食べたーい!」と声が出そうになる見栄え。見た目だけで、期待がぐっと高まります!
国産米をスパイスで味付けし、オニオンスライスとオニオンチップを重ね、お米の上には1〜2時間かけて仕込んだチキンという名のソイミートが山のように盛り付けられます。
仕上げに、豆乳ベースの自家製マヨネーズと自家製スパイスソースをたっぷりとかけ、沖縄県産のトマトとパプリカで彩りを添えて完成です。
ひと口目を想像しながら、スプーンですくいあげるとまず、スパイスの香りがふわりと立ちのぼります。
ソイミートは想像以上にやわらか。しっかりとした味付けで、ひと口目からきちんと満足感があります。
さらに、スパイスソースの奥行きのある辛みをやさしく包み込むのは、豆乳ベースのまろやかなマヨネーズ。そこへオニオンの甘みと食感が重なれば、ひと口ごとに味わいの層が増していく感覚を味わえるはず!
ボリュームはたっぷりなのに、食後の胃の膨張感やもたれを感じない理由は、”油”にあります。遺伝子組み換えでない北海道産なたね油は、油特有のにおいがなく、素材の味を引き出すやさしい油。
「あんしんできる素材を」という、食べる人を思う「ROTTON」の細やかなこだわりは調理に使用する油にも込められています。
今回おすすめしていただいたチキンオーバーライスは、植物性であることを忘れてしまうほど、ただ純粋に「おいしい」と感じる一皿でした。こだわりを声高に語らずとも、味で伝える。それが「ROTTON」の魅力です。
「ROTTON COFFEE and CREATIVE」の音楽とアートに包まれる空間
木目の床と外から差し込む自然光。壁にはレコードや楽器、ポスター、置きもの、Tシャツがならび、店主の好きなものが飾られています。
好きなものに囲まれた空間で、ふと目に留まったのは、スタッフがコーヒーを淹れている姿でした。
目の前には、レコードを回すターンテーブル。奥にはエスプレッソカップが整然と並び、小さなアートがさりげなく彩りを添えています。
店名に“COFFEE”を掲げるとおり、「ROTTON COFFEE and CREATIVE」にとってコーヒーは欠かせない存在。器具が置かれたテーブルでは、一杯一杯ていねいに淹れられています。
音楽とコーヒー、そして表現。この限られたスペースの中で、それらが重なり合い、お店の核を形づくっているように感じました。
ターンテーブルを正面からだけでなく裏からのぞくと、数えきれないレコードがぎっしりとあるのに気づきました。
店主・小坂さんに「レコードって全部で何枚あるんですか?」と聞くと「数えるのやめちゃったなー2000枚は超えると思う」とほほえみながら答えてくれました。音楽がいかに小坂さんの人生を支えてきたのか、垣間見えた瞬間でした。
ちなみに、11月3日のレコードの日にはDJを呼んだり、ライブペイントをしたりなど楽しいイベントも企画しているそうですよ。
店内の奥へ進むと、テーブル席以外に座敷席も用意されているので、お子さま連れでもゆったりとした時間を過ごせます。絵本やノートも置かれ、先ほどの空間とは一味違う、落ち着いた雰囲気が広がっています。
天井を見上げると、使い込まれた自転車が逆さまに吊り下げられていました。話を聞くと、店主の小坂さんが飲食業をはじめる前、自転車で日本一周をしていた頃の思い出なんだそう。
日本一周の話から、現在の「ROTTON」にたどり着くまでの道のりを、熱を込めて教えてくれました。
ヨーロッパのパンクを愛する小坂さんが心を動かされたのは、音楽だけではありませんでした。
イギリスをはじめとする各地では、難民や移民など、多様な背景をもつ人々が集うアートや音楽のコミュニティが根づいています。宗教や文化の違いを越えて、誰もが同じテーブルにつけるようにと、植物性の料理が選ばれることが多いのだそう。
生まれや育ちが違っても、同じ皿を囲める。野菜を使った料理は、人と人とのあいだにある見えない垣根を、そっとやわらかくしてくれる存在だと感じはじめます。
実際に植物性の料理を口にし、「肉を使っていないのに、こんなにおいしいのか」と強い衝撃を受けたともいいます。そして何よりも、国や宗教の違いなど関係なく、同じテーブルをみんなで囲み楽しい時間を過ごすという空気感。
「ROTTON」の軸は、ここで生まれたのです。
トッピングでぜひ試してほしい「ROTTON COFFEE and CREATIVE」のファラフェル
ファラフェルは中東地域の料理で、一般的にひと口サイズのまん丸い形をしています。見た目はピンポン玉より少し小さいくらいで、表面はこんがり茶色。
フォークで半分に割ると、衣のザクザクとした食感が伝わってきます。口に運ぶと、音までおいしいと感じられる一品。
ひよこ豆をベースにしたファラフェルに、香りと爽やかさを添えるハーブ。さらに、「ROTTON」では衣に黒ゴマを加え、香ばしさが一段と引き立っています。
食欲が心地よく刺激され、気づけばあっという間に食べ終えていました。
訪れる人の心をつかむ「ROTTON COFFEE and CREATIVE」のコーヒーもお試しあれ!
店主・小坂さんにとって、コーヒーは特別な飲みものではなく、暮らしのなかにあたり前にある存在。小坂さんは小学2年生くらいの頃から、ご自身で豆を挽き、ハンドドリップで淹れはじめていたんだそう。
「ROTTON」のオリジナルブレンドは、老舗の自家焙煎珈琲店の店主に依頼し、互いにお店を行き来しながら、何度も対話を重ねてつくり上げたもの。想いをすり合わせて完成した一杯は、「ROTTON」でしか味わえない仕上がりになっています。
「ROTTON」では、オリジナルブレンドのほかに時期によって変わる自家焙煎珈琲豆も選べるそうです。
こだわりのブレンドを淹れるのは、スタッフの太田早紀さん。静かな所作でお湯を注ぐ姿は凛としていて、見ているだけで心が落ち着きます。
早紀さんが淹れる姿を見つめながら、小坂さんは語ります。
「珈琲もやるからには本気で。彼女の経験と『ROTTON』の知識が重なっていい一杯が提供できています。」その言葉から、一杯にかけるまっすぐな想いが伝わりました。
一杯のコーヒーが、いままでの価値観を新しくするような存在になれたと感じられた日が、何よりもうれしかったエピソードだと話す店主・小坂さん。「ROTTON」のコーヒーのおいしさは口コミやSNSで広まり、コーヒー一杯のために訪れる人も増えているといいます。
実際に私もいただいてみました。甘みとコクのバランスが絶妙で、とても飲みやすい味わい。ほどよい温度と、まろやかなお水のやさしさも相まって、体にすっと染みわたり、ほっとさせてくれる一杯でした。
店内をぐるっと見渡して、目に留まったのが写真に写っているマシン。1905年、イタリア・ミラノで創業したエスプレッソマシンの老舗「La Pavoni(ラ・パボーニ)」のハンドエスプレッソマシンです。
実際に、La Pavoni(ラ・パボーニ)を使って、黒糖ソイラテを作ってもらいました。レバーを引いてグググと圧力をかけます。
凝縮されたエスプレッソが、ゆっくりと抽出されていきます。写真では伝えきれない、抽出時の液体の音。
豆が液体へと変わる瞬間は、注文して席で待っていると、なかなか目にできないですよね。だからこそ、目の前で抽出されていく様子は、それだけで特別な時間のように思えました。
エスプレッソをグラスへ移し替えます。
黒糖も加え豆乳をなみなみと流し込みます。
黒糖ソイラテが注がれたパンチのきいたグラスは、店主・小坂さんが好きなCHAOS UK(カオス ユーケー)のセカンドシングルのジャケットデザイン。
強烈なビジュアルとは対照的に、黒糖ソイラテの味わいはやわらか。エスプレッソのきりっとした苦味に、黒糖のとろりとした甘みとコク、そして豆乳のまろやかさが重なり合い、バランスよくまとまっています。
「ROTTON」は地域のため、人のため、みんなの居場所になりたい
キッチンカーをはじめる前は、飲食業とは全く違う業種ではたらいていた小坂ご夫婦。家族と過ごす時間も気づけばなくなってしまっている日々に「何かチャレンジするなら今だ!」と務めていた職場を辞め九州一周の旅に出ます。
思い切って仕事を辞め、旅に出た時間は大切な財産に。けれど沖縄に戻っても理想の店舗には巡り合えず、月日だけが過ぎていきます。そんなとき奥さまの「商工会にキッチンカーがあるらしいよ」の一言で、夫婦の挑戦がはじまりました。
メニューは、音楽をとおして知った植物性の料理に絞りました。
はじめは小坂さんのソウルフードであるコロッケから。そこに沖縄県産の野菜を使ったサンドメニューを加え、沖縄各地のイベントに出店し、少しずつ「ROTTON」が知られるようになっていきます。
取材中、素材へのこだわりやヴィーガンというスタイルの話を聞きながら、疑問が浮かびました。
こだわりのある食材や考え方を、前面に打ち出さない理由をお伺いすると「こだわりを強く出しすぎると、“特別な日に行く店”になってしまうかもしれない。めざしているのは、もっと日常に寄り添う存在。あえて庶民的なメニューにしているのは、そのため。毎日食べても飽きない味。気負わず立ち寄れる価格と雰囲気。届けたいのは、肩ひじ張らない日々の食事です」と教えてくれました。
「ROTTON」の根底になるのは支えてくれた人たちへの感謝。感謝から地域資源(人・モノ)を活かすという姿勢につながっています。
身近にある素材や文化に目を向け、新しい価値として届けていく。とりくみのひとつとして生まれたのが、うちかびスケットです。沖縄の風習に使われるうちかびをヒントに、日常のおやつへと形を変えました。
店内には、店主・小坂さんが時間をかけて集めてきた音楽やポスター、小物がならびます。一つひとつが、小坂さんの人生のなかで出会った大切な記憶。積み重ねてきた日常が、空間を作っています。
人生の時間が詰まった「ROTTON」で、自分の日常を重ねる時間を過ごしてみませんか。
Information
- ROTTON COFFEE and CREATIVE
- 住所
- 〒904-0112 沖縄県北谷町浜川183
- 電話番号
- 080-4692-8989
- 営業時間
- 8時~15時(L.O.14時30分)※売り切れ次第終了
- 定休日
- 水曜日・木曜日
- 駐車場
- 有(店舗前5台)
- クレジットカードの利用
- 可
- 電子マネーの利用
- 可(楽天Edyのみ不可)
- SNSのURL
あわせて読みたい記事




