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昭和レトロな空間で味わう“至福のお握り”と“サイフォンで淹れる緑茶”。喫茶店「三日月の日」で心温まるひと時を(沖縄市)
沖縄市知花、国道329号線沿いにある「三日月の日」。扉を開けると、昭和の時間が止まったかのようなレトロな世界が広がります。
メニューの主役は、店主の祖父母が島根の清流で丹精込めて育てたというお米で作る、物語の詰まったおにぎりです。傍らで静かにコトコトと音を立てるサイフォンからは、自家焙煎のコーヒーだけでなく日本茶の芳醇な香りも。
三日月のリズムに導かれるように生まれたこの場所で、お腹も心もぽかぽかに満たされる「一膳の物語」を紐解いてみませんか。
目次
ほどけるお米と、藻塩が奏でる口福「藻塩お握り」
「三日月の日」の主役は、なんといってもおにぎり。
実は、お店のおにぎりに使うお米を栽培しているのは、店主の祖父母。ただの米ではなく、島根県吉賀町の清流・高津川の恵みを受けた「注連川(しめがわ)の糧」です。
自然環境を守るため、農薬や化学肥料を極力使わず丁寧に栽培されたこのお米は、味も格別で、日本最大級の米コンクールで数々の受賞歴を誇る一級品。
入荷時期にもよりますが、店内で販売していることもあります。
看板メニューの「藻塩(もしお)お握り」は、米と塩だけという超・シンプルなメニューです。
「藻塩」とは、島根県・隠岐諸島の「ろうそく島」近海で採れる希少な塩のことで、ほんのり黒みがかっているのは、海藻から作られているからなのだそう。
口にしてみると、お米のつぶつぶとした感触と甘味に驚かされます。おにぎり自体に使われているのは広島県産の塩。
「このお米に最も合う塩はどれか」と、何十種類もの塩を仕入れては試作を繰り返し、最終的に辿り着いたのがこの塩だったそう。塩加減はあえて控えめに握られており、そのまま食べてもおいしい感じ。
旨味の濃い藻塩を少しずつ付けながら食べることで、しっかりとした塩味が好きな人も自分で調整しつつ、味の変化を楽しむことができるようになっています。
あっさりとした中に黒糖を薄くしたようなほんのりとした甘みがあり、後味に海藻の風味がフワッと鼻に抜ける極上の味わいです。この特別な藻塩を堪能できるのは、実はこの「藻塩お握り」だけなんです。
現在のおにぎりの種類は11種類。一番シンプルな「塩お握り」がこれほどまでにおいしいということは、土台となるお米と塩のバランスが完璧だという証拠。ベースがこれだけぜいたくに磨き上げられているのだから、その上にどんな具材が乗っても美味しいのは、もはや必然と言えるかもしれません。
4年越しの想いが結実した、究極の鮭お握りとは?
そしてもうひとつのチョイスは、新メニューの「鮭の味噌漬焼きとクリームチーズ」。
鮭おにぎりといえば、塩おにぎりと並んでおにぎりメニューの定番中の定番です。
でも「三日月の日」流は一味も二味も違います。
鮭おにぎりといえば「塩焼き」が定番ですが、こちらでは沖縄の甘い「いなむるち(イナムドゥチ)味噌」と「西京味噌」を独自にブレンドした特製味噌に漬け込んでから焼いています。
「三日月の日」のオリジナリティは、さらにクリームチーズを合わせていることです。ともに発酵食品の味噌とチーズは、実はとても相性の良い食材。互いの旨味が重なり合い、鮭の旨味に独特で濃厚な「まろやかさ」が加わって絶妙な味わいを生み出しています
そこに砕いたアーモンドがカリッとした食感を加え、楽しいアクセントに。
さらに、添えられたライムをキュッと絞れば、濃厚でまろやかな旨味の中に爽快感が走ります。
まさに「ここでしか食べられない」唯一無二の味です。
おにぎりと一緒にセットにしたいのが「本日の小鉢・汁物セット」
自家製の漬物に、キャロットラペ。具材が崩れないよう計算された黄金だしの赤味噌汁。
おにぎりとともに味わえば、お米の一粒一粒に込められた優しさが、身体の隅々まで染み渡るのが感じられます。
おにぎりは開店直後、11時のお米の炊き立てが一番おいしいです。土日はお昼過ぎに売り切れてしまうことも多いとのこと。おにぎり狙いなら早めの訪問が鉄則です。
あえてのサイフォンで淹れる日本茶のコクと旨味を堪能
カウンターで美しく光るサイフォン。コーヒーだけでなく日本茶も淹れています。
正直なところ、サイフォンで淹れるのは、ドリップよりも手間がかかります。でも、香りが一気に開き見た目も美しい。
お茶が最もおいしいといわれる50〜60度の適温にするために、サイフォンで沸騰させたお湯を、あえて氷を使って温度を下げるという繊細な工夫もされています。
日本茶のメニューは「ひの川」「山吹」「丸十圓」の3種類。
今回いただいたのは、一番人気の日本茶「山吹」です。苦味がなくてスッと鼻に抜ける香りに驚きました。
今回は紹介しきれませんでしたが、「三日月の日」には、日本茶だけでなく、自家焙煎のコーヒーやクリームソーダなど、クラシカルな喫茶店のメニューも揃っています。
「喫茶店のプリン」や「月桃水信玄餅」など、手作りスイーツも気になりますね。
昭和レトロの面影を残す、ノスタルジックな空間で過ごすひと時
「自分が何かを始める時は、なぜかいつも三日月の日なんです。このお店をオープンした日も、後で気づいたら三日月でした」と語る店主さん。
月の満ち欠けのように、自然のリズムを慈しみ、一膳を丁寧に供する。そんな温かな哲学に満ちた、どこか懐かしい雰囲気を醸し出すお店です。
実はこの場所、元々はスナックだった物件の居抜きなのだそう。グランドピアノのような美しいカーブを描くカウンター席はそのまま残されており、特有の趣を醸し出しています。
時代物の桐箪笥や、レトロな扇風機、味わい深い照明などが絶妙に調和しており、秘密基地感のある心地よい空間は、つい長居したくなるような雰囲気です。
慌ただしい日常にそっと寄り添ってくれるような、特別な場所で、静かで贅沢な時間を過ごしたいかたは、ぜひ「三日月の日」を訊ねてみてください。
Information
- 三日月の日
- 住所
- 〒904-2143 沖縄県沖縄市知花6丁目23-11 長山ビル 101
- 電話番号
- 098-989-3383
- 営業時間
- 10時半〜15時(予約不可)
- 定休日
- 月曜・木曜
- 駐車場
- あり(店舗裏7台)
- クレジットカードの利用
- 不可
- 電子マネーの利用
- 不可
- HP・SNS
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