くらしと経済 〜2021年放送

6月11日 新しい都市の姿を目指す、「スーパーシティ構想」

小林

こんにちは。小林美沙希です。
「スーパーシティ構想」を皆さんはご存じですか。私たちの暮らしをより便利にする可能性を秘めているようです。
野村証券那覇支店支店長の宮里洋介さんに伺います。宜しくお願いします。

宮里

よろしくおねがいします。

小林

なかなか聞き慣れない言葉ですが「スーパーシティ構想」とは具体的にはどのような構想なのでしょうか。
話はこのところよく聞くようになりましたね。

宮里

スーパーシティ構想とは、内閣府が2018年に発表した構想で未来の新しい都市の姿を目指すものですが、その前段にある「スマートシティ」についてまず説明していきたいと思います。
スマートシティとは、IoTやAIといった先端技術を活用し、電気やガス、水道などの基礎インフラと家や車などの生活インフラを効率的に管理・運営し、環境に配慮しながら生活の質の向上を目指す都市モデルです。
神奈川県藤沢市の官民一体となった高度な都市機能をそなえた街づくりの事例やスペイン・バルセロナ市のセンサーを活用して利便性を高める事例など既に国内外で取り組みが進んでいます。

小林

先端技術の力で築く、便利で快適な街がスマートシティということですね。

宮里

おっしゃる通りです。一方、今日のテーマであるスーパーシティは、先端技術を活用した新しい都市を目指す点は同じであるものの、より広い視野に立った構想と言えます。こちらは内閣府が考えるスーパーシティの具体像ですが、医療や教育などこちらに示される10の領域から少なくとも5つ以上の領域において、生活全般にまたがるサービスを提供すること、住民側の目線で理想の未来社会を追求する事などに重きを置いています。

小林

なるほど。スーパーシティは、スマートシティの一歩進んだ形、とも考えられますね。

宮里

そうなんです。こちらのようにスマートシティが移動や物流といった分野ごとに個々の取組みを徐々に広げていく構想であるのに対し、スーパーシティは最初から複数の分野を広くカバーして分野を横断するデータの連携とそのために必要な大胆な規制改革を実施する点に違いがあります。

小林

今後さらに各自治体で、地域の実状に合わせた独自のスーパーシティ構想が広がるといいですね。

宮里

そうですね。地域ならではのスーパーシティ構想の一つとして、群馬県前橋市の事例を見ていきましょう。こちらをご覧ください。
群馬県前橋市では、医療や交通、芸術など独自に設定した12分野の先端サービスに取り組む方針を打ち出しています。
その構想の鍵となるのが、マイナンバーカードとスマートフォン、生体認証技術を活用して、インターネット上で本人確認ができる独自の身分証明システムである「まえばしID」です。これにより車いす利用者など個人特有のニーズに即した専用タクシーを配車できたり、行政システムを全てオンライン化できるなど、従来バラバラだった個人のデータと公共サービスが連動することで利便性や効率が上がるという仕組みを生み出しています。

小林

一人一人が快適に暮らせる未来の街づくりが全国、そして世界に広がっていくことに期待したいですね。
宮里さん、ありがとうございました。

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