くらしと経済 〜2021年放送

7月2日 観光復興に向けて注目される「DMO」の役割

小林

こんにちは。小林美沙希です。
皆さんは「ⅮMO」をご存じでしょうか?
新型コロナウイルス感染拡大で深刻な影響を受けている観光業界の復興に大きな役割を果たすことが期待されています。
野村証券那覇支店支店長の宮里洋介さんに伺います。宜しくお願いします。

宮里

よろしくおねがいします。

小林

ⅮMO、初めて聞きました。一体、何でしょうか?

宮里

ⅮMOとは「観光地のマーケティングと経営を担う組織」のことです。
観光庁はⅮMOを「観光地域づくり法人」と呼び、地域の「稼ぐ力」を引き出して、「経営」の視点に立った観光地域づくりをする舵取り役と説明しています。
日本の観光地域づくりの中心は行政で、一部を観光協会などの民間組織が担っていますが「経営やマーケティング」の意識が薄い現状があります。そこで、民間企業のマーケティング手法を取り入れて、地域の「稼ぐ力」をより高めることにしたのです。

小林

ⅮMOはどこでできた組織ですか?

宮里

アメリカやヨーロッパ諸国で発展したもので、日本では今年3月末時点で全国295の団体が登録されています。ⅮMOには「観光地域づくりについて関係者の合意を得る」「データを収集・分析してブランド戦略を導く」「観光資源を磨き上げて受け入れ環境を整備する」「観光関連事業と地域の戦略が合うよう調整する」という役割や機能があり、経験や勘ではなく、データに基づいた観光事業のマネジメントを行うのが特徴です。

小林

そうだったんですね。今は具体的にどんな活動をしているのでしょうか?

宮里

京都市は昨年度、市内の主要ホテルの客室稼働率が5.8%まで低下しました。
そこで需要回復に向けた事業展開ロードマップを策定し、今後想定される市場環境の変化を「国内観光の復興」や「アジア圏の国際観光再開」、「全世界的な需要復活」までの4段階に整理して、感染症対策に重点を置きました。
「新型コロナ感染予防」推進宣言ステッカーの掲示や、各種イベントの予約制度の導入、混雑度の予測をすることで、密を避けた観光スタイルの普及を促しています。

小林

兵庫県豊岡市も取り組んでいるんですね。

宮里

はい。こちらはヨーロッパやアメリカなどの個人旅行者にターゲットを絞る明確なマーケティング戦略を立てています。
豊岡市独自の事業者向け感染症対策認証制度を行っていて、事業者から提出された取り組み項目のチェックシートを市やⅮMOで構成される認証委員会が確認し、認証された施設には認証ポスターを提供して安全性をPRしています。

小林

感染症対策のアピールは重要ですね。

宮里

感染収束後も、密を避け、安全安心を重視する傾向は当分続くとみられています。観光地全体の取り組みを「見える化」しているケースはあまり多くないので、地域の競争力を向上させるためにも今後、ⅮMOの果たす役割は大きいですね。

小林

宮里さん、ありがとうございました。

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