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舘 幸子

舘 幸子

唯一無二の食感が忘れられない「モジャのパン屋」“素朴で力強い”味わいが愛され続ける理由(宮古島市)

唯一無二の食感が忘れられない「モジャのパン屋」“素朴で力強い”味わいが愛され続ける理由(宮古島市)

宮古島に来ると、必ず立ち寄るパン屋があります。すでに多くの人が知る人気店なので、今さら紹介する必要はないかもしれません。正直なところ、これ以上行列が長くなるのも困るので、書くのは少し迷いました(笑)。

それでも、このパンのおいしさの秘密を知りたくて、今回は大好きな「モジャのパン屋」さんを取材させていただきました。

目次

忘れられない“素朴で力強い”味わい

唯一無二の食感が忘れられない「モジャのパン屋」“素朴で力強い”味わいが愛され続ける理由(宮古島市)

私が「モジャのパン屋」のパンを初めて食べたのは、確か8年ほど前だったと思います。店頭に並ぶパンをひと口頬張った瞬間、印象に残ったのは素朴な香りと、その独特の食感でした。焼き上がった生地から立ちのぼる小麦のやさしい香り。ふんわりと柔らかいのに、どこかハード系のパンのような噛み応えがあり、軽すぎず、噛むほどに生地の味わいがじんわりと広がっていくのです。

店主の室上さんは「ちゃんと“食べたぞ!”と思えるパンを作りたかったんです」と話します。

手ごねだからこそ生まれる、唯一無二の食感とこだわりの素材

唯一無二の食感が忘れられない「モジャのパン屋」“素朴で力強い”味わいが愛され続ける理由(宮古島市)

この独特の食感を生み出しているのが、手ごねで作るパン生地です。パン作りの様子を見ていると、室上さんは体重をかけるようにして生地をこねています。腕だけでこねると手を痛めてしまうため、試行錯誤の末にたどり着いた方法なのだそうです。

唯一無二の食感が忘れられない「モジャのパン屋」“素朴で力強い”味わいが愛され続ける理由(宮古島市)

1日に作れる量には限界がありますが、このこね方に変えてからは体を痛めることなく、1日に300個ほどのパンを焼くことができるようになりました。

「一度、がっつり腕を故障しちゃって。それからは無理をしないようにしています」と室上さん。

観光地ではなく“町のパン屋”へ。地域に根付くあたたかな存在

唯一無二の食感が忘れられない「モジャのパン屋」“素朴で力強い”味わいが愛され続ける理由(宮古島市)

2013年6月に開業した「モジャのパン屋」は、どこか懐かしい雰囲気を残した温かみのある佇まい。小さな店構えながら、開店直後からパンを求める人が列をつくる光景は、この島の日常になっています。とはいえ、室上さん自身は観光名所のようなお店になることを望んでいるわけではありません。

「地域に根付いたパン屋さんになりたかったんです。この島に暮らす方の生活の一部のような存在になっていけたら」

ずっしり満足感、素材が香る6つの味わい

唯一無二の食感が忘れられない「モジャのパン屋」“素朴で力強い”味わいが愛され続ける理由(宮古島市)

もちろん素材にもこだわっています。パン生地に使用するのは、北海道産の小麦とフランス・ゲランドの塩、高千穂バター、種子島産の砂糖、黒糖、牛乳、イースト菌。

「黒糖を入れると生地が柔らかくなるんです。ミネラルもありますし、味に深みも出るかなと思って」と室上さん。

毎朝6時半から仕込みを始め、1日に12〜13回転ほど同じ工程を繰り返します。

「レシピは残していないんです」そう話す室上さんは、毎日同じ品質を保つため、丁寧な作業を積み重ねています。

唯一無二の食感が忘れられない「モジャのパン屋」“素朴で力強い”味わいが愛され続ける理由(宮古島市)

店頭に並ぶパンの種類は、いわゆるプレーンと呼ばれる「まるぱん」、大阪の和菓子屋から取り寄せている粒あんが入った「あんぱん」、そして「くるみぱん」と「ぶどうぱん」、国産チョコレートがぎっしり詰まった「ちょこぱん」、さらに生地に黒糖と黒糖蜜を混ぜ込み、中に多良間島産の黒糖とバターを包んだ「黒糖ぱん」「ごまぱん」の7種類です。
どのパンも手に持つとずっしりと重く、見た目以上に満足感のある食べ応えがあります。

唯一無二の食感が忘れられない「モジャのパン屋」“素朴で力強い”味わいが愛され続ける理由(宮古島市)

私のお気に入りは、溶け出したバターと黒糖を吸い、パン底がカリッと焼き上がった黒糖ぱん。そして濃密でねっとりとした食感と、芳醇な香りがしっかりと感じられる贅沢な味わいのちょこぱんです。

独学で極めた、パンに寄り添う一杯のコーヒー

唯一無二の食感が忘れられない「モジャのパン屋」“素朴で力強い”味わいが愛され続ける理由(宮古島市)

パンと一緒に購入したいのが、室上さんが自ら焙煎するコーヒーです。実はパン作りも焙煎もすべて独学で、コーヒー豆は自宅にある焙煎小屋で焙煎しているそうです。

唯一無二の食感が忘れられない「モジャのパン屋」“素朴で力強い”味わいが愛され続ける理由(宮古島市)

深煎りが好きだった室上さんは、当初は深煎り中心に扱っていましたが、お客さまからのリクエストで中深煎りや浅煎りもメニューに加えることに。香ばしいアロマが広がるコーヒーは、コーヒー専門店にも引けを取らない本格派です。

私自身、宮古島の滞在最終日に、コーヒー豆を購入するためにも必ず立ち寄ります。

“町のパン屋”を目指して、室上さんご夫妻が守り続けるもの

唯一無二の食感が忘れられない「モジャのパン屋」“素朴で力強い”味わいが愛され続ける理由(宮古島市)

店主の室上さんは手を止めることなくパンを作り続け、奥様の直美さんはお客さまとの会話を楽しみながら接客をされています。「宮古島を訪れるたびに足を運んでくださる観光客の方も多く、昨日は5年ぶりに韓国から来てくださった方もいらっしゃって。こういう再会は嬉しいですね」と直美さん。

観光客が訪れる人気店でありながら、「近所の人が買えなくなるのは嫌なんです」と話す室上さんが目指しているのは、あくまでも“町のパン屋”さん。

今日も「モジャのパン屋」には、焼きたてのパンの香りが広がっています。

Information

唯一無二の食感が忘れられない「モジャのパン屋」“素朴で力強い”味わいが愛され続ける理由(宮古島市)
モジャのパン屋
住所
〒906-0000 沖縄県宮古島市平良東仲宗根20番地
営業時間
火〜金:10:00〜15時頃まで
土:10:00〜12時頃まで
定休日
日曜・月曜
駐車場
4台(路上駐車や他店の前に停めないでください)
支払い方法
現金かPayPayのみ
SNS
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