公開日
OTV制作部

OTV制作部

田渕研路プロデューサーに聞く!「琉球トラウマナイト リアルストーリー2022」の見所とは?

インタビュアー比嘉に優しい眼差しを向ける田渕プロデューサー。
写真:インタビュアー比嘉に優しい眼差しを向ける田渕プロデューサー。

OKITIVEをご覧のみなさん、はじめまして!
ラジオ沖縄の番組「琉球トラウマナイト かんこどりのなく夜」の桃Dことディレクターの比嘉桃子です。
今年も春の恒例番組「琉球トラウマナイト リアルストーリー2022」のオンエアが近づいて参りました。
ここらで琉球トラウマナイトってなに?という人にもぜひ番組を見ていただくべく、企画の段階から携わっている田渕研路プロデューサーにお話を伺いたいと思います。

目次

琉球トラウマナイトを始めるきっかけ

――田渕さん、お疲れさまです!今日のインタビュー、宜しくお願いします!

田渕プロデューサー(以下、田渕)
「お疲れ(笑)」

――そもそも『琉球トラウマナイト』はどのように始まったのでしょうか?

田渕
「琉球トラウマナイトの始まりは2014年のこと。とにかく面白いものを作ろうと沖縄県内5人のクリエイターが集まって、ホラー自主制作映画の上映会をしたんです。それが大元となっています」

自主映画「ずっとともだち」。
写真:自主映画「ずっとともだち」。

田渕
「それが2016年に沖縄テレビの番組として進化し、最初の『琉球トラウマナイト リアルストーリー2016』が生まれ、翌2017年に『琉球トラウマナイト レジェンド2017』がオンエアされました。そして2018年からは春に『リアルストーリー』、お盆に『レジェンド』という年2回のオンエアが始まり、いまに至ります。」

琉球トラウマナイトの歴史が伺える、田渕プロデューサーのデスク周り。
写真:琉球トラウマナイトの歴史が伺える、田渕プロデューサーのデスク周り。

――リアルストーリーとレジェンド、2つのシリーズの見どころを教えてください。

田渕
「うん。リアルストーリーは視聴者の方々から寄せられた恐怖体験談を原作としてドラマ化するシリーズ。公募すると毎年300通近くの体験談が寄せられます。そのたびに『沖縄という土地は霊界が近いのではないか?』と思わされます。県内の方の体験談ですので、私達の暮らしのすぐ近くでどんな怪異が起きているのか、それをぜひ感じていただきたいです。

そしてレジェンドでは、すでにみなさんも知っているあの民話を、監督チームがどのように現代アレンジするのか?あの昔話をどのように今の世の中に甦らせるのか?という視線で楽しんでいただけたら嬉しいです」

昔話を次の世代に伝えるために

――ところで、なぜ2つの企画を行おうと思ったのですか?

田渕
「例えばレジェンドのシリーズでいうと、沖縄には『逆立ち幽霊』とか『耳切坊主』などの独自の怪談、怖い民話があるにも関わらず、今の小さな子供達がそうした沖縄の昔話を知らないということを聞いて衝撃を受けたんです。昔はオジイやオバアから生活の中で教えてもらってきたはずの昔話が伝承されないでいる…。怖い怪談話とはいえ、それは伝承されてきた民話であり、土地の文化であるはずだと思うんです。

沖縄の怖い昔話や民話を原作にし、お盆の親戚が集まる時期にオンエアするレジェンドのシリーズは、このドラマをきっかけにそうした昔話を家族や親戚の間で話題にしていただきたい。そして、次の世代に伝わっていくきっかけになれば良いと思い、企画をスタートさせました」

那覇が舞台の「七つ墓」を現代版にアレンジ。主演はオリジン・コーポレーションのベンビーさん。
写真:那覇が舞台の「七つ墓」を現代版にアレンジ。主演はオリジン・コーポレーションのベンビーさん。

――なるほど、確かに色々な世代が楽しめるのは素敵です。ホラー自体は好き嫌いの分かれるコンテンツかなと思いますが、ホラーの魅力ってどういう所だと思いますか?

田渕
「ホラー作品の魅力は世界中のどの文化でも、どの時代でも『死』という謎が解けない限り、描き続けられる題材としての魅力がありますね。死後に天国や極楽にいけるという宗教観は、死んだ後も人の意識は継続するということが根本になければ成立しません。死後も意識が継続されるなら、この世に留まってしまった死者の意識も否定できない。じゃあ、僕は天国に行きたいから幽霊は否定できないな…と、そんなことを考えて楽しんでしまうわけです(笑)』

――たしかに。人類共通がゆえに永遠に続くテーマかもしれませんね。

「琉球トラウマナイト リアルストーリー2021」には事故物件住みます芸人の”松原タニシ”さんが出演!
写真:「琉球トラウマナイト リアルストーリー2021」には事故物件住みます芸人の”松原タニシ”さんが出演!
琉球トラウマナイト レジェンド2020の「チーノウヤ」。恐ろしい妖怪役にFEC所属のちひろさん。
写真:琉球トラウマナイト レジェンド2020の「チーノウヤ」。恐ろしい妖怪役にFEC所属のちひろさん。
現代によみがえった「キジムナー」をありんくりんの比嘉りゅうたさん、真栄城美鈴さんが演じた。主演はしんとすけのしんさん
写真:現代によみがえった「キジムナー」をありんくりんの比嘉りゅうたさん、真栄城美鈴さんが演じた。主演はしんとすけのしんさん

リアルストーリー2022のこだわり

――ちなみに田渕さん自身は幽霊を見たり霊感はあったりするんですか?

田渕
「不思議な物音や気配などを感じたことはあるけど…
幽霊を見てしまった的な心霊体験は経験ありませんね。リアルには経験したいとも思わないよ!だって怖いですから…(笑)」

――リアルには経験したくないんですね(笑)。でも、だからこそゾッとする作品を作れるのかもしれません。制作の裏話・大変だったエピソードなどがあれば教えて下さい。

田渕
「とにかく制作中に事故などおこさず、楽しんでいただける作品をみなさんにお届けすることがプロデューサーとしての務めであると考えていますので、撮影前には必ず首里観音堂様で安全祈願祭を行い、撮影の安全と視聴者様の幸せを毎回祈願させてもらっています。それでもやはり怪異を扱う番組ですので、人によってはやはり気分を害される方もいらっしゃり、たとえばあるお家の拝み所がドラマに映り込んでしまった際には、オンエア後にお祓いをさせていただいたこともあります」

――プロデューサーとして、今回の『リアルストーリー2022』でこだわった点などはありますか?

田渕
「4月26日にお届けする『琉球トラウマナイト リアルストーリー2022』では、通常と趣向を変えて県内外で活躍されているミュージシャン、役者、芸人の方々の恐怖体験談をドラマ化しています。いつもメディアで楽しませていただいているアーティストの方々がどんな体験談をお持ちなのか…?その辺を楽しみにお待ちいただけたらと思います。出演有名人の方々の普段活躍しているときとはまた違う一面を見つけていただけたら面白いと考えています」

琉球トラウマナイト リアルストーリー2022の撮影風景。実際のバスを借りて撮影した。
写真:琉球トラウマナイト リアルストーリー2022の撮影風景。実際のバスを借りて撮影した。

――いち視聴者として楽しみです。番組を見る方にどう感じて欲しいですか?

田渕
「一緒に見てくれた恋人達がその後の食事の話題のひとつとしてくれたり、家族のたわいもない会話の題材の一つにしてくれたりしたら、僕たちのつくったドラマ達は役目を果たせたことになるのだと思います。エンターテインメントとは極論そういうものです。まずは楽しんでいただきたいです。どんなクリエイティブも人に楽しんでいただいて完成するものだと思いますね。」

テレビ版以外にも盛りだくさんの展開!

――『琉球トラウマナイト』は、テレビドラマ以外にどのようなコンテンツがありますか?

田渕
「お話ししたとおり、もともと自主制作映画の上映会としてスタートした琉球トラウマナイトですが、テレビ版である『リアルストーリー』と『レジェンド』の2シリーズをオンエア中です。

そして、テレビ版にも監修として参加いただいている作家の小原猛さんと、役者の神崎英敏さんのふたりをパーソナリティーとしたラジオ番組『琉球トラウマナイト かんこどりのなく夜』が現在、平日よる9時55分からラジオ沖縄で放送中です」

ラジオ版「琉球トラウマナイト かんこどりのなく夜」に松原タニシさんがゲストに!楽しそうですが、話は怖かった思い出…
写真:ラジオ版「琉球トラウマナイト かんこどりのなく夜」に松原タニシさんがゲストに!楽しそうですが、話は怖かった思い出…

田渕
「また、新型コロナウイルスの蔓延によりいまは行えていませんが、『琉球トラウマナイト 学生映像コンペティション(通称:学トラ)』は、県内の5大学(琉球大学、沖縄大学、沖縄国際大学、沖縄県立芸術大学、沖縄キリスト教学院大学)に大学公式で参加いただいている学生映像コンテストで、映像制作のプロの指導のもと自分たちで作ったホラー作品を大学対抗で競い合うというもの。新聞社に出向いて取材を受けたり、テレビ番組に生出演したり、学生達が広報まで自分たちで行うことで、キャリア教育やメディアリテラシー教育の場を提供したいと行っています」

2019年の学生トラウマナイトの様子。有観客で上映を投票を行い各大学が独自の作品で競いました。
写真:2019年の学生トラウマナイトの様子。有観客で上映した後に投票を行い各大学が独自の作品で競いました。
学トラ優勝校は沖縄テレビでオンエアされました。
写真:学トラ優勝校は沖縄テレビでオンエアされました。

田渕
「そして2020年からは、SONYグループが沖縄でサービス提供しているソーシャブルカートSC-1という自動運転カートのMR(複合現実)コンテンツとして琉球トラウマナイトが選ばれ、SC-1用のオリジナルコンテンツを制作して県内3カ所でたくさんの方々に楽しんでいただいています。テレビ、ラジオ、イベントと盛りだくさんです!(笑)」

MR(複合現実)コンテンツの撮影風景。
写真:MR(複合現実)コンテンツの撮影風景。
実際にお客様が体験できるホラーを作り出している。
写真:実際にお客様が体験できるホラーを作り出している。
写真:SC-1コンテンツに出演の与座よしあきさんとパシャリ。与座さんは今年の「琉球トラウマナイト リアルストーリー2022」にも出演いたします!
写真:SC-1コンテンツに出演の与座よしあきさんとパシャリ。与座さんは今年の「琉球トラウマナイト リアルストーリー2022」にも出演いたします!

――本当に盛りだくさんですね(笑)。
ちなみにラジオ番組『琉球トラウマナイト かんこどりのなく夜』の完全版はYouTubeにアップしていますので、ぜひそちらの方も宜しくお願いします!
田渕プロデューサー、本日はありがとうございました。

ラジオ版「琉球トラウマナイト かんこどりのなく夜」のYouTubeチャンネル。
写真:ラジオ版「琉球トラウマナイト かんこどりのなく夜」のYouTubeチャンネル。

インタビューはまだまだ続きます!
今回の「リアルストーリー2022」で監督を務めたおふたりにもお話を伺います。そちらもお楽しみに!

インタビュー:田渕研路
株式会社真宣組のクリエイティブディレクター。琉球トラウマナイト総合プロデューサー

琉球トラウマナイトリアルストーリー2022

SC-1Presents琉球トラウマナイトリアルストーリー2022

【番組概要】
沖縄の芸能人が体験した恐怖体験を再現ドラマ化!
2022年4月26日(火)午後7時55分より沖縄テレビ8チャンネルにて放送!

>番組情報はこちら!

あわせて読みたい記事

HY 366日が月9ドラマに…

あなたへおすすめ!